温かい想い(最終話(A))
投稿者名:ユタ
投稿日時:(02/12/ 3)
ソウト事件から4日が過ぎた・・・
過度に霊力、体力を使った美神達はまるまる2日間寝込み、
精密検査と安静を兼ねて計四日間の入院となった・・・・そして・・・・
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「んんんんんんん〜〜〜〜〜〜〜ー!!!」
朝日差す美神除霊事務所オフィスの中で、
ぐっと両手を挙げ、盛大に背伸びをする美神。
「いやぁ〜、やっぱり我が家っていうのは落ち着くわ〜・・・・・」
ギシっと椅子をしならせ、リラックスした表情でニカっと笑顔を漏らした。
「本当に・・・・みんなケガも治ったみたいしだし安心しました」
美神に同意するように、おキヌがほっと安堵の息をつく。
「四日間も西条と同室なんて・・・最悪の入院生活だった・・・」
横島は腕を組みながらぶす〜っとした表情を浮かべ呟いた。
「そんなこと言って『治』の文珠出してあげたんでしょ?」
「あ、あれは隊長が頼んだからですよ!じゃなきゃ、あんな奴なんぞ・・・」
「ま、そいうことにしといてあげるわよ」
「でも、大変だったじゃないですか・・・横島さんったら
『お前の残留思念に殺されかけたぞ───!!』って西条さんに襲いかかるし
西条さんも
『ふん!ボク本人なら確実に君は死んでるね!』ってケンカ買っちゃうし・・・」
似てないおキヌの物真似を見ながら、美神はそのときの光景を思い出して笑い声をあげた。
「いやー、奴の顔みたらついつい・・・あれ?そいや、美神さんさっきから嬉しそうですね?」
先程から終止笑顔の美神を不思議そうに見る横島。
美神は横島に言われさらに不気味な声をもらす・・・・・
「ふふふふふ、今日はついに金・・じゃなくてママが来るのよ・・・
くくくくっ・・・・いくら要求しようかしら〜!もう笑いが止まらないわ♪」
「こ、恐い・・・」
「へ、変なオーラが出てますね・・・」
美神のまわりに渦巻くドス黒い瘴気に、冷や汗を流しながら思わず後ずさる横島とおキヌ。
その時・・・・・
ガチャリ
音を立てながら、ノブが回りひのめを抱えた美智恵が入ってきた。
「あら、横島君とおキヌちゃんもいたの?」
「金──!じゃなくて、ママ!待ってたわよ!」
待ち人の登場に、まるで瞬間移動のように美智恵の前に立つ美神。
その行動に横島とおキヌはただ苦笑いするしかなかった。
「はいはい・・・横島クン、ひのめを少し預かってて」
「ういっす」
「にーに」
そんな美神に驚くことなく、美智恵は落ち着いてひのめを横島に預けた。
美神と美智恵は向かい合うようにソファーに腰掛ける。
美神の目は「早く早く♪」と、光輝いていたのは言うまでもない・・・・
「それでママ!・・・6億よね!『最低』6億はもらうわよ!」
最低と言ってるが、それ以上の金額をどうにかして払わせようと考えているのは間違いない。
もちろん、美智恵の反撃に備え対策を26パターンも考えている。
「落ち着きなさい令子・・・その前にあなたに買ってもらいたいものがあるのよ・・・」
鼻息荒く叫ぶ美神をたしなめながら、
美智恵はおキヌが用意した紅茶で軽く舌を濡らした。
「私に?」
「これなんだけど・・・」
美智恵は不思議がる美神の前に、バッグから何かを取り出して机に置いた。
ゴロンっと転がるように出てきたのはあのソウト戦で使用した水晶球のカケラだった。
「これをどうして私が買わなきゃいけないのよ」
母の意図が読めず、思案顔になる美神。
「これを調べたらね・・・残留思念を封じると同時に、その場の残留思念を吸収する力もあったみたいなの」
「ふ〜ん」
たいして、興味がないように返事を返す。
「で、結界が作動していた範囲の残留思念・・・を少し吸ってたみたいでね・・・」
「ふんふん」
「このカケラに面白い映像があったの」
「どんな?」
「こんなのよ」
ブン
美智恵が水晶のカケラに手をかざし少し霊力を込めると・・・
まるで立体映像のように、何かが浮き上がる。
「ソウト!」
美神は浮き上がった者の名を警戒した声で叫ぶ。それにつられ横島と、おキヌも少し身構えた。
「大丈夫よ・・・意思を持てるほど強力じゃないわ・・・一種の・・・この水晶球が持つ記憶みたいなものね」
「ソウトが爆散したときに吸収したのね・・・・」
美智恵の声に、三人の警戒音が止まる。
全員が落ち着いたところでもう少し霊力を込める美智恵。
「まぁ見てて・・・」
するとまるでビデオのコマ送りのように動くソウト。そして、急に普通の早さ動きになり・・・・・・・・・・言った
『ちなみに小僧が美神令子の下着を盗んだ枚数は全部で16枚ギィ』
小さな立体映像のソウトが口に出したセリフにオフィスの気温が一気に10度下がった・・・・気がした。
美神の額にはピキピキと怒りマークが浮かび、
横島は「あうあう」と顔に縦線が走り、
おキヌはこの後の展開を予想して冷や汗を流す。
そんな光景を美智恵はあくまで無表情で見つめるだけだった。
「ああ・・・。そいや忘れてた・・・横島クン?・・・あとで覚えときなさいよ・・・・・・・・」
「そ、そんな今更!ひどいっすよ隊長ーーーーー!!!(泣)」
「ごめんね、横島君・・・・・・・・・・・・・・・・見せたいのは次のセリフよ」
全員の視線が立体映像のミニソウトに集まる。
『そして、美神令子の脱税の総額は41億2305万円だギィ!!』
「ブホォ!」
美神が口に入れたコーヒーを吹き出した
「こ、これはぁ!!」
「令子・・・ママも大人よ。ここは取引といきましょう♪」
ニマーと満面の笑顔を浮かべる美智恵とは対照的に顔がひきつる美神。
「い、いくらよ!?」
語調を強め、美智恵の雰囲気に飲まれないよう注意するが、流れはもはや変わらない。
さすがに対策26パターンにこれに対応するものはなかったはなかった。
顔に縦線が入っている美神にニコニコと笑顔をむける美智恵。
「そうねぇ・・・・6億♪・・・・・・・・・・・あら、偶然あなたに支払うはずの金額同額ね・・・ってことはチャラということで♪」
ガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!
という効果音が鳴り響いた気がした・・・・・・
温かい想い最終話(B)に続く・・・・・・・・・・・
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ここまで来たのも皆さんのおかげです・・・・・・・・・・
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