ザ・グレート・展開予測ショー

ゆうやけ(会話なしばーじょん)


投稿者名:hazuki
投稿日時:(02/11/28)

もう、何度目の夕焼けだろうか?
100回もというほどでもないが、数えきれないほどの夕焼け。
それを、ずっとただひとりの人と見ている。
─いや人ではないだろう?
けれど、大切な女性で、自分の恋人。

なにやら、面映いものを感じていると─目の前にふてくされた彼女の顔があった。
どうやら何か話しそしていたらしい。
聞いてなかった。
あははと笑ってごまかしてみても、ごまかされるわけがない。
益々顔を膨らませる。
本格的に、ご機嫌を損なわれる前に、さっさと謝りそしてふたたび話を促す。
それは、もっと早く出会っていたかったというそれで。
思わず首を傾げてしまった。
早く─というが、彼女はまだ生まれて一年もたっていないのだ。
早くもなにもないだろう?
そう言うと、彼女は困ったように眉を寄せ、そうだけど─という。
時々、自分には彼女の言う事はわからないことがある。
会えたのだからいいんではないか?
いや、違う。今会えたからいいんだ。
─と、いうと彼女はそっとこちらを伺うように、そうかなあ?と言う。
そうだろう?
どうやら、自分だけが時間というものがないのを気にしてるらしい。
んなことどうでもいいのに、と思う。
時間なんぞいくらでもあるんだから。
だから、いくらでも思い出を作れると言ってやると。
すこしばかり、目を見張ったあと、はにかむような笑顔になる。
そりゃもうその可愛いこと。
胸のなかで思わずガッツポーズをとったくらいである。
その笑顔のまま増えていくの?と聞く。
当たり前のことだろうというと、また、同じように当たり前のことなの?と復唱する。
たどたどしい、その様子がまた、可愛らしい。

一緒にいるんだという。
これからずっと一緒にいるんだから、当たり前だろうがと。
そう、長い長い人としての時間を、俺はコイツと一緒にいるんだ。
当たり前で、そして大切なこと。
すると彼女は、ゆっくりと目を伏せ、そしてとつとつと、言う
歳を一緒にとって、ニンゲンになって、一緒にいられると口にする。
まるで大切な大切な宝物のように。

それを確かなものにしたくて違うのか?と言う
数秒の時間のあとに、か細い声、違わないといいう言葉。
その言葉は、かすかに震えていた。

それをもっと確かなものにしたくて、そっと頬に手を触れる。
頬から感じる熱は確かなもので、そしてなによりも大切な、もの。
ずっと傍にあるもの。

約束だという。
頬を両手で包む。
彼女はそっと目を閉じる。
そして彼女も、約束という。


夕暮れのわずかな時間─
ふたりは何度も、何度も約束をした。
確かなものになるようにと
言葉を交し、お互いの温度をわかちあい。
暖かい、涙をながし─


いずれ破られる事になるであろう約束を。
ずっと続く約束だと信じて

おわり
会話なしだとこんな感じかあ……どっちにしろ変だな(汗)すいませんすいません

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