ザ・グレート・展開予測ショー

AFTER DAYS!!(プロローグ)


投稿者名:ハルカ
投稿日時:(02/11/27)

この話は『ANOTHER WAY!!』から続いています。
前回までのあらすじ:ルシオラが生き返ったよ♪

<甘い生活>


「ル、ルシオラ!
 この前はうやむやになっちまったけど、この指輪改めて受け取ってくれ!!
 そ、それで・・・それで・・・」

緊張してうまくしゃべれない俺にルシオラが
やさしく微笑んで声をかける。

「わかってるわよ、全部言わなくても。
 ヨコシマ・・・・それとも『あなた』ってよんだ方がいい?」


・・・・・プツン


理性の糸が切れる音が聞こえた。

「ル、ル、ル・・・・・
 ルシオラーーーー!!」

ガバーーと音をたてるようにお決まりのルパンダイブで
ルシオラの胸に飛び込もうと・・・・・


「コラ!!起きろ、横島ーー!!」

スコーンといい音をたててチョークが俺の頭に突き刺さる。

・・・・ここは学校!?ってことは今のは夢か!?
くそぅ、いいところだったのに。

ここで今までの俺だったら
『もうちょっとだったのに!!
 せめて俺がルシオラの胸に飛び込むまで
 待ってやる情けは無いんかーーーーー!!?』とか言って
教師のむなぐらを掴んでるところだろうが、
なんたって今の俺は・・・・・

「おい!!聞いてんのか、横島!?
 この後、職員室に来い!!
 分かってると思うが逃げたらお前のバイト先に連絡するからな!!」

俺の妄想を無視して無情な担任の声が俺の耳に入ってきた。

職員室にて

「なあ、横島。お前将来どうすんだ?
 お前だけだぞ、進路決まってないの。
 いつまでも『美人の奥さんもらって退廃的な暮らしがしたい』とか
 言ってらんねーぞ。」

担任からマジに心配されてる俺って・・・・(汗)
だが俺は自信満万に答える。

「大丈夫っすよ。退廃的な暮らしはともかく
 美人の奥さんをもらうことはもう予約済みっすから。」

「はあ?」

俺の担任が『何言い出すんだ、コイツは?』っていう声をあげる。

「婚約したんですよ。卒業したらすぐに結婚する予定っす。」

そうなのだ。
俺はあの後、ルシオラに再びプロポーズした。
そしてルシオラは快く指輪を受け取ってくれたのだ。

俺としてはそれを結婚指輪のつもりで送ったんだけど、
俺の今の稼ぎではアイツを十分に養っていけないってことと
除霊事務所のみんなから『卒業してからにしなさい』と
強烈に説得されたこともあって
(あの時のおキヌちゃんの目はマジで怖かった・・・・)
今、ルシオラとは婚約関係にある。
ルシオラも
『今度こそ、私達には時間がたっぷりあるんだから。
 私は逃げないわよ。ねっ。』
と言ってくれた。

「へーへー。
 で、仕事はどうするんだ?
 その婚約者ってのを養っていかなきゃならないんだろ。
 まさかお前、ヒモにでもなるつもりか?」

担任がまったく信用してないような目つきで質問を続ける。
だが俺にとっては就職は深刻な問題だ。

「・・・・・正直迷ってます。
 アイツを養っていくなら公務員であるオカルトGメンから誘いが来てるんですが・・・
 でもGSも続けたいし・・・
 このままGS続けるのもいいけど、GSは危険な仕事ですから。
 親父とおふくろのコネで村枝商事に入るのも悪くないかなって・・・・・」

「・・・・・!!
 横島!ひょっとして、今の話マジだったのか?」

担任は驚いた後、急に真面目な目つきに変わってこう言った。

「そっか。マジで悩んでるなら好きなだけ悩め。
 卒業までまだ1年もある。
 悩み尽くして出した答えなら、どんな答えでもそれが正解だ。
 ま、どうしても答えが出なかったら相談しに来い。
 気休め程度のことは言ってやるぞ。」

俺はそれを聞いてちょっと感動してしまった。

そうだ。
今すぐ決める必要は無いんだ。ルシオラやみんなとも相談して決めよう。
今日の帰りにでもピートとタイガーに相談しようかな。


下校時間

「・・・・ってわけなんだよ。ひでえだろ、うちの担任。」

「はははは・・・
 でもそういう所、横島さんらしいですよ。」

俺の話にピートがあいずちを打つ。タイガーも話に加わってきた。

「しかし、横島サンがGSやれば繁盛間違いなしですけんノー。
 ワッシはGSを辞めるっていうのはもったいないと思うんジャー。」

「でも横島さんには商才があるからね。
 会社に入ってもうまくやっていけると思うよ。」

俺のことで議論が白熱しているとピートがあることに気がついて
俺に問い掛けてきた。

「そう言えば、横島さんと一緒に帰ることっていうか
 横島さんが最後まで学校にきていることって珍しいですね。
 今日は仕事は無いんですか?」

「・・・ん?
 ああ、仕事は来てるんだけど今日は病院に検査に
 行くんだ。なんか隊長が行けってさ。」

この前、ルシオラに初めてプロポーズした時
オールスターにボコられた俺はさすがに病院に運び込まれた。
それ以来隊長の勧めで週に2〜3回検査に病院にかよっている。

あの時は血を流しながらケイレンしているところをおキヌちゃんが
止めてくれなかったらヤバイところだった。
白井総合病院の院長も
『なんだ!?この傷は!?ゴジラに踏み潰されて、
 コニシキが30人乗ったロードローラーに押し潰されてもこうはならんぞ!!』
とか言ってたからなー。

「ははは・・・・
 そっ、そっ、そんなこともありましたね。
 あっ、あれはルシオラさんじゃないですか?」

ピートが話題を変えようと指差した先にルシオラが校門の前で待っていた。

「ヨコシマ!!
 そろそろ授業が終わるころだと思ってたわ。
 一緒に病院に行きましょ!!」

ルシオラが満面の笑みで俺を迎えてくれる。

「・・・・・・。
 ルシオラ!!待っててくれたのか!?」

俺はルシオラの笑顔に一瞬見とれてしまっていた。

「やれやれ。お熱い仲ですね。
 では我々は退散するとしましょうか。行こう、タイガー。」

「ワッシも魔理しゃんになぐさめてもらいたいですノー。」

二人は俺たちをからかいながらも笑顔で去っていった。
しかし、ピートのヤツも大分俺達に感化されてきたよな。

「じゃ、行こうか。ル・・・・・シオラ?」

俺が再びルシオラの方を向いて声をかけると
ルシオラはキョロキョロして、なにやら不信な行動をとっている。

「な・・・何してんの?ルシオラ・・・?」

「しっ!!静かにしないと気付かれちゃうでしょ!!
 あの二人の能力を甘く見ちゃだめよ!!」

「あ、あの二人って・・・?」

「あの二人に決まってるでしょ!
 
 ・・・・!!
 しまった!!もう来たみたい!!」

ルシオラが慌てて見たその先には・・・

「ポチ〜!!
 会いたかったでちゅよ〜!!」

「こら!パピリオ!!
 先生をポチ呼ばわりするとは・・・・
 せんせ〜、会いたかったでござる〜!!」

ドドドドドドと砂煙を巻き起こしながら
凄いスピードで走ってくるパピリオとシロの姿だった。

美神さんの事務所でルシオラを含めたこの三人が今、お世話になっているのだが
歳が近いこともあってパピリオとシロの二人はすぐに仲良くなってしまった。
二人でよく隊長に生まれた次女のひのめちゃんの世話をみてくれているらしい。

「も〜。
 せっかく、ヨコシマと二人で出かけたっかたのに・・・」

ルシオラは苦笑いしながらパピリオとシロの二人をほほえましそうに見ている。

あたたかい友達に
新しい仲間。
それに俺を支えてくれるルシオラがいる。
こんな幸せな日常が続けばいいと思っていた。また、続くものだと思っていた。

・・・・・あの日、すべてを失うまでは。

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