ザ・グレート・展開予測ショー

LONG TIME NO SEE 7


投稿者名:人生前向き
投稿日時:(02/11/24)

窓の外から雨の音が聞こえている。それは今の心情をよりいっそう暗いものにさせる。眠れない、いつからこんなに繊細になってしまったんだろう。

「繊細!?」

自分で言って笑ってしまった。そんなことを考えているとよけいに眠気が遠のいてしまう。横島はうつぶせになり、枕に顔を埋めた。雨はますます強くなったようで、窓をうつ音は先程にも増した。どうすればいい?朝からずっと繰り返されてきた自問自答である。

 世界からの俺に対する扱い、これも疎かに出来ようはずの無い重大な問題である、魔族の因子を持った俺に世界はA級魔族の烙印を押し、共に横島忠夫という人間を捨てるようだ。しかし今は、さらに重大な問題が存在していた。神族が俺に求めてきたものは、俺の中にあるアシュタロスの記憶と先の戦いの記憶を消去すること。

もとより彼の中に主だってあるのは、アシュタロスの記憶というよりアシュタロスの感情のほうが強かった。アシュタロスの記憶は、何故だか彼自身わからないが無いに等しい。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

惚けていると頭の中に、あの時の小龍姫と美智恵の顔が浮かんできた。俺は寝返りをうつと、今度は仰向けに枕を胸の上で抱いた。

「!?」

窓の外にかすかに霊気を感じた横島は、体を起こすとゆっくり窓へと近づきカーテンの袖を手に握ると、勢いよくカーテンを開けた。




「なに?逃げただと!?」

正確な時間はわからない。ある寝室に一本の電話がかかってきた。

「はい、見張りが言うには、話し声が聞こえたので、病室に入ったらすでにいなかったそうです。窓が開いていたそうなのでたぶんそこから逃げたと推測されます。」

「何をやっておるか馬鹿者ども!!」

「も、申し訳ありません。直ちに警察庁に捜索にあたらせます。」

「こんの大馬鹿者、そんなことをしてみろ、この事がみるみる外部へ知れ渡ることになる。もし他の国の耳に入ったとしてみろ、日本の信用はがた落ちではないか。」

「は、はい。ではどう致しましょう。」

「ぬぅーー、この事を知っているのは内調の人間の他に誰がいる?」

「いえ、まだ誰も・・・。」

「その見張りにはこの不始末の償わせる。」

「といいますと?」

「横島忠夫はそいつに襲い掛かって死んだ。そういうことだ。」

「は、はい、しかし、昨日文書が公式に発表されたやさき、怪しまれないでしょうか?」

「大丈夫だ、あまりにも怪しすぎて誰も疑わないだろう。後は任せる、上手くやれ。」

「了解しました!」

「あ、言いわすれとったが、奴の捜索はしろ、内調のみでな。そして見つかり次第。」

「始末します。」

《話し声?・・・神・魔族か、それとも人間か。神・魔族の動きに気をつけておこう。
まぁいい、眠るとするか。》










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あらら 予定では第二幕にいく予定だったのに・・・・・残念無念

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