ザ・グレート・展開予測ショー

魔人Y


投稿者名:NAVA
投稿日時:(02/11/22)

 目前に迫る数百体の中級以上の魔族で構成されたの軍勢を前にオカルトGメンの面々は恐怖を禁じえなかった。
 彼らは魔界のとある魔王、最も新しき魔王の手勢であった。
 
 その新しき魔王の元には4つの部隊がある。
 1つは妖蜂の部隊。
 1つは妖蝶の部隊。
 1つは妖蛍の部隊。
 残りの1つは上記の3つのカテゴリーに属さない混成部隊である。
 その他扱いされそうな部隊だが、事実上、この部隊こそが最強であることは衆目の一致するところである。
 この混成部隊の中には堕天した元神族まで参加しているし、人界で言うところの妖怪も参加している。
 その最も有名どころは九尾の狐などだ。
 

 
 現在、人界を侵攻してきているのは妖蜂の部隊である。
 恐らく指揮官であるべスパもどこかにいるのだろう。




 Gメン隊長、美神美智恵はどうしてもべスパに問いたださなければならない事があった。
 すなわち、この人界侵攻が魔界全体の意思であるのか。
 あるいは、今現在の彼女の主であり、新たな魔王であり、魔人の異名を持つ『横島忠夫』の意思であるのかを。







 オカルトGメンの中に混り、敵の軍勢を眺めつつ美神令子は独白する。

 事の発端は何だったのだろうか?
 横島君がルシオラを失ったことだろうか?
 それとも、彼がアシュタロスを倒したことだろうか?

 あるいは、馬鹿なGS協会の一部の連中が横島君に人体実験を施したことだろうか?


 『文殊』

 このオールマイティーな特殊能力は使う者次第で絶大な効果を発揮する。
 その最たる戦果がアシュタロス戦での横島の活躍だ。
 彼一人でアシュタロスを倒すことは不可能だったろう。
 しかし、彼抜きでアシュタロスを倒すこともまた不可能だったことは疑うまでもない。
 極端な例として、GSとしては最高峰に位置する美神令子。
 彼女は必要な人材であったが、必要十分条件を満たす人材では無かった。
 奇抜な発想・作戦を実現させることの出来る『文殊』という特殊能力。
 これこそがアシュタロス戦において絶対不可欠なファクターであった。
 横島忠夫の持つ、奇特な性格・性癖が多分に影響もしているが。



 世界が落ち着いた後、GS協会は横島忠夫の文殊に目をつけた。
 GS協会は最初から搦め手で攻めてきた。
 横島の上司である美神令子を通して、文殊の研究に研究して欲しい旨を横島に伝えたのだ。
 美神の違法行為、公文書偽造、脱税、えとせとらえとせとら。。。
 他にも、妖狐タマモの件やら何やらで外堀を埋めて横島の逃げ道を塞いでしまっていた。

 結局、美神としてもその取引を持ち掛けて来た協会幹部を彼女の頭脳にだけ内蔵する『いつか抹殺してやるリスト』
 のベスト3にランクインさせて、取引自体は承知せざるを得なかった。
 何の準備もなく、世界的な組織であるGS協会に喧嘩を売るのは愚の骨頂であったし、
 彼女自身、守銭奴であっても守るべき人間としてのマナーは弁えている・・・つもり。
 そういうわけで、彼女はGS協会の文殊研究が、実際は横島忠夫研究であることにまで頭が回らなかったのだ。
 彼女の頭の中では血液検査とか脳波検査とかその程度の認識しかなかったのである。
 そしてそれは実験対象となる横島本人や周りの人間(神族の小竜姫あたりも)も同じであった。
 

 彼/彼女らは人間の残酷さを本当の意味では理解していなかった。


 そして以降、横島の所在は不明となる。
 ヨーロッパ某国の秘密研究所周辺が地図から消えるまで。




 

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