ザ・グレート・展開予測ショー

LONG TIME NO SEE 6


投稿者名:人生前向き
投稿日時:(02/11/21)

「ふざけるな!!お前らの言葉だけでどうやって信じろっていうんだ。」

狭い室内に怒号が飛んだ。その声の主である横島忠夫の父、大樹の前に座っている男の両脇にいる、大柄で見るからに屈強そうな男たちは大樹の次なる行動を警戒し身構えた。中心の男は彼らを手で制すと、襟を正し話を続けた。今、彼らは大樹とその妻である百合子の住む家へと訪れ、彼らの息子、横島忠夫の死の経緯を説明していた。

「すまないが外で待っててくれ。」
男はあらかじめ説明をし終え、それが細かく書かれた書類をテーブルの上に置き、銀縁の眼鏡を取ると両脇にいた男たちにそう命じる。いきなりのことで戸惑いを見せるが、男の厳しい目に押され玄関へと向かった。

「横島さん、私たちも辛い立場ということをお察しください。この国の日本大使館で働いている大半が、以前からあなた達ご夫妻には良くしてもらっています。それをこんな恩を仇で返すようなことになってしまって。」
彼らが去ると男の表情は一転し、だただ頭を下げるばかりであった。大樹の隣に座っていた百合子は、あまりにも突然なことで言葉を失っていた。
「さっきはすまない、気が動転してしまって。」
「いえ、かまいません」
いくばくか落ち着きを取り戻した大樹だが、いまだに顔は青白い。
「で、人払いしないと話せないことなのか?」
「・・・・・・・。」
重苦しい沈黙が流れる。
「タバコ、いいですか。」
男は大樹にそう尋ね了承を得ると、ポケットからタバコを取り出した。
「禁煙してたんじゃないのか。」
「はぁ・・。」
百合子は彼のタバコを持つ手がかすかに震えていることに気づいたが、あえて何もいわなかった。その一本吸い尽くすところで男は話を切り出した。

「以前、アシュタロス戦に忠夫君が加わっていたことはお知らせしましたよね。」
「あ、あぁ。君から聞いたよ。」
「そのことなんですが、あの後日本政府から一つの文書が届きまして。そこには忠夫君を・・・。政府、いえ世界が、すさまじい速さで力に目覚めていく忠夫君に恐れ始めたんです。」
百合子は何かに気づいたようにテーブル身を乗り出した。
「じゃぁ、事件は偽装で忠夫は殺されたって事?」
「わ、私としてもそこまではわかりません。それで問題なのは届いた文書なんです。今日はその書面のコピーを持ってきましたので。」

百合子は男が胸ポケットから出した紙をむしり取ると、そこに書かれていた事柄に愕然とした。大樹は妻の異変に気づくや、何が書かれているのか見ようと顔を近づける。

「それに書かれていることは、世界が彼の首に鈴をつけようとしたのだと思います。」

男が彼らに渡した書類の内容は、病院にて美智恵が横島に見せたものと同じものであった。あまりのことに言葉を失った二人に、男は話を続けた。

「そこがおかしいんです。こんな物を出したあとに事件が起こった。それじゃあ犯人は私ですと言っているようなものだと思いませんか?」




横島の葬式は大樹と百合子の意向により執り行わなかった。もとよりやるとなっても遺骨さえない状態であった。




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いろいろあって、かれこれ二年、皆が落ち着きを取り戻した頃、町に帰ってくる一人の男、彼によって第二回戦目の幕が切って落とされる。しかし作者はい・け・ず、まだまだ見せない奥の手を、第二回戦はいる前に、ちょっと見せましょ、1.5回戦。主役はもちろんあの人!!!

大樹「俺だ!」
違います
百合子「私かしら!」
いや、それもちょっと
令子「私よね!」
え、え〜〜っと
オキヌ「わ、わたしですか!?」
そ、それも〜〜違うような
シロ「拙者でござろう!!」
そういわれても・・・

じ、次回に期待!?
         無責任の第一人者=人生前向き

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