ザ・グレート・展開予測ショー

ANOTHER WAY!!(終)


投稿者名:ハルカ
投稿日時:(02/11/18)

あの夜から数日が過ぎた。

時代は流れてゆく・・・
人も動いてゆく・・・・

まるで一人の男など最初からいなかったかのように・・・
しかしそんな流れの中で動かない人間もいる。

「ちょっと!横島クンの魂が見つからないってどういう事よ!!」

美神さんが怒った顔で小竜姫様に問い詰める。

「しょ、小竜姫を責めないでやってほしいのね。
 彼女はこの数日一睡もしないであらゆるところを探していたのね。
 私も協力したけど結局は・・・・」

ヒャクメが美神さんの言葉をさえぎるがやはり結果は駄目だったようだ。

「すみません・・・神界の探せるところは全て探したんですが。
 これだけ探しても見つからないということは
 肉体ごと魂も消滅してしまったとしか・・・・・・ううっ」

小竜姫様は申し訳なさそうな顔をしていて、今にも泣き出しそうだ。

おキヌちゃんはまだ屋根裏部屋で泣き明かしている。

(私はまだ気持ちも伝えてないのに・・・
 さよならさえも言えないままで死んじゃうなんて横島さんのバカァ・・・・)

ルシオラは俺の葬式の準備に出ている。
俺が死んだ夜、ルシオラは茫然自失のまま朝を迎え
次の日、一日泣き明かしたのだが
その次の日に俺の『言』『霊』の文珠を握り締め
葬式の喪主を自らかってでた。

一番行動が早かったのは美神さんだ。

『あのバカが簡単に死ぬわけないでしょ!!
 小竜姫様!神界に行って横島クンの魂を見つけてきてちょうだい!!
 金に糸目はつけないわ!!』

と言っていたのだが
小竜姫様の報告を聞くとひとりで部屋の外に出て行き・・・

「うそ・・・よ・・・
 横・・島クンが・・・死ぬわけ・・・ない・・・じゃない・・・
 どうして?・・・・ねえ・・・どうしてよ?」

誰にも聞かれないように涙を流した。

シロも俺が死んだ話を聞いて急いでかけつけてきた。

「先生が死んだなんて嘘でござるーーー!!」

そう言って除霊事務所の庭で泣き叫んでいる。


葬式の準備を終えたルシオラが事務所を訪れてこう言った。

「みなさん、故・横島忠夫の御葬式の準備が整いました。
 すぐに唐巣神父の教会に集まってください。」

ルシオラの手には『言』『霊』の文珠がしっかりと握られていた。


事務所のみんなが教会に着いた時にはすでに他のみんなも
協会に集まっていた。

親父、おふくろ、机妖怪の愛子、クラスのみんな、雪ノ丞、タイガー、
エミさん、冥子さん、カオス、マリア、魔鈴さん、西条、小鳩ちゃん、
弓さん、一文字さん、パピリオ、ワルキューレ、ジーク、イーム、ヤーム・・・・

アシュタロス戦の仕事の処理が残っている隊長だけがこれなかった。

「それでは故・横島忠夫氏の御葬式を始めます。」

神父とピートが厳か(おごそか)な雰囲気の中
葬式を始めた。
死体の無い葬式。だが、その死は誰から見ても明らかなものだった。
あちらこちらですすり泣く声が聞こえる。

プルルルルル

突然美神さんの携帯電話が音をたてて鳴り響く。

「もしもし。美神令子ですが・・・なによママ!?
 ちょっと落ち着いて!!いったい何が来るっていうのよ!?」

「美神君、こういうときは携帯の電源をだね・・・」

唐巣神父が美神さんをとがめようとしたとき・・・

バッターーーン

教会の扉が勢いよく開かれた。
その扉を開けたのは・・・・

「あれ?何でみんな集まってるんすか?
 隊長にみんながどこにいるのか聞いても早く教会に行けとしか言わないし・・・」

みんな目が点になってこっちを見ている。
なんでだ?俺がここにいたら変なのか?
俺は頭の中が?でいっぱいになったがそんな事はどうでもいい。
俺は今からやらなきゃいけない事があるんだ!!

みんなが目を丸くして、動けないでいる間に
俺は教会の真ん中を最前席にいるルシオラに向かって歩いてゆく。

そして俺はルシオラの前に立ち
懐からあるものを取り出した。

「ル、ルシオラ!!
 俺、貧乏だから高いもん買えなかったけど、
 この『螢石の指輪』、受け取ってほしい!!」

戦いの中ではうまく言えた台詞が今はうまく言えない。
やっぱ、緊張しまくってるな・・・俺。

・・・・・・・・・・・・・・・?

返事が無い!!
やっぱりダメだったのか!?
実際、給料の3ヶ月分どころじゃなかったのに!!

俺はおそるおそるルシオラの顔を見てみた。

ああ!!やっぱり怒ってる!!

・・・?
なんか、教会にいるみんなが怒ってるんですけど・・・・・

「こ・・・」

ルシオラがプルプル震えながら声を出す。

「こ・・・」

美神さんは神通棍に霊波を込めだした。

「こ・・・」

みんなも次々と武装してゆく。
ゲッ!!普段は温厚な神父やピートまで!!

「「「「この、馬鹿横島がーーーーーー!!!!」」」」

みんなの怒号が教会中に広がった。

「なじぇーーーーー!!??」













教会の遥か上空にて

「しかし、キーやん。
 神魔族の最高指導者が宇宙の改ざんなんて最大のタブー犯して
 よかったんかいな?」

「フフフ・・・サッちゃんこそ彼を魔族にほしがってたじゃありませんか。
 彼なら神魔の新しい共存の関係を創れるかもしれない・・・と。」

「今回、ワイらは何もできんかったからなー。
 ま、あの小僧を生き返らせたのは罪滅ぼしと言うか・・・」

「そうですね。
 それにしても、コスモプロセッサが無事だったのが大きいですね。
 エネルギーの精製に少し時間がかかってしまいましたが。」

なんていう、会話をする影が二つあったとか。


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