ザ・グレート・展開予測ショー

ANOTHER WAY!!(8)


投稿者名:ハルカ
投稿日時:(02/11/18)

俺もアシュタロスも体は傷つき、霊力も底をついている。
これが最後の激突になりそうだ。

「クッ、肉体の崩壊を止めたのか。
 だが貴様にはほとんど霊力など残ってはおるまい!!」

アシュタロスが憎たらしげにそう言うと背中の主砲に霊力を込め始めた。

「お前もな。お互い最後の一発ってわけか。」

俺も言葉を返しながら霊波刀の出力を上げる。

一瞬の静寂の後、アシュタロスが主砲を発射した!!

「貴様は何も犠牲にせず!
 何も踏みにじらず目的を果たすつもりかぁぁ!!!!
 全てを護り、全てを手に入れるとでも言うのか!!
 認めん!!私は断じて認めるわけにはいかない!!!!」

アシュタロスの主砲の威力が増す。

俺はそれを持てる限りの文珠で
『増』『大』・『強』『化』・『強』『靭』などの文字を使い強化し、
全霊力をかき集めた霊波刀で受け止めた。

しかし、『破』『壊』の文字だけは直接攻撃する文字のため
ジャミングされて使えなかった。

グッ・・・重い!!
だが、アシュタロス!それがお前の信念か!!?
俺はそんなもん認めねぇ!!!!

「だから犠牲にしたのか!!
 自分を愛してくれた女性を!!!!
 目的のためにすべてを踏みにじったお前を
 俺は絶対に認めねぇ!!!!」

俺の霊波刀の出力も上がり、
お互いの霊力は均衡状態のまま時間が過ぎてゆく・・・

だが、その均衡は少しずつ破られることになる。
ほんの少しずつだが
アシュタロスの主砲の威力の方が上回ってきているのだ。
それは正にごく僅かな差ではあるが、この極限状態において
はっきりとした確実な差でもある。

アシュタロスが最後の決着をつけるべく言葉をはなつ。

「この一撃で私の信念を証明してみせる!!
 そして、貴様の全てを否定してやる!!!!」

霊力の差は僅かずつではあるが刻一刻とひらいていく。

くそぉ!
負けられない!!負けられないのにっっ!!!!



・・・・・・・?


霊波刀の出力が上がった気がする。

いや!!気のせいなんかじゃない!
確かに出力が上がっている!!

そのとき後ろから声が聞こえた。

「私達の事を忘れないでほしいわね!!」

ルシオラ!?俺に霊力を与えてくれているのか!!

「僕達の力は微弱だけど、全てを合わせれば
 貴様と横島さんの差を埋めるぐらいはできるんだ!!」

ピート!!お前の傷だって浅くないのに・・・・

「良い魔女っていうのは最後まで諦めないものなのよ!!」
「横島クンは〜大切なお友達だから〜。」
「マリア・横島サンを・護ります!!」

みんなも・・・ありがとう!!これなら奴を倒せる!!

オオオオオォォォ!!

俺はヤツの主砲を一刀両断した!!

「馬鹿な!?私のこの一撃が破られるとは!!
 百年も生きていないガキの信念がどれほどのものだというんだ!?
 私はもう数千年も前からこの信念を貫いてきたんだ!!」


GS本部にて

「で・・・大切な話というのはいったい何かしら?ベスパさん。」

隊長がベスパに問い掛けている。
あの後ベスパと小竜姫様とワルキューレはみんなの霊力をたどって
ここ東京湾横断道路にきていた。

ベスパがゆっくりと答える。

「・・・あの人を、アシュ様を死なせてやってほしいんだ。」

「はあ!?」

みんなの驚きと疑問の声がぴったり一致した。


再び東京湾沖にて

俺はアシュタロスの主砲を一刀両断した後、バリアの欠落部分から
内部に侵入し霊波刀の出力を臨界点まで上げる。



<この戦いが終われば結果がどうであれアシュ様は死ぬだろう。
 でも、あの人は再び同じ存在として復活する。
 アシュ様はそれを『魂の牢獄』とよんでいた・・・>



「アシュタロス。お前の最期だ!
 みんなの想いがお前を砕くっ!!」

ズバアアァァ!!

俺は霊波刀でヤツを切り裂き、アシュタロスの体に亀裂が走った。



<・・・以前アシュ様が話してくれたことがあってね。
 知ってるかい?神も魔も所詮は同じカードの表と裏なんだよ。>



「お前の闇を切り裂き散らす!!!」

ズバッ!!ズシャ!!ズバシャ!!

ヤツの体に無数の亀裂が走り、それが広がってゆく。



<あの人は永遠の悪の存在に耐えられなかった。
 もう、何千年も苦しみ続けてきたんだよ・・・
 そして、あの人は滅びを選択した。もう誰も踏みにじりたくないからっ!!>




「野望と共に塵へと帰れぇぇぇ!!!!」

ズガアアアァァァァァ!!!!!

無数の亀裂から激しい光が漏れ出し大爆発が起こる!
ついにヤツはバラバラになった!!


<あんた達には分からないだろうけどさ、
 あの人はねずっと何千年も昔から死にたがってたんだ・・・>



やった・・・のか?
やったんだ!!俺はついにアシュタロスを倒したんだ!!
ルシオラ!やったよ!!

ピシ!!

ルシオラに抱き着こうとしたとき、亀裂音が聞こえた。

どこから?
・・・・・・俺の体から。

ピシピシピシピシピシピシシピシピシピシピシピシピシピシピシピシ
ピシピシピシピシピシピシシピシピシピシピシピシピシピシピシピシピシ・・・・・

うああああああぁぁぁぁ

俺の体が崩壊する!!
なんでだ!?崩壊は止まったんじゃないのか!?
嫌だ!!死にたくない!!
やっと幸せを掴んだんだ!アイツを幸せにするって誓ったんだ!!
いやだ!嫌だ!イヤだ!!
ルシオラーーーー!!

「ヨコシマ!!??
 ・・・アシュ様が死んで体内のエネルギー結晶が暴走したんだわ!!
 イヤ!!お願い死なないで!ヨコシマ!!
 約束したじゃない!!全部終わったら結婚しようって!
 私を独りにしないで!!」

だが俺の体は無情にも崩壊を続けていく。

残る文珠は2つ!!『破』『壊』の文字を入れそこなった文珠だ。
だが俺がそこに込めた文字は『回』『復』でも『復』『活』でもなく・・・・


『言』 『霊』


(ルシオラ・・・大好きだよ。幸せに生きてくれ・・・・・・・・・)

そして俺の体は跡形もなく消滅した。

「イヤァァーーーーー!!!!」

ルシオラの悲鳴が夜空に響き渡る。
そしてその夜、俺は・・・・・死んだ。


<アシュ様は、あの方は・・・死ねますか?>




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