ザ・グレート・展開予測ショー

#当選者3人SS@付加裏テーマ 〜まよえる狼達〜


投稿者名:アフロマシーン改
投稿日時:(02/11/17)



「くっくっくっ・・・・・・、口ではいやといっても、身体は正直なものだな」

雪之丞は、タマモのものほしげな顔にくちびるをゆがめた。
無骨な右手で、タマモの瞳にうつるものを、執拗にみせつけるようにはじく。

「ごくっ、」

(んんっ、もう耐えられない・・・・・・ああっ)

灼熱の玉のようなものがのどをこみあげてくる。
口を開けば間違いなく、その先に愉悦がまっている。
内心の炎を気取られないように、冷静な答えを装う。

「OKよ。なにからすればいいの?ギブアンドテイクだからね。」

カチャリ

すたすたすたすた

二人がいる部屋に、突如白銀をまとった黒い影が進入した。

「おう、うまくいった・・・・・・」

ズバーン

霊波刀が、躊躇なく黒のコートをきりさげる。
不意打ちをなんなくかわした雪之丞だったが
バナナの皮に脚をすべらせ、したたかに頭を強打した。

「うーん、なぜ、バナナが・・・・・・ぐふぉ!?」

くりかえされる影の猛烈な斬撃に、やがて雪之丞はぴくりともしなくなった。

「はぁはぁ、タマモ、何かされなかったでござるか?」

「馬鹿イヌね・・・・・・、ズルズルッ、ズルズルッ!」

タマモが夢中ですすっているのは、キツネうどん。
雪の丞とシロが、ある計画をタマモに協力してもらうために用意した、日本一のあぶらあげ職人とそばうち職人の技術を精魂つめた究極の一品である。

「あんたたちの手伝い、えらい面倒だけどやってもいいわよ。ふふふふ、さすが職人の味ね。」

「本来ならタマモなんぞに頼まんでござる!今回だけはしょうがなiでござるよ。先生は忙しいし、タマモ自身が必要でござるゆえ。」

「ずるずるっ、ずるずるっ!うふふふふふふ」

「タマモは当分もどってこないでござるな・・・・・・」

「ずるずるっ、ずるずるっ!うふふふふふふ」


 けわしい山中を歩く三人。

「いったいいつになったら、着くのよ。ゼエゼエ」

「これくらい拙者の散歩程度でござるよ♪タマモ」

「文献によると、もう少しいった先の祠だ。そこに”母のおもかげと会うことができる”宝珠があるはずだ」

ピタッ

「・・・・・・ここでござる。拙者の霊波刀で結界を破る」

「俺が祠にはいって宝珠を確保する」

「あたしの前世も奇特なものつくったものね。”母のおもかげと会うことができる”宝珠なんてさ」

「タマモ〜、この期に及んでばっくれは、切腹ものでござるよ」

「はいはい、それであたしが、宝珠を発動させればいいのね」

30分後・・・・・・

ぶわ〜ん

宝珠が明るく虹色に輝きだす。
変化をあらわす宝珠を前にタマモは、なにやら呪文を唱え出した。

(緊張するでござる。母者の前で粗相をせぬように気をつけねばっ)

シロは、どこからか鏡と櫛をとりだして、せっせと身づくろいをしはじめた。

「ママとまた会える、くっくっくっくっくっく」

つつましく準備をするシロと対照的に、雪の丞は不気味な笑い声をあげている。

「そうだっ!俺のこのかっこよくて美しい姿をありのままみてもらおう!ママァァァァァァァ!」

突如、黒のビキニパンツ一枚姿になった雪の丞が、おたけびをあげてタマモの後ろにたった。

「きゃっ!なにっ!」

不意をつかれて、タマモの集中がとぎれる。
タマモの制御をはなれた宝珠が、あたり一面に光をまきはなちはじめる。

「まぶしいでござる!?」
「うおっ!ママは?」

閃光が3人を一瞬おおいつくす。

パリン!

宝珠の砕け散る音とともに光はやがてやんだ。
静けさがあたりをつつむ。

さわさわさわっ・・・・・・
木立をぬける風が身じろぎひとつしない三人をやさしく撫でる。

・・・・・・

・・・・・・

・・・・・・

「なんじゃこりゃー!!」

雪の丞が信じられぬおももちで、両手で胸をおさえてかがみこむ。

「はっ、母者は?・・・・・・」

シロは、Tシャツの首もとをがばっと広げてのぞきこみ、呆然としている。

「・・・・・・」

タマモは後悔していた。
術が不完全なまま発動してしまったのか、あるいはこういう結果になるものだったのか、うろおぼえの前世の知識ではわからない。ただこの二人の計画につきあったこと、それだけを後悔していた。

たわわにゆれる丘が、3人の胸元ではちきれんばかりに存在を主張している。
雪の丞の胸でさえも・・・・・・

「こっこれは夢、夢に違いない!ばぶばぶ、ママー」

自分の胸に顔をうずめ、現実逃避する雪の丞。

「先生ごのみの身体になってしまったでござるよ。ああ拙者まだ覚悟が」

「まだ先生とのやや子もできておらぬうちに、乳がでるでござるよ。アオーン!」

狼のせつない遠吠えが山中をこだまする。





今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa