ザ・グレート・展開予測ショー

温かい想い(その10)


投稿者名:ユタ
投稿日時:(02/11/14)








相変わらず、重装備のリュックを背負いながら逃げ続ける横島。
その光景に美神はただただ呆れるばかりだった・・・






「ど、どうします?」
「せ、先生・・・あんな大荷物を背負ったまま・・・」
「ある意味凄いわね・・・」
「ったく・・・・コラァ!!!その荷物どっかに置いて逃げなさーい!!」

美神の叫びにハっと気付く横島。

「あっ・・・・・・・・・・!忘れてたーーーーーーーー!!(汗)
 通りで体が重いと・・・・・よっこら・・・」

美神の声に気付き荷物を降ろそうとするが、そんな隙をメドーサが見逃すはずがない。

「バカ────!!!後ろ────────っ!!」
「しまっ・・・・・・・(っていうか何てマヌケなんや俺ぇーーーーーーーーー!!(泣)」
『死ねーーーーーーーーーー!!!!』

矛が横島の体を貫くと誰もが思った・・・・・・・・・だが


ピリイイイイイイイイイイイイイイイイイイィィィィ!!!!!!!!(させない!)


美しい音色がメドーサの動きを止める。

『くっ、ネクロマンサーの笛・・・300年前と同じくボクの邪魔をするかギィ!!』

300年前の記憶が蘇ったのか、ギリっと唇を噛むソウト。

「二人とも今よ!」

美神の声と共に、シロとタマモが素早い動きで、
横島が降ろしたリュックから水晶玉を4つ取り出し2個づつ抱えた。

「二人とも何をするか知らんが気をつけろよ!」
「安心して下され、先生!」
「私がミスするわけないじゃない、じゃ行ってくるわ」

横島の気遣いに嬉しそうな笑みを見せながら、
シロとタマモが薄暗い樹海の中へと消えて行った。


『こ、この小娘がーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!』

メドーサがおキヌの僅かな息継ぎの間に全力を込めておキヌに向けて矛を投げつけた。
再びおキヌがネクロマンサーの笛を吹き始めメドーサの動きは止まる。
だが、すでに投げられた矛の動きが止まるわけない。

「おキヌちゃん!!!!」

美神がおキヌをかばうように前に出る。
高速で飛んでくる矛を打ち落とそうと神通棍に力を込めるが、
それを弾くほどの霊力を込める時間があきらかになかった。

(このままじゃ、二人とも串刺しだわ!!)
(美神さんだけでも避けて下さい!)

二人が心で叫んだと同時に・・・




ズガアアアアアアアアアアアアアアア!!!!



矛が無残に二人を貫・・・・・・・・
















・・・・・・・・かない。
見えない何か・・・・・壁のようなモノに矛が弾かれた。

『な、何ぃ!!?』

相手の死を確実視していたメドーサが驚きの声をあげる。
おキヌはつぶっていた目を開き自分の胸元に光輝くものがあるのに気付いた。


(こ、これって・・・!)







『護』






という字を浮かべ、キイインと輝く文珠が周囲5m程に強力な結界を張っている。


「わははははははははははっ!!!!
こんな事もあろうかとおキヌちゃんの服にこっそり文珠を入れておいてよかったぁ!」

いつの間にか美神とおキヌの横に立っている横島が大声で笑いをあげる。

(よ、横島さん・・・・・・・・)

ジ〜〜〜〜ンという効果音がおキヌの心に流れた。
チラっと横島を見てカァーとおキヌの頬が紅潮する。

(嬉しい・・・・・・・・・・横島さんが守ってくれた・・・・・・・)

嬉しくて暖かい涙が出そうになりながら、それをグっとこらえて笛を吹き続ける。

「横島クン、よくやったわ!・・・・・・・おキヌちゃん、もう大丈夫よ。
この結界がある限りは安全ね・・・」

「ぷはっ・・・・・はぁはぁ・・・はい。あの・・・・・横島さん・・・ありがとうございます・・・わたし・・・」

「いや、そんな・・・おキヌちゃん・・・」

二人の間に甘い空気が流れる・・・が

「んんっ!いい雰囲気のとこ悪いんだけど作戦会議していいかしら!」

ブスっとした表情でわざとらしい咳をつく。
何となく面白くないという表情だったが、その場の雰囲気を締めなおすように語り始めた。

「文珠の結界たって長くは持たないわ・・・・
・・・・・・・かと言っておキヌちゃんのネクロマンサーの笛だけで戦うっていうのも無理ね」

「じゃあ、どうすれば・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

おキヌが心配そうに美神に聞いてみるが、返事はない。
その間に耐えれないのか、今度は横島が美神び声を掛ける。

「み、美神さん何か言って下さいよ!」

「うっさいわねぇ!考え中よ!」

『どうでもいいじゃないか・・・あんたらはどうせ死ぬんだ!』

ガンガンっと結界を斬りつけながら不気味に微笑むメドーサ。

『そうだ・・・いい事考えたギィ・・・・・・・』

ソウトが嫌な笑みを浮かべると鉄杖を地面に刺した。すると・・・


ズズ・・ブブ・・ザザ・・ググ・・・
ズズ・・ブブ・・ザザ・・ググ・・・
ズズ・・ブブ・・ザザ・・ググ・・・
ズズ・・ブブ・・ザザ・・ググ・・・


次々と様々な残留思念が現れる・・・その数なんと100体以上!

「ちょっ!そんなの反則!!」

『何とでも言えギィ〜♪その結界がきれた時この思念爆弾が一斉にお前達に襲いかかるギィ♪』
『おい!まさか私まで爆弾にするつもりじゃないだろうね!?』
『ギギギギぃ〜、お前にはこの国で暴れるときに手伝ってもらうギィ〜、だから爆弾にはしないギィ〜♪』

(ギィ、ギィうるさいわねぇ・・・このクソ悪魔!シロ、タマモ・・・まだなの?結界もそろそろ限界よ!
ったくこんな仕事何で請けたのかしら・・・そうだ、ママが10億円くれるっていうから(←微妙に違います)
メドーサが出てくるなんて聞いてないわよ!こりゃ15億はもらわないと割りに合わないわね!)

こんな状況でも密かに報酬の増額を試みる美神。

「みみみみ美神さん!けけけ結界がああ!!」

恐怖からか声が上ずりながら横島が美神に声を掛ける。
だが、横島の言うとおり結界はバチバチバチバチという音を立てながらどんどん薄くなっていく。

「くっ・・・横島クン!文珠は!?」

「え〜と・・・・・その・・・・」

「何!?あと一個あるんでしょ!?」

横島が持っているはずの文珠は4つ、そのうち思念体に2つ使いおキヌを守るために1つ。
単純な計算から残りは一個。その一個をなかなか出さない横島に美神が少しイライラしながら言った。
だが、そんな表情が横島の一言で変わる。

「あの、美神さんの腰のポケットに・・・」

「へ!?」

美神がポケットを探ると確かに丸い物体・・・文珠が入っていた。

「あんた・・・いつの間に・・・?」

「いや〜、おキヌちゃんだけってわけにもいかないし・・・
シロとタマモには渡す機会がなくて・・・
・・・あ、あははははっ(い、言えん!セクハラしようと飛びついた時に入れたなんて!!)」

笑いで何かをゴマそうとする横島。いつもの美神ならここですぐさま追求したところだが

(・・・・そっか・・・・横島クン・・・私にも・・・・・)

ギュっと文珠を握り締める美神。
日頃美神は誰かに守ってもらうことない、本人も守ってもらおうなんて考えたりはしなかったからだ。
でも、いつからだろう・・美神の周りには守ってくれる人達がいた。そして・・・守って欲しいという人がいた・・・それは

「美神さん・・・?どうたんすか、顔赤いっすよ?」

「な、何でもないわよ!!」

カァっと顔赤くしてそっぽを向く美神。

(ふふ、美神さんらしいなぁ・・・)

鈍い横島とは逆に同じ女としての気持ちが分かるのか、
おキヌは二人に気付かれないようクスリと笑った。

「と、とにかくこの文珠で、どうにかするしかないわね・・・」

「どうにかって・・・・」

(普通に投げつけたんじゃ、メドーサに避けられる・・・ソウトに投げても残留思念に防がれる・・・
くー!どうすりゃいいのよ!!今ある道具じゃあ役に立ちそうなものはないし、
八方ふさがりじゃない!!・・・あとは正面から戦って・・・駄目、力が足りない・・・・・・・・・・・。・・・・力?つまり霊力・・・・ってことは・・・)

ハっと何か気付いた美神が手の中の文珠を見る。

「何かいい案浮かんだんっすか!?」

「ええ・・・・・・・・・真っ向勝負よ!!」

「・・・・・・・・は!?ちょ、ちょっと美神さーーん!!」

「み、美神さん、さすがに無理じゃないですか?!」

美神のセリフに動揺しまくりの二人。
だが、美神はそんな二人を安心させるように微笑む・・・

「言ったでしょ?GS美神は勝てる戦いしかしないって♪」



笑顔の美神の手の中でキイイィィンと文珠が輝き始めた・・・










その11に続く


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あとがき

あー、ついに二桁突入です。ここまでやれたのも皆さんのおかげですm(__)m
本当ならここら辺で終わるハズなんですが・・・・多分あと5話ほど続きます。
「もう、いいかげん戦闘シーン飽きた」という読者の方、本当にすいません!
話あんま進んでないしね(泣)あんとほんの少しだけ付き合って下さい!ではまた次回もよろしくお願いします!










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