ザ・グレート・展開予測ショー

温かい想い(その9)


投稿者名:ユタ
投稿日時:(02/11/12)









「ねぇ・・・どうでもいいけど、アレほっといていいの?」


ワナワナと肩を震わすソウトを指さすタマモ。

「そうね〜、構ってあげないと可哀想だし・・・でも、もうおしまいかしら?」

ケラケラ笑いながら、ワザと挑発するような口調で言いながら美神は笑みをこぼす。
しばらく、怒りの表情を表すソウトだが、落ち着きを取り戻すように軽く深呼吸をした。

『ギギギギギ・・・さすが日本・・・いや、世界でも最も優秀とされるGSチームだギィ』

「へへん!今頃気付いたでござるか!?」

ソウトのセリフを聞いて、シロは自慢げに胸を張るが、
タマモは警戒の表情でソウトを睨んだ。

「待って・・・・あんたが何でそんな事知ってるの・・・・・・・・・?
それに目覚めたばかりのあんたならGSよりエクソシストって言うはずじゃない?」

「タマモの言うとおりね・・・・ソウト・・・あんたまさか・・・」

美神がタマモの意見に同意しながらソウトを睨む。
ソウトはそんな美神達の表情が面白いのかニタニタと笑いながら言った。

『ギギイギギ〜・・・・・美神令子・・・20歳。日本TOPのGS・・・家族は父、母、妹の4人家族。
先のアシュタロス事件では世界を救った中心人物の一人・・・・・・・・で合ってるかギィ?」

いやらしい表情のまま、美神のプロフィールを述べるソウト。

「こ、こいつ・・・・・・・・・・・ストーカー!?」
「アホか!!・・・・おそらくソウトは・・・・・」

見当ハズレなことを言う横島にツッコミを入れつつ、
ギュっと神通棍を握る手に力を込めた。

「残留思念の記憶を読み取ってるんだわ」
「え!?」

美神の出した答えにおキヌが軽く驚きの声を挙げる。

『ぎぎギギギ〜、正解だギィ〜』

能力がまた一つバレたのに嬉そうに喜ぶソウト。
そんな表情に美神は少しイラだった。

「ま、だったら何だって言うの?私は家族の残留思念くらい容赦なく叩き潰すわよ?」

『そんなことは、そこの小僧の記憶から分かっているギィ・・・・・・・』

「お、俺ー!?」

残留思念を使役された横島は当然記憶を読み取られている。

『ちなみに小僧が美神令子の下着を盗んだ枚数は全部で16枚ギィ』

「ああああっ!秘密にしといてぇっ!!」
「あんた・・・・・・・・・帰ったら死刑!!」
「ひいいいいいいいっ!堪忍やぁぁぁぁ!!」

『そして、美神令子の脱税の総額は41億2305万円だギィ!!』

「プ、プライバシーの侵害よ──────っ!!」




(((この人達って・・・・)))




おキヌ、シロ、タマモが同じセリフを心で呟いた・・・・


「と、とにかく!そんだけの能力なら・・・・口封じ・・・─もとい、この世(私)の為に消えてもらうわーーーーー!!!」

美神が神通鞭を振りかぶる!
心なしか今まで以上に力がこもっていたよう気がした。
だが、霊力の鞭が向かってきてるというのに、ソウトの表情は変わらない

『こいつをプレゼントするギィ・・・・・』


ソウトがニヤっと口元を歪める




バシイイイィッ!!!!




ソウトに神通鞭の一撃が決まったと思った瞬間・・・
その神通鞭の先端が何者かに掴まれる。
そして・・・その何者かが口を開いた・・・




『ふふ、久しぶりだねぇ・・・』






「め!?」

「めめめ!」


「「「め、メドーサ(さん)!!!」」」

美神、横島、おキヌが同時名を叫んだ。
驚きの表情を浮かべる三人とは逆にシロとタマモは呆然という表情だった

「誰ござる?」

「メドーサって言う、竜神族の殺し屋よ!」

シロの問いに緊張の面持ちで答える美神。

「強いの?」

「つ、強いの何のって・・・何度殺されかけたことか・・・」

タマモに答える横島の額からツーっと汗が流れる。
実際に何度も対峙してる横島にはメドーサの強さがはっきりと分かっていた。

「め、メドーサさんも・・・まさか・・・」

『そ、思念体ってヤツらしねぇ』

自分が思念体ということにも全く動揺を見せないメドーサ

「あ、あんた!上級魔族がそんなに何度も生き返っていいと思ってんの!!?」
「そ、そうだー!!せめてコギャルバージョンで現れんかいっ!!!」

『うるさーーーーーーいっ!!!!!!!!!』




ドガアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!




怒りと共にメドーサの強烈な霊波砲が放たれる。
散りぢりになりながら間一髪避ける美神達。

「二人とも!どうしてそんな挑発するようなこと言うんですかーーっ!!!(泣)」
「ち、違うぞ!おキヌちゃん!俺は美神さんにつられてっ!!!」
「人のせいにするなーーーっ!!」



『ふふふ、こうして現われからには・・・美神!横島!あんた達には死んでもらうよ!!!』




ズガアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!




美神達の近くにメドーサの矛が突き刺さり、爆発を起こす。

「くっ、こうなったら!」
「ど、どうすんすか!?」














「逃げる!!!!」



ズシャアアアアアアアアアアア!!!



美神以外の全員が一斉にコケた。

「美神さん!!!」
「な、何よ!?」

横島がすぐ立ち上がるとズイっと美神に近寄った。急な行動に少し驚く美神。


「俺もお供します!」



ドガシャァァァァ!!



今度は横島以外の全員がコケた。

『ふ、ふざけるなあああああああぁぁぁ!!!』





ドガアアアアアン!!ズガアアアアアアアアアン!!!バコオオオオオン!!!!





「美神さんが恨み買うようなことしてたからーーー!(泣)」
「あんたも散々やってじゃないのーーーー!!」

『両方とも死ねーーーーーーーーーー!!!』

メドーサの連続攻撃を併走しながら器用に避け続ける美神、横島。

「み、美神さん・・・横島さん・・・」
「先生ぇ〜、情けないでござるよぉ〜」
「バカばっか・・・」

その光景に涙をダーと流しながら呟くおキヌとシロ。
タマモはもう呆れてモノが言えんといった感じであった。

「このぉ!調子に乗るんじゃないわよーー!!」



カアアアアアアアアアアアアアっ!!!



『くっ!精霊石か!?』




美神の精霊石が発動し、メドーサの動きを止める。
その眩い光にその場全員の目がくらんだ。


『お、おのれーーー!・・・ん!?』

「あ、あれ美神さんは?」

やっと視界の戻った横島とメドーサが声を挙げる。
なぜなら先程まで両者の近くにいたはず美神がその場にいなかったからだ。
美神は・・・


「横島ク───────ン!しばらく一人で頑張って!」
「み、美神殿、いつの間に・・・」

いつの間にか隣にいる美神に驚くシロ。
あの一瞬のうちに移動力していた・・・さすが美神令子というところか。

「コラアアアァ!!!この鬼ぃーーーーーーーーーーーーーーっ!!!(大泣)」

涙を滝のように流しながら叫ぶ横島。だが、もちろん敵は待ってはくれない

『まぁ、私はどっちを先に殺してもいいからね・・・・』

スチャっと矛を構えるメドーサ

「ま、待って!ここは冷静に話しあ・・・・」

『うわけなかろーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!』
「だよねーーーーーーーーーーー!!?どわああああああああっ!!」


ズシャアアアアアアアアア!!!ドガアアアアアアアアアアン!!




「美神さん!わたし、横島さんを助けます!!」
「拙者も助太刀するでござる!」
「・・・・・・・・こんな状況で助けないってのもね・・・」

「バカ!メドーサの思念体に正面から戦って勝てるわけないでしょ!!
それに私が何の考えもなしに逃げたと思うの!?」


思わず「思う」と言いそうなりながら、美神の真剣な顔に押し黙る三人。

「これからの作戦を言うわよ?」

コクンと三人が頷く。

「まず、おキヌちゃんは逃げてる横島クンのフォローをしてあげて。
相手がメドーサでも思念体である以上、霊波と思念波を音色に込めるネクロマンサーの笛が効くハズよ!
それからシロ、タマモ」

美神はガザガサっとポケットから紙切れを出して二人に見せた。


「いい?二人はさっき見せた、あの水晶玉(その7参照)をこういうふう(↓)に置いてきて」






───────────────────────────



 ●(水晶)←  500m      →●(水晶)
 ↑                   ↑

                   

 500m   500m

         ○(戦闘区域)



 ↓                   ↓

 ●(水晶)←  500m     → ●(水晶)




───────────────────────────





「あの水晶玉の二つにはすでに霊力が込めてあるけど、残りの二つはカラなの!
だから二人ともこの用紙の通りに設置したら全力で霊力を込めなさい!一定以上霊力をこめれば発動するハズよ!」


「四方を囲むようにすればいいのね?」
「拙者達まかせるでござる!」

美神の説明に気合の入るシロとタマモ。だが、そんな雰囲気に申しわけないようにおキヌが聞いてみた。

「あの、美神さん・・・それでその水晶玉は?」
「へ?それならいつものリュックに・・・」
「え〜と・・・そのリュックってアレですよね・・・」

そう言っておキヌが指をさしたのは・・・相変わらず奇跡的にメドーサの攻撃を避けながら逃げる横島。
その背中には・・・・・重々しいリュックが背負われている。

「あ、あのバカ・・・・・(汗)」

頭を抱ながら美神は呟いた・・・・













その10に続く

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