ザ・グレート・展開予測ショー

#新歓企画『対決!!』Ver:マサ・4


投稿者名:マサ
投稿日時:(02/11/10)

Bブロック(横島・マリア)

「行くのじゃ、マリア!小僧なんぞ捻りつぶしてしまえっ!」
「イエス・マリア・頑張り・ます!」
かーっかっかっかっ、と高笑いして何処か悪役っぽい台詞をカオス。
マリアもそれを左腕のガッツポーズで返す。

で、横島の方はと言えば…
「お、お〜っし。…いっちょ、いくかぁ…」
腰が引けているのは重心を低くする意味では良いのだが、全身がビクビク震えているのはかなりみっともない。
滲んだ脂汗と壊れかけた様子の表情が何かを予感させる気はするが…。
「≪こーなったら、一発くらい上手く食らってダウンした振りしてやるっ!そうしたら…≫」



  =横島の妄想=
 バキョォッ
マリアの打った殺人魔球が横島の腹に直撃する。
「ぐはぁ〜っ!」
「横島クンっ!?横島クン、しっかりしてっ!」
「横島さは〜ん!」
駆け寄る美神とおキヌ。
「み、美神さん…俺はもう…。せめて、その胸の中で…」

 =妄想終了=



「≪よしっ!完璧だ!≫……あ、もしかして…」
何が完璧なのかはともかく、美神の鉄拳制裁を反射的に予想して美神のいた方に振り返る。
と、何故か奇跡的(?)に横島の妄想は口の出すことなく済んだ様で、美神はそこにいた。
ほっと安堵の横島。
「やれば出来るじゃないか、俺ぇ〜!」
無性に自分を褒め称えたくなったようだ。

「……あいつ、また良からぬことを企んでる顔だわ」
「そうなんですか?」(汗)
こちらは毎度の如く顔で分かる美神と、『良からぬこと』自体が思い付かないおキヌ。
「あっちの唐巣さんと雪之丞さんはなんか、凄く燃えているようですけど…」
「でも、汗臭くて近付きたくないわね。ところで、何で卓球やる事になったんだっけ?」
「ははははは……」
これにはただただ苦笑するしかないおキヌ。

さて、場所は戻って横島とマリアの対決もジャンケンでサービスを決めてやっと始まるところである。
「マリア・から・です」
「はいはい、お手柔らかに…≪始めっからやるとわざとらしいし、少しはつなげるか…≫」
不純な理由で少し真剣になる横島であった。
 シャカシャカ…
本日もマリアの演算装置は順調のようだ。
球のバウンドなど、諸々のデータを駆使した上で理想的なバックスイングからやや早めの球を横島の右側の角に落とす。
「なんとぉー!……って、重いぃ〜!!」
速度の割りに“変”に重い球を両手で無理やり打ち返した横島。
既にこの打ち方は少し違うような気もするが…。(汗)
横島の打った球は対角からきたことになるが、それ自体の重みで流されほぼ真っ直ぐのコース、つまりマリアのバック側に行った。
それを見てマリアは深いバックの構えに移る。
「行き・ます!」
球がバウンドして1センチも上がらない所で大きく上に擦るように振ったこの打ち方は、正しく高度な一種の“バックドライブ”であった。
人間でこのドライブを打つのは無理かもしれない。
 バゴォッ
台の一部が吹っ飛び、勢い余った球が横島の横をすり抜けた。
「は…ははっ…。マジですかぁ?」
またしても壁にぶつかって無残に散ったピンポン球を見て自分の不幸を再確認する横島。
次でリタイアする事を決心する。
このまま続ければ横島の腕と命が逝かれるのは自明の理だ。
「どうしたどうした。マリアが相手では手も足も出んようじゃのぉ。流石はわしの最高傑作!わしってやはり天才じゃな!かーっかっかっか!」
「イエス・ドクター・カオス」
しょーもない主人の言葉に何時も通りの反応を示すマリア。
自分で自分を褒めてしまっているようにも取れる事に気付いてなさそうなのが彼女らしい。
「よし!行け、マリア!試合続行じゃっ」
そう言ってマリアになにやら黒っぽい球体を渡すカオス。
「イエス!」
それを受け取り直ぐにバックスイング…と思ったら。
 がんっ
カオスの後頭部にクリーンヒット。
「こら、わしが離れる前に打とうとするやつがあるか!…いてて…」
「すいま・せん・マリア・反省」
痛そうに頭を摩るカオスに注意され、壁に手をついて『反省』のポーズ。
おーい試合はどうすんだよ、と横島のツッコミが入ったのは言うまでも無い。
カオスとマリアのコンビはマイペースでも一流なのか?(笑)
気を取り直して再びマリアが低めのバックスイングからややアッパー気味に勢いのある速球を放つ。
今度はドライブ回転にも鋭さがあるためか、懐で受けた横島のラケットは衝撃に耐え切れずに取っ手を残して木っ端微塵になり、弾くように上に打ち上げてしまった。
「今じゃ、マリア!」
「イエス!データ分析・…スマッシュが・ベスト・です」
そう言うが早いか、目の前で高く跳ね上がった球をブーストで追い、最高点から超破滅的一撃必殺絶破壊殺人魔球(早い話がマリアのフルパワーの球なのだが)を横島の目の前に向かって叩きつける。
 ドゴォォォ―――ンッ グワキャァァァッ

              ・
              ・
              ・

おっと、意識が飛んだ(笑)。
この世のものとは思いたくも無い凄まじい音と共に台を安々と粉砕して突き抜けた後、床に直径5メートルほどのクレーターを作り、その際に抉り取られて吹き飛んだ大き目の破片が横島の下顎を見事に抉ったのである。
「≪いいパンチだ……。見えた…水の一筋が……≫」
意味不明なことを頭の中で口走り、人形のように仰向けに宙を舞う一つの白き灰。
そのまま地面に落下し、皹(ひび)の入った白い物体は本当にダウンした。

数分後。
「…島………横…ん…」
必死に横島を起こそうとする一つの影。
「…ん…?……いででででッ!?」
やっと横島が意識を取り戻し、気が付くと何やら首が猛烈に痛い。
いや、それ以前に重力の感覚さえもなくなっている。
肩をがっしり掴まれ、思いっきり前後に振り回されているらしい。
「や、やめろぉぉぉ〜〜〜!死ぬ〜〜〜〜〜!!」
「あ」
 がんっ
次の瞬間、その手がぱっと離れ、横島は更に後頭部を強打する羽目となった。
横島は恐る恐る目を開けて手の主を見ようとする。
それは…………マリアだ。
辺りを見回すと、美神、おキヌ、カオス・ピートの四人が少し離れた所で青くなっていた。
あまりに残酷な現実から顔を背けたことが分かる。
「大丈夫・ですか?」
「『大丈夫・ですか?』じゃなーい!危うく死ぬところだったぞ、こらー!」
毎度の事ながら、機械に対しての言動は容赦ない横島であった。
まあ、当てが外れたのだから、気が立つのも分からないでもない。
とは言っても、外見だけでも女の襟首を掴むような事は横島のポリシーが許さないのだが。

「まったく、あんなところで目を覚まさないと思うわよ、普通の人間は」
「ゴキブリのような生命力ですんませんでしたね!」
苦笑する美神とのお約束的な会話。
「よかったぁ。あのまま死んでいたらどうしようかと…」
「ははは…」
思わず苦笑する横島。
「…ところで、カオスのじいさん」
「ん?」
「さっきのアレ、鉄球じゃ…」
「ぎくっ……はっはっはっ、何の事かのぅ?」
分かり易い男だ。カオスは。
「マリア、もう鉄球だけは堪忍して。な?」
「イエス・横島さん」
にっこり返すマリア。

「大丈夫かい?横島君」
試合が終わったらしく、唐巣と雪之丞が見に来た。
「えーまあ、何とか」
「あ、じっとしていてください。ヒーリングで治しますから」
「あぁ、ありがと」
「…………(ひうぅぅぅ…)」
何となく孤独感を感じる唐巣。
「≪こーゆうのは、弓が喜ぶんだよな。よくは分かんねーけど≫」
こちらはこちらでお熱い雪之丞である。

「…さてと、行って来ますよ。美神さん」
回復を終わらせ、何故か余裕の表情を浮かべる横島。
「はいはい。精々頑張りなさい」
適当に美神にあしらわれつつ、横島は台に戻る。
「なんか、嫌な予感がするんですけど…」
「おキヌちゃんもそう思う?なんか怪しいのよね、あいつ」
横島という人物を正しく理解しているだけに、何かが引っかかるおキヌと美神。
「そうか?やつの事だからな。何か相手の弱点が見えたとか、必殺技があると俺は踏んでいる」
相変わらず横島を買い被る雪之丞。
「そーお?」
疑いの目を向ける美神。

これからがどうなるのやら……。






             ―― 続く ――

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