ザ・グレート・展開予測ショー

温かい想い(その3)


投稿者名:ユタ
投稿日時:(02/10/30)









「霊力が下がった?」

美智恵の言葉をオウムのように返す横島

「やっぱりね」
「え?」

今度はハッキリと聞こえるように美神は言った。その声に驚きの表情を浮かべるおキヌ

「ま、詳しいことは食事をしながら話すわ」

美神に促され4人は台所へと向かった

ガツガツガツ!
「はれ、おほはってほはるな(あれ?遅かったでござるな)」
ズズー!・・・ちゅるっ
「・・・先に頂いてるわよ」

シロは肉料理を豪快に食べながら、タマモはキツネうどんをすすりながら席につく4人に話しかけた。

「みんな、食べながらでいいから聞いて」

美神の真剣みを帯びた表情に全員の気が引き締まる。シロとタマモの夕飯を食べる手も止ま・・・・・・らない。
顔は真剣な表情で視線は美神に向けるが相変わらず「ガツガツ」「ズルズル」と器用に食べ続ける。
美神はそんな二人を見て、フゥとため息を漏らすと視線を横島のほうへ移した

「こら美味い!!こら美味い!!」

ガンっ!

「いでぇ!」

シロと同じように夕飯にがっつく横島にグラスが直撃する。

「あんたの話をするんだから、少しは真面目に聞け!!」
「食べながらでもいいって言ったじゃないですか〜・・・」

横島が抗議の声をあげるが美神の『黙れ』という視線に沈黙する

「あ、あのそれで話って・・・」

一向に進まない状況を看破するようにおキヌがそっと言った

「ええ・・・話っていうのは・・・」

全員の視線が美神に集まる

「結論から言うと、横島クンの霊力が格段に落ちてるわ・・・」

「「「「!!?」」」」

美智恵と美神以外全員の表情が固まる

「マジっすか?」

「横島さんも知らなかったんですか?」

「いや〜、何か最近文珠が出ないな〜とは思ってたけど」

「せ、先生はどこか悪いのでござるか!?うわぁぁぁぁぁーーーーーんっ!!!先生死なないで下されーーー!!」

「落ち着きなさいよ、話を飛躍させるんじゃない、バカ犬」

大泣きするシロに冷静に声をかけるタマモ。普段ならここで喧嘩し始めるところだが、
横島を心配するシロにタマモの声は届いていなかった

「まぁ、推測だけど理由はあるわ」

「分かってます、美神さん」

「へ?」

横島の以外な反応に表情が崩れる美神

「・・・俺の霊力が落ちている・・・つまり霊力の源、煩悩が低下している!
これでは仕事に支障がでる!!ということは煩悩を上げる為のセクハラは
仕事の上で必要不可欠!!!つまりこれは合法ですねっ!!!?
美っ神さーーーーーーーーん!!!!!!」
「真面目に聞いた私がバカだったわぁぁぁっ!!このケダモノがぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
ドス!バキ!ドガドガドガドガドガガガガ!!!


美神に飛びかかった横島は

リバーブロー→ガゼルパンチ→デンプシーロールのコンビネーションを喰らい
台所の扉を突き破って隣の部屋までぶっ飛んだ。


「あ、あのそれで霊力が落ちてる理由って・・・」

頭から血をダラダラ流して気絶している横島をチラチラ見ながらおキヌが尋ねた。
ちなみにシロはぶっ飛ばされた横島を泣きながら必死にヒーリングし、
タマモは生死を確認するようにツンツンと横島のホッペを突っついている。


「霊眠期ね・・・」

「え?」

それまで沈黙していた、美智恵が静かに口を開いた。

「レイ・・・ミンキ・・・??」

キョトンとした表情のオキヌの頭上に「?」マークが浮かぶ。

「霊眠期っていうのはね、簡単に言うと霊力増大の下準備みたいなモノよ」

『それはなんでせう』といった表情のおキヌに美神が応えた

「霊力が爆発的に上がると、その人の容量を超えて霊力が暴走することがあるわ・・・。
だから、そうならない為にも少しずつ体が現在の霊力を使って、成長する霊力の受け皿を
作っているのよ」

美知恵が補足説明をする

「そうすると、受け皿を作ってる分、普段使用している分の霊力は落ちていくってわけ」

「個人差はあるけど、長くても1か月くらいかしらね・・・横島クンはいつから霊力が落ち始めたの?」

「う〜ん、多分一ヶ月くらい前だったからそろそろね」

「じゃあ、美神さんが横島さんを前線に出さなかったのは・・・」

「多分50マイトそこそこの丁稚を前線で戦わせる程私は鬼じゃないわよ」

普段の横島の扱いを見れば十分「鬼」なのだが、そこはおキヌの純粋さからかツッコむことはしなかった。

「何で、横島さんの霊力が落ち始めてるって分かってんですか?」

「そ、それは・・・!?」

おキヌの当たり前の質問に美神の声が詰まった

「毎日横島クンのことを注意深く見てたからでしょ?♪」

「な!?」

美智恵の急な一言に顔を赤くする美神。それを見て美智恵の口元がニマーと歪んだ

「な、何言ってるのよ!?ち、違うわよ!たまたまある日ふと思っただけ!」

「ふふ、だぁって霊眠期の霊力の落ち具合は結構緩やかなのよぉ、私は結果的に霊力の下がった
横島クンを見てピンときたから判ったけど。あなた達みたいにほぼ毎日一緒にいると普通は分かりにくい
わよ。ま、例えるなら髪が伸びてるのを見るようなもんね♪それを気付いてるっていうことは・・・」

美智恵の表情がますますいじめっ子のように変わっていく。そんなイジワルな母親にただ真っ赤な顔で
反発するしかない美神。美神が美智恵を越える日は遠い。・・・そんな二人の会話を聞いていたおキヌの
表情が少し暗くなった・・・

(そっか・・・美神さんは気付いてたんだ・・・)

(私だって・・・横島さんのこと、いつも見てたつもりなのに・・・)

(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちょっと・・・・・・悔しいな・・・)

(やだ・・・少し涙出てきちゃった・・・)

「落ち込むことないわよ、おキヌちゃん」

「!!?」

美智恵の言葉に顔を真っ赤ににして声につまるおキヌ

「令子が気付いたのはたまたまよ。霊感があなた達より少しだけ優れただけなんだから、
すぐにあなたでも細かい霊波の乱れがわかるようになるわよ♪」

「たまたまじゃないわよ!」

「じゃあやっぱり横島クンのことを・・・」

「ち、違うわよ!今回は偶然・・・・」

「あら、さっきと言ってることが違うわよ」

「キィィィィィィィィーーーーっ!!」

美智恵のニッコリとした笑顔についに、美神がヒステリーを起こしはじめた

「あ、あの今日はこのくらいにしてあげたほうが・・・」

このままでは更に事務所が荒れ、横島が八つ当たりされるであろう展開予測から
おキヌが美智恵へ停戦を求めた。

「ふふ、おキヌちゃん免じて勘弁してあげるわ令子♪」

「ゼェゼェ・・・ふん!
・・・・・・それで?今日来た、本当の目的は何よ?」

美神が息を整えながら美智恵を睨んだ

「あら、分かった?」

「ふん、私はイジワルで鋭いママの娘ですからね!」

プイっとあさっての方向を向く

「あら、ひどい言い方」

あくまで軽い口調の美智恵

「あの、何かあったんですか?」

「ええ・・・今日はあなた達にお願いがあって来たの・・・」

静かに微笑んで・・・それでいて芯に響く声で美智恵の口が動いた。
その表情はオカルトGメン隊長のものであった・・・













その4へ続く




次回予告

『七つそろえると願いが叶うという伝説の珠おキヌ。
この物語はそれを集める横島と美神の壮大なアドベンチャーである。
新連載ドラゴンおキヌ第1話「美神の憂鬱、オラじっちゃん踏みつぶしちゃった…」乞うご期待!』・・・(大嘘)
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あとがき

どうでせう?(汗)
僕的に横島霊力減退の理由を作ってみたんですが・・・
分かりにくかったでしょうか(汗)

上記の次回予告は某サイトで作成した嘘予告なので気にしないで下さい(笑)


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