ザ・グレート・展開予測ショー

温かい想い(その1)


投稿者名:ユタ
投稿日時:(02/10/25)

39巻「ファイナル・リポート」の最後より・・・






「バッカね!横島クン!!
死んだ後のこと心配してちゃ、人生楽しめないじゃん!!
私の信条は─」

グアァァァ!

美神の霊力が増大し神通棍が神通鞭へと変化する


「現世利益最優先!!」


ズバァァァァァァァァ!!!


『ギャアァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!』


美神の神通鞭の一撃が決まり悪霊が断末魔を上げた。

「ふえ〜、さっすが、美神さん」

いつも通りの重量装備のリュックを背負いながら横島が近づいてくる。
美神は「当たり前でしょ」という表情で額の汗を拭った

「ふぅ〜、みんなお疲れ様。シロ、タマモ誘導ありがとう」

「ま、当然でござるよ♪」

「楽勝ね・・・」

「おキヌちゃんもありがと♪ネクロマンサーの笛のおかげで他のザコ霊に気を使わずにすんだわ」

「美神さんもお疲れ様です」

美神がシロ、タマモ、おキヌにそれぞれねぎらいの言葉をかけた。

「はいは〜い!!美神さん!俺も!俺も頑張りました〜!!」

実は今回は結界を張った後は見ているだけだった横島が小学生のように元気に手をあげる。

「はいはい、あんたも荷物持ちご苦労様」

「いえ、美神さんの役に立てるなら・・・・・・・・・報酬はその胸で!!ぶっ!」

セクハラを働こうと美神の胸に飛び込もうとするが、いつも通りキレのいい美神のカウンターが
横島の顔面にメリこんだ

「ったく、あんたも学習しないわねぇ!!」

「まぁまぁ美神さん、今回はそれくらいにして帰りませんか?」

いつも通り、おキヌが仲裁に入ってくれる。この絶妙なタイミングがなければ
横島はさらにキツいお仕置きを受けていただろう。

「私も帰って、早くキツネうどんが食べたいんだけど」
「拙者も、そろそろ寝たいでござるよ」

「わかったわよ、ほら横島君!いつまでも寝てないで帰る準備をしなさい」

「あいちちち、分かってますよぉ、ったく胸の一つ、二つでそんなに怒らなくても・・・」

「まだ殴られたいの?」

「い、い、いえ!すぐに片付けをします!!シロ、タマモ手伝ってくれ〜!!」

「了解でござる!」
「もう、面倒くさいわね〜」

対照的な態度を取りながら、二人は横島を手伝った

「あの〜、美神さん」
「ん、何、おキヌちゃん?」

「どうして、今日は横島さんを前線に出さなかったんですか?」
「・・・・・・ちょっと考えがあってね・・・」
「考え?」
「まだ、何ともいえないんだけど・・・ま、ハッキリしたら言うわよ」
「はぁ・・・?」

「美神さぁん!おキヌちゃ〜ん!帰宅の準備完了しましたぁ!」

「は〜い、今行きま〜す!じゃ、帰りましょう美神さん」
「ええ・・・」

おキヌに促され、美神は愛車のエンジンをかけた









帰途

時間は深夜の一時過ぎ・・・道路も美神達の乗る車以外数台しか走っていない
車の中では運転者の美神以外、寝息を立ててみんな寝ている

(ったくぅ・・・みんないい気なもんねぇ!これは早いとこ横島のヤツに免許取らせてアッシーとしても使ってやらなきゃ!!)

心で強く誓う美神。もっとも横島が18歳になったところで教習所に行ける金があるとは思えんが


「美神さん、恐い顔してどうしたんですか?」

「え?横島君起きてたの?」

寝ていたと思っていた助手席の横島に驚き美神の声が少し上ずった

「いやぁ、寝てたんですけど、悪夢見ちゃって」
「悪夢?」
「それが、俺が免許取ったとたんに美神さんにアッシーとしてコキ使われるっていう・・・」
「夢っていうのは深層意識に眠る願望を表すっていうから・・・」
「俺はそんな事のぞんでなぁいっ!!」
「正夢になるよう努力するわ♪」
「いいっ!!?」

涙を流しながら抗議する横島

「冗談よ、冗談♪」

「冗談に聞こえんとこが恐い・・・」

美神の冗談にタラタラの冷や汗を流す横島。
そんな感じで五分程雑談したのち、二人の会話が止まり沈黙が訪れる。
深夜とはいえ、さすが大都会東京・・・街の街頭がイルミネーションのように光り輝く

「ねぇ・・・横島君・・・」

「・・・・・・」

(返事がない、ただの屍のようだ・・・って違うか)

心で一人突っ込みを入れつつ、「寝たのかな?」と運転しながら横島をチラっと見ると、横島は「ボー」とある一点を眺めていた
美神もそれにつられて視線を移す。そこには・・・

(東京タワー・・・)

美神は心で呟いた

横島の初めての恋人・・・ルシオラが死んだ場所
ルシオラ・・・命を賭けて横島を救った魔族・・・

(バカ・・・)

東京タワーを見つめる横島を見て美神は心で囁いたが、すぐに顔を真っ赤にして考えを消す
今日の帰宅コースは、東京タワーの前を通ると近道だ。
だが、そこを通れば横島は嫌でもルシオラのことを思い出すだろう。
そう思い少し遠回りになるが、東京タワーを迂回するようなコースを走っていた。
だが・・・

「あれ、美神さん。こっちのほうが近道っすよ?」
「え?あ、ああそうね」

横島自身に指摘され近道コースへと進路をとる

(このぉ・・・人がせっかく気をつかってんのに!!)

横島の鈍感さに舌打ちする美神。10分程すると東京タワーのすぐに近くまで来た。
東京タワーはその存在を主張するように点灯している。

(ルシオラ・・・・・・)

横島が心で小さく呟いた。案の定ルシオラのことを思いだす横島


キッ


赤信号に捕まり停止する。横島は相変わらずそびえ立つ東京タワーの入り口あたりを「ボー」っと見つめる
美神はバツが悪そうに、そんな横島を見ないようにしていた・・・
信号が青に変わった瞬間


(!!!!?)


横島の表情が変わった・・・


「美神さん!ストップ!!」

キキイィッ!!

横島の制止の声に、ブレーキを力強く踏む美神。

「・・・横島クン!一体何があ・・・」

バタンっ!

美神が言うか言わないうちに横島は車を飛び出た。横島は一直線に東京タワーへと走り出す

「あいたたた、美神さん・・・一体どうしたんですか?」
「バカ犬!重い!早くどいてよ!」
「狼でござる!それに拙者は太ってなどござらん!」

急ブレーキで目覚めた三人が三者三様に騒いでいる。

「横島クンが・・・ったくもう!」

美神は車を道路の端につけ横島を追った。

「横島クン!」

まるで何かに取り憑かれたように一心不乱に東京タワーの入り口の辺りを何か探していた横島に声をかける

「横島クン!!」

よっぽど集中しているのか返事をしない

「横島クン!!!」

今度はさっきより声をはりあげるがやはり返事がない。


プチッ!


「コラァァ!!横島ぁぁ!!!いつから私を無視できる程偉くなったぁぁ!!?」
「う、うわぁ!ご、ごめんなさい!!」

深夜に響く美神の怒声にビクビク怯える横島

「ったく一体どうしたのよ?」

美神はあきれながらも、横島の異常な行動を問いだした

「俺、見たんです・・・」

「見たって何を・・・?」

横島の少し真面目な顔に真剣に聞き入る美神


「・・・・・・・・・幽霊です」

ガスっ!

横島のアゴに美神のアッパーが軽く炸裂した

「いってぇ!な、何するんスか?!」
「アホかぁ!あんた仮にもGSなんだから、幽霊の一体や二体見たくらいで何言ってんのよ!それにね・・・」

美神は目を閉じ静かに集中する。第六感を開放して周囲を探る

「ここらへんには、霊気なんて全く感じられないわよ?」
「い、いや、そうなんですけど・・・」
「それとも、何か他のモンでもあったの?」
「え、ええと・・・」
「ったく!仕事帰り疲れてるんだから手間かせないないでよ!ほらさっさと車に乗りなさい!」
「へ、へ〜い」

首根っこを捕まれ車まで情けなく引きずられる横島。しかし、横島の顔は先程のおチャラけた表情ではなかった・・・

(さっきの幽霊・・・まさか・・・いや・・・見間違いに決まってるさ・・・でも)

横島は先程見た幽霊の名を小さく呟いた・・・




「・・・ルシオラ」





その2に続く






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あとがき

初めまして!初投稿させて頂きます。「ユタ」と申します。
最近になって「GS美神・極楽大作戦!!」ハマりました!
そしてここのHPを見つけてもう感動!皆様の熱い想いに感化され投稿させて頂きました。
実はSSというものを書くのは初めてで何分読みにくいところはあると思いますがどうぞご容赦下さい。

今回、美神の車を「愛車」と表現しましたが、本当に最終回あたりは何に乗ってるんでしょうね?(汗)
コブラは二人乗りみたいなので、さすがに五人は無理かと・・・。除霊道具は結構荷物になるので、
五人乗り+除霊道具となると・・・ファン○ーゴ、イ○サムあたりでしょうか?う〜ん、美神のイメージじゃない(汗)
ハっ!近い将来の為にエ○ティマなどのファミリーカーか!?(笑)

では、なるべく週一くらいのペースで続編を載せていこうと思うのでよろしくお願いしますm(__)m

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