ザ・グレート・展開予測ショー

悪夢ふたたび(8)


投稿者名:3A
投稿日時:(02/10/ 3)

「うわあああ…」
あまりの激痛に横島は悲鳴を上げた。
「お前の力はわしがいただく…」


『ここは………』
そこは見たことのある風景だった。洗濯してほしている服。
そして…きれいな夕日。
その夕日を見ている女と男がいる。
『……ルシオラ』
大切な人だった…守りたかった………しかし守れなかった…
今でも思う。なぜあの時彼女を守れなかったのか。自分がいやだった…守れなかった弱い自分が。
『………!?』
突然回りの景色が消えた。そしたら違う所に自分がいた。
『…今度は…どこだ…』
辺りは暗い。夜だった。
二つの人影が見えた。横島は人影のほうへと走っていく。
『………あの時か…』
自分とルシオラがいる。あの日…アシュタロスを倒すと約束した日だった。
『…見たくない…』
横島はその場から走った。しかし気付いたら元の場所にいた。
『な…なんで…』
また走る。しかし気付いたらその場にいた。
あの時の自分の言葉を聞き、針が体中にささるような感じがした。
『や…やめてくれ…』

阪上は山にいた。もうだいぶ歩いただろう。阪上は座るのにちょうどいい岩をみつけた。
「ふ〜疲れた〜」
その岩に座り、リュックを開け水筒と弁当をだした。
「…まあ腹ごしらえするか。」
ふたをあけ大好きなコロッケを食べた。
「やはりコロッケが一番だな〜」
辺りは少し暗くなってきた。
「う〜む…やはりかぼちゃコロッケが一番うまいかな…いや、それともポテトが入っているほうが…」
そんな事を言いながら茶を飲む。そして大きく息を吐いた。
「………最後のコロッケかもな…」

『…な…なんで俺はここにいるんだ…?』
横島は走った。全力で走った。その場から離れたかった。
これ以上彼女を見るのがつらかったから…
『…!?』
またあの場所にいた。そこから離れようとしても離れられなかった。
『…み…見たくない…や…やめろ…』
すると景色がまた変わった。

『こ…今度はどこだ…!?」
また夜だった。
町が見下ろせる。物凄く高いところのようだ。
『あれは!?』
倒れている自分がいた。そして…彼女は倒れている自分に唇を重ねた。
『………』
あの時の悲しさが心の中で爆発したような感じがした。
『ルシオラ…』
涙がでてきた…横島の目にうつるものはあまりにもつらいものだった。
(お前に力さえあれば彼女は死なずにすんだ)
『!?』
(お前が弱いからだ。彼女を守るはずだったのに守られたのはお前のほうだ)
『…う…うるさい…』
(力が無かったから…)
『………や…やめてくれ…』
(おかしなやつじゃな。わしはお前の思っていることを言っているだけじゃ)
『………』
(笑わせる話じゃ。)
『黙れ!!黙れ、黙れ!!』
(ほれ見てみろ、彼女の最後を)
彼女は消えた。
『ル…ルシオラ―――!?』
横島は頭がおかしくなりそうだった。
『うわああああああ…』
辺りの風景がどんどん崩れていった。そして横島は深い深い闇に落ちていった。
『………ル…シオラ…』
(人間とはもろい…もろすぎる…精神攻撃で一発じゃ…まあ、心が砕け散ってよかったがのう、こいつの文殊力いただく!)

「ふ〜…」
阪上はお茶を飲んでため息をした。そしてまだコロッケが残っている弁当箱をリュックの中に入れた。
「ギモ、アカサ、ブータス…でてこいよ」
すると草むらから三人がでてきた。
「この近くに異界へ通じる所があるだろ?」
阪上は三人を睨みつけながら言った。
「………悪いが俺たちはあんたとしゃべっている暇は無いんでね…」
「…ギモ…おれの子分だったお前と戦いたくは無いが…」
「黙れ―――!!こっちからやるぜ!!」
「コロッケまだ残ってるからここで死ぬわけにはいかないな…」
阪上は小さく呟いた。

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