ザ・グレート・展開予測ショー

命の『選択』?・番外編3


投稿者名:運値
投稿日時:(02/10/ 1)

「ポチを魔族にするんでちゅか!?」

パピリオが素っ頓狂な声をあげる。ダミアンは仰々しく頷く。

「そうだ。横島の奴を魔族にした後、魂の分離を行う。」
「でも、なんででちゅか?なんで魔族にするんでちゅか?」

パピリオは顔に?マークを浮かべる。それを見てダミアンは噛み砕いて説明する。

「そもそも、ルシオラが復活できない理由は何だった?」
「それは…ルシオラちゃんが元に戻るために必要な魂の量が足りなかったんでちゅ」
「そうだ。では、その足りない物は何処が大量にある場所は?」
「そ、それはポチの…魂…」

ダミアンは、その答えに満足してパピリオを見つめる。しかし、パピリオはまだ合点がいかないのかダミアンに質問する。

「それと、ポチを魔族にするのと何の関係があるんでちゅか?」
「そう、そこが一番大事なところなのだ。横島の魂にはルシオラが未だ眠っている。そして、今のままで横島の子供以外には決して転生できない…」
「そんなこと分かってるでちゅ!!!ならそれを待っても…」

しかし、ダミアンはそれを遮って言う。

「そう、それを待っても構わない。が、その子はルシオラの魂を有していても、多少霊力が強い脆弱な人間だ。そして、人間の寿命は…どうした?」

ダミアンの説明を聞き、パピリオの顔は真っ青になる。このまま何をせずともルシオラは生まれる。そのことは理解できる。
しかし、パピリオには耐えられなかった。例え復活しても、その期間は魔族のパピリオとは比べるべくもない一瞬の逢瀬。
その結論に達し、顔から血の気が引いていく。
2度目の別れを耐えるには、パピリオはまだ子供であった。

「じゃ、じゃあダミアンはルシオラちゃんを魔族のままで復活出来ると言うんでちゅか!?」
「ああ、そうだ」

先ほどまでの何処か胡散臭そうに見ていた表情とは打って変わって真剣な表情になる。
(かかったな…くっくっく)
ダミアンは心の中でほくそ笑むと説明を続ける。

「ルシオラが復活できない理由。それは横島の、人間の魂の脆弱性にある」
「それは聞きまちた。分離するするのに人間の魂は絶えられないって」

パピリオは、そこまで言ってハッとする。

「だからポチを魔族にするって言ったんでちゅね!?人間には無理でちゅけど、魔族になれば…でも、どうやるんでちゅか?」
「ふっふっふ、それについては考えがある。かつてメドーサの部下に人間から魔族に堕ちた者がいた。確か、勘九郎とか言ったか…。そいつは、魔装術という魔族の技で変化した。」
「それで…?」
「勘九郎は魔装術という魔族の因子によって魔人に変化した。横島の場合、後天的に魂に魔族の因子が眠っているだろ?それを活性化させてやるのよ。その方法は…」

ダミアンの耳打ちを聞いて、確かにこの方法ならと、パピリオは思う。しかし、パピリオの心には葛藤が起こっていた。

「でも…ポチは、こんなことを望むでちょうか?」

誰にともなく呟く。それを見てもう一押しで落ちると思ったダミアンは駄目押しをする。

「お前はどうしたいのだ?横島と、ルシオラとずっといられるんだぞ?」
「それは…」
「このままでは、横島も、ルシオラもお前を残して直ぐ死ぬ。それにお前は絶えられるのか?」

この一言でパピリオの心は決まった。

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