ザ・グレート・展開予測ショー

ライアー・ライアー!!(ver.F)1


投稿者名:sai
投稿日時:(02/10/ 1)

暖かな陽射しの春の日。
美神たちは六道邸へ来ていた。いや、美神たちだけではない。
冥子はもちろんエミ、唐巣神父・ピート、愛子、小鳩に貧乏神、西条・魔鈴、カオスにマリア、小竜姫・ヒャクメ、弓・雪之丞、魔理・タイガー、厄珍や伝次郎に浮遊霊たちまで、要は極楽メンバーの殆どが集まっていた。
そして既に場は花見のどんちゃん騒ぎの真っ只中。


「遅いですねー、横島さん」
主におキヌと魔鈴で用意した料理の残量を眺めながら、おキヌがつぶやく。

「ああ、彼なら・・・」

愛子が言おうとしていた「彼」は、上機嫌で六道邸へと向かっている最中であった。手の中でチャラチャラ音を立てているのは、『真』と『偽』の文殊。
(あんなにうまくいくとはなー。これから試験は全部選択問題だったらえーのに・・・!)
横島はこんな三月も押し迫って進級の為の追試を受けてきたところだった。
授業もロクに受けておらず、ましてや勉強する気などさらさら無い横島は一計を案じ、
見事に図に当たったところであった。

(しかし一個づつ余っちまったな。なんかイイ使いみちはねーかなー。)

(そーだ!『偽』で美神さんに化けて・・・)
{ねえ、冥子。今日はせっかく集まったんだしあんたんとこの大欲・・・、いえ大浴場に
皆で入らない?}
{ええ〜〜〜〜。そうしましょ〜〜〜〜。}
ほんでもってほんでもって!
{小竜姫ったら意外にイイ体してるのねー!}
{キャッ!もぉヒャクメったらお返しですっ!}
{魔鈴さんて〜〜〜着やせするのね〜〜〜。}
「ってなことになっちゃったりしちゃったりっったら!!ぼかーもおっっっっ!!!!」

飽くなき妄想、それが彼の霊力源。
しかし長年の経験も体に染み付いており、やがてしくしくとヘコみだす横島。
(・・・必ず未遂でばれてフクロ叩きなんだよな・・・)

「路上でハズカシイ妄想かましてんじゃないわよっ!」
「ああっ聞かれた!?どーせしばかれるんやったらせめてその前に
酔った勢いでセクハラを一発―――!」

「あんた呑んでもいないでしょーが!!!」
どげしっっっ!!!!!

飛びかかる横島にカウンター気味に右アッパーを入れる美神。いいパンチだ。
「これも青春よねー。」
「そ、そうかノー・・・」
桜吹雪と一緒に宙を舞う横島に、愛子とタイガーがツッコんだ。

ひゅ〜〜〜ん・・・カンッ カラカラ・・・

はずみで何かが横島の懐から飛び出し、どこかへ落ちた。
「あれ?」
その物体が、アイスボックスに落ちていくのを見ていたのはピートだけであった。
「さっ、もっかい乾杯よ!」
KOされている横島を残し、皆がめいめい飲み物を注ぎ何人かがアイスボックスから
氷を入れていく。
「あ、ちょっと待っ・・・」
「「「「「かんぱーい!!」」」」」
キイィィィン・・・!
ピートの声はかき消され、乾杯の声に紛れて何かが発動した。

********************************************************************************ライアー・ライアー!Ver.F


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(なんだったんだろう・・・・・・まあいいか?)
キラリと光った『何か』は、金属類だったら誰か気付くであろうし別段爆発などが
あったわけでは無いので、ピートはそれ以上考えるのをやめた。


「大丈夫ですか、横島さん?」
「あいててて・・・」
「いつもの事じゃねーか。飲みなおそうぜ、横島も来いよ」
ピートや雪之丞が横島を連れて行く。


宴は続く。美神や唐巣、カオス・西条ら年長組は年長組のシート、高校生は高校生でかたまって
別シートに群れている。
「あれ?お前、あっちじゃねーの?」
「僕もあの、一応高校生ですから・・・」
妙にオドオドとして時折ちらちらっと年長組シートを盗み見るピート。
その視線の先には、妙齢の女性・・・・・たち。


「ねえ〜〜〜〜エミちゃんも〜〜遊びましょ〜〜!」
「だぁ―――っ!令子っ、あんた遊んでやりなさいよっ!」
「令子ちゃんも〜〜じゃないと私〜〜!(うるうるっ)」
「ああっもおっ!冥子んちは来るたびいっつもいっつも・・・・・・・・・!!」
世界指折りの女性GSの二人はやっぱり今回も爆発娘に捕獲されていた。



((((なるほど・・・・・・・・))))
高校生ズは納得していた。

「それよかおめーはあっちだろーが!!しっしっ!!」
「かてーこと言うなよ。一時期は同じ釜の飯を食った仲じゃねえか」
少女漫画のような瞳の少女の隣に当然のように座る、目つきの悪い男。
「こんなときぐれー弓さんを俺たちに解放しろ――!」
「・・・・・・・・そんなゼータク言ってっといつかお前、刺されるぞ」
「誰に刺されるっちゅーんじゃ―――!」


(わ、私刺したりなんか――・・・・)

とか言いたそうな口が幾つかあったが横島が気付くはずも無く、
弓と魔理・ヒャクメが涙を流しながらフルフルと首を横に振っていたのは内緒のヒミツ。
「私たちこそ、場違いなところへお邪魔しちゃって、すみません・・・ヒャクメがどーしてもって言うので・・・・・」
「いーえっ!!ボクたち一ヶ月も同じ釜の飯を食って一つ屋根の下暮らした仲じゃありませんかッ!!
なんにも遠慮する事無いッスよ!!ささ一杯どーぞ!」

「俺の時とはえらい違いじゃねーか・・・」
「まあ、横島さんですから・・・」
呆れてボソッと呟く雪之丞に、弓がフォローを入れる。
(・・・人をダシにするのもほどがあるのねー!)
ヒャクメはヒャクメで何か別の事に呆れていた。


(あ、氷無くなっちゃった・・・・)
「貧ちゃん、氷なくなっちゃったからもらって来よ」
「そんなんわいがしちゃるわ。それより、こんなとこにおってええんか?」
「えっ・・・」
こんなとことは。
彼らはビニールシートに車座に座っており、ほぼ正面に横島がいる。その両サイドをおキヌ・小竜姫が固め、おキヌサイドには弓・雪之丞、魔理・タイガーが並び、反対側には
ヒャクメ、ピート、愛子が座る。やはりレギュラー陣のガードは固い(?)といったところか。

「うん・・・・・・・・・でもあの人達別にたいした事無いから、焦る必要なんてないわ・・・・・?
・・・・・・・・ええっ!!??」
「こ、小鳩ちゃん、ゆーよーになったわね・・・・・・・美神さんの影響でも受けた?」
両隣くらいにしか聞こえない声だったが、小竜姫の頬が一瞬だけひくついたのを愛子は見逃さなかった。
(わ、私そんなこと言うつもりじゃ・・・・・・・・・・!?)

「・・・・・・!?お、おーその意気や!負けるんやないで小鳩!」

ひょいっ
「・・・・・・んー?なにやってんだ、貧乏神」
「ワイはもう福の神やがな!前から思っとったけどお前こそ貧乏神ちゃうんか!?」
「俺は純粋に貧乏なだけだっ!」

「やめて、貧ちゃん!」
(横島さんに失礼だわ)

「本当に貧乏神としか思えないから言うまでもないわ!日頃の行いもロクなもんじゃないしっ!!」






(((!!!???)))



時が、止まった。

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