ザ・グレート・展開予測ショー

未来へ戻れ!!Ⅱ(1)：Side.Ｂ

投稿者名：ライス
投稿日時：(02/ 9/29)

　未来へ戻れ!!Ⅱ
　
　　第一幕　落雷　～未来からの依頼人～

　　（ⅱ）　未来への出発　

　一方―――。ここは美神令子除霊事務所…。
「ア～ァ、本降りになって来ちゃったわね…。今日の仕事はキャンセルしよッかなぁ…?」
　ここの所長、美神令子はそうつぶやいた。
「もう、美神さんたら。そんなこと言ってるとその内、お仕事なくなっちゃいますよ?」
　その助手のおキヌちゃんが紅茶とお菓子を持ってきて、そう言った。彼女はテーブルにそれらを置くと、天井に向かって、
「シロちゃん、タマモちゃん、オヤツよ～？」
「は～い。」
　と、言って屋根裏部屋から出てくるシロとタマモ。そして、いつもの広間に向かう二人……。しかしシロの方はなんだかふてくされている…。
「ア～ァ、やっぱり降って来ちゃったござるなぁ、雨……。これでは先生と一緒にサンポに出かけられないでござる……。」
　窓から外を見て、残念がるシロ。するとタマモが、
「アンタって、雨になると、いっつもそればっかり言ってるわね？他にすることないの？」
「ウルサイでござるな……、拙者にとってサンポは生き甲斐でござるよ!?」
「ハイハイ。先に行ってるわよ?」
　軽く聞き流し。先に行くタマモ。シロは雨の降る窓の外側を見て…、
「（ア～ァ、先生、早く来ないでござるかなぁ……？）」
　そう思いながら、広間へ彼女は入っていった。
　さて、その横島はと言うと、雨の中をかき分けるかのように駆け足で走っていた。
「チクショ～、突然降ってきやがった。事務所までダッシュだな、こりゃあ…。」
　彼は急いで事務所に向かった。その途中の曲がり角……。彼は勢いよくその角をインコースで曲がろうとした。しかし……、
「キャア!?」
「イデッ!?」
　曲がろうとした瞬間、向こうから来た誰かとぶつかってしまった。ぶつかった二人は同時にしりもちをつく。向かうはどうやら女性のようだ。
「イッテェなぁ……、気を付け……ワァァ!?」
　横島は先に文句を言おうとしたが、先手を突かれ彼女に胸ぐらをつかまれてしまった。
「チョット、気を付けなさいよね？コッチは忙しい………って、アッ、アレ？アンタ……。」
「ヒィィ!?スンマセン………?アノ、オレの顔に何か?」
　観念して謝ろうとした横島であったが、自分の顔を彼女にまじまじと見られているのに気付いた。
「エッ!?……エェと、アンタ、お………じゃなかった、横島クンでしょ？美神令子ってＧＳの助手の。」
「えっ、オレのこと知ってんの？（それにしてもこのコ、美神さんによく似てるなぁ…、親戚かなんかか？）」
「まぁね。あのＧＳ美神の助手だからね……。」
　そう言われると横島は心の中で…、
「（オレって、そんなに有名だったのか?……オレは、オレは、今までこの仕事をしてて、今これほど嬉しかったことはない!!人生万歳!!母さん、オレを産んでくれてありがとう!!今オレ、人生最高の気分です!!）」
「………と言うわけで、お近づきの印にこれから近くでお茶でも………ゴハァ!?」
　横島が彼女に迫ろうとすると、綺麗な右ストレートが彼の顔面に決まった…。
「そんなヒマはないって言ってるでしょう？」
と、青筋を立てて、にっこりと微笑む彼女。彼女は再び横島の胸ぐらをつかみ直して、
「私は美神令子に用があるの。アンタ助手でしょ？事務所まで案内してくれない？」
「え、で、でも……。」
「ア・ン・ナ・イしてくれるわよね？」
　彼女は横島のジャンパーの襟を持ち、彼に十字絞めをお見舞いした。
「（ぐるじい゛……）あっ、案内ざぜでいだだぎまずぅぅ～!?」
「そう、じゃ、急がなきゃ。さぁ、なにしてんの?先に行くわよ?」
「ゲホゲホッ!!……なんなんだ、一体!?」
　横島は何なんだか分からないまま、先に行く彼女を追いかけ事務所へ向かった。

　そして再び事務所……。
「令子、居る～？」
　広間に全員でお茶をしているところに美神の母、美智恵がやって来た。
「どうしたの、ママ？」
「そろそろひのめが起きてくる頃かなと思って、様子見に来たんだけど…、なんだか美味しそうなの食べてるわね？」
「アッ、隊長さんもどうですか?お茶……。」
「そうね…、ひのめもまだ寝てるみたいだし、お願いするわ。おキヌちゃん。」
「ハイ。」
　お茶の誘いに乗る美智恵。彼女が加わり、一層賑やかなティー・タイムに。それから何分か経ったであろうか、玄関のドアが大きな音を立て、開くのが二階の広間にも聞こえた。
「………!横島クンが来たみたいね?」
「そうみたいね。…にしても今日は来るのがヤケに早いわね、アイツ。」
　そう言いながら、紅茶を飲み美神。そして階段を上ってくる足音が聞こえてきた。
　それはゆっくりと一段ずつ上ってくるようなものではなく、小刻みに刻まれる速いリズムに乗ったものだった。しかも一人ではないようだ。二つのリズムが食い違って聞こえてくる。そしてその足音は広間のドアの前まで続き、それが止むと、今度はドアが開いた。
「ここね?美神令子はいる?」
　ドアを開いたのは例の少女。横島はその後をゼェゼェ言いながら入ってきた。おキヌちゃんとシロがヨコシマノもとに駆け寄った。
「横島さん!!」
「先生!!大丈夫でござるか？」
「つっ、疲れた…。」
「シロちゃん、タオルを持ってきてあげて。」
「ハイ!!でござる!」
　タオルを持ってきてもらい、濡れた頭を拭く横島…。一方……、
「この子は誰?私によく似てるけど…、ママ知ってる?」
　美神は雨に濡れたその少女を見て、母にヒソヒソ声で聞いた。
「いえ、知らないわ。それにウチは私の両親も一人っ子だから、近い親戚は居ないはずだけど…。」
「じゃあ、この子は何なの?」
「さぁ……?」
　少女はしびれを切らし、美神の方を見て、急くように口を開いた。
「ネェ、アナタが美神令子なんでしょう?」
「エッ、エェ、そうよ。私が美神令子よ。で、アンタは何者？」
「説明してるヒマはないわ!!とにかく私と一緒に来て、未来に!!」
「エェ!?」
　その言葉にそこにいる全員が驚いた。すると、驚く暇もなく彼女が…、
「アァ～、もうじれったい、しょうがないからここにいる全員に未来に来て貰うわ!!説明はアッチに行ってから!!」
「エッ？アッ、チョッ、チョット待ちな…、」
　当惑気味の美神達をそっちのけで、少女は何やら手の平を広げ、力を込めた。すると彼女は…、
「いでよ、文珠!!」
　手のひらから出てきたのは一つの文珠。そして…
「イックわよ～?」
　彼女は文珠を発動させた

[[[[[雷]]]]]

「ワァァァ～～～～!?」
　文珠が発動した瞬間、広間は一瞬光に包まれると、すぐさまそれは萎縮して消えた…。すると、先程までここに居た７人と謎の少女は跡形もなく消えていったのであった…。

To Be Continued…。

今までの

賛成：5
反対：0

コメント：

はい。サイドＢです。タイトルから分かるように元ネタはアノ映画なんですが（分からない人は英訳してください。）、私はアノ映画大好きでございます。まぁ、今回はタイムマシンは使ってませんが（笑）。
さて、内容についてですが、詳しく話すとネタバレになるんで止めときます（爆）。まぁ、この一話目ですでにネタ割れしてる感もありますけど（汗）。さて、次回はいよいよ未来の世界に美神達が行きます。多分、暴れ回ると思うのでお楽しみに。それでは。 (ライス)
なかなか楽しい作品ですね。極楽大作戦らしい作品だと思います。
行間入れてもらえると、読みやすくてよりいいかもしれません。
ここまでの展開は、割とよくあるパターンなんですよね。
ここから先がライスさんの手腕の見せ所です。是非がんばってください！
次回楽しみにしています！ (Maria's Crisis)
謎の少女は全く持って全然美智恵ママではありませんでしたね（ダメ）。すいませんすいません（ほんとにダメ）。タイトルからしても少しは見当がつくはずですが、私って読解力が無いのでしょうか？（爆）　文珠を使いこなし、時間移動能力を持っている美神家の女性によく似た顔をしたこの若い女の正体がますます気になってきました。次回以降の展開が気になります♪ (kitchensink)
　ばっく・とゅー・ざ・ふゅーちゃー　ネタですか。
　最初はひのめかと思っていたんですが、この調子では美神の娘かな(^_^;)
　楽しく期待しています(^_^;) (黒川)
シロちゃん、雨の日には雨の日のお楽しみがあるのよ！♪
私のオススメはブラッシング♪　長い髪が湿気を吸っちゃうし、クセもでちゃう。それを横島君にじっくり時間をかけて、丁寧に梳いてもらえたら、きっとシロちゃんもしあわせ気分に♪

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』ですかー。私もあの映画、好きなんですよー♪
あ、それでSide.Ａのほうで｢ドク｣が出てきたんですね♪(笑) (猫姫)
ぼくもあの映画知ってます。少ししか覚えていませんが…
それはそうとおもしろい展開ですね。笑える場面もあり楽しめました。 (３Ａ)

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