ザ・グレート・展開予測ショー

未来へ戻れ!!Ⅱ(1)：Side．Ａ

投稿者名：ライス
投稿日時：(02/ 9/29)

　未来へ戻れ!!Ⅱ
　
　　第一幕　落雷　～未来からの依頼人～

　　（ⅰ）　落雷　　

　（前回からの引き…）
　カオス達が謎の組織にタイムマシンされた二日後…、カオスとマリアはまだくたばっていた！………が、本編には関係ないから放っておこう。

　さて、舞台は白井総合病院の前。その日は嵐でも吹き荒れそうな厚く黒い雷雲が、ゴロゴロと音を鳴らし空を覆っていた…。その頃、病院の一室では御存知、あの現代医学第一主義者(?)であるヒゲを蓄えた初老の眼鏡をかけた医師がコーヒーで一服していた…。
「フゥ……。やはりコーヒーはブルマンに限るな…。」
　急ぎの仕事を終えての一杯であったので、すっかりご満悦な彼であった。その時であった。空で雷鳴を息巻いていた暗雲から突然、雷がまるで狙いを定めたかのように轟音を轟かせ、病院の入り口の前に落ちた。その音は彼のいた部屋にも伝わった。
「なっ、なんだ!?雷か？…それにしても大分近くに落ちたな…。」
　雷が落ちた後、そう思って再び彼はコーヒーをすすっていた。すると、ドアの外側から廊下を急ぎ足で駆けてくる足音が聞こえてきた。その足音はドアに近づくほどに大きくなり、ドアの前で止まるかと思うと、今度はドアが勢いよく開き、血相を変えた看護婦が部屋に入ってきた。
「先生!!たっ、大変です!!」
「どうしたんだね？慌ただしい…。」
「いっ、今の落雷、人に落ちたみたいです!!」
「何ぃ!?分かった、すぐ行く。君は担架の用意を!!」
「ハイ!!」
　彼はコーヒーを飲み干さないまま、部屋を出、病院の入口へと急いだ。入口に着くと患者達の人だかりが出来ていた。その野次馬達はガラス越しに入口前のロータリーに倒れているらしき人影を見ていた。
「ちょっとスマン、退いてくれたまえ!!」
　彼は人だかりをかき分け、入口を出て外へ出た。外は先程の落雷が呼び水になったのか、雨がぽつりぽつりと降り始めた。しかし、彼はそんなことを気にせずに駆け足で、その人影に近づく。
「!!　こっ、これは……!!」
　彼はその人影を見て驚いた。倒れていたのは女性だったが、その姿には見覚えがあった……。
「いつぞやお世話になった、ＧＳの美神さん…………………か？」
確かに見覚えはあったが、ここにいる彼女にはなにか違和感があった。そう、顔は似ているが眉が長く、まつげも少し短い。髪の毛は長髪であるが、茜色というよりは黒みがかった赤色だ。そして何よりも彼女はどう見ても大人の女性というよりは高校生ぐらいの少女であった。
「（まぁ、イイ。しかし彼女も気の毒に…、雷に直撃してはもう…）」
　そう思いつつ彼は念のため、脈を取って確認しようと彼女の腕をとろうとした。その時だった!!倒れていた少女は突然目を見開いた!!
「わぁ!?………でっ!?」
　彼は驚いたが、彼女が突然起き上がったために彼女の肩が顔面に直撃し、後ろに倒れ込んむ。すると彼女は頭を押さえながら辺りを見回した。。
「イタタ……!チョット着地に失敗しちゃったみたいね…。ハッ、ここは?……白井病院のようね。どうやら場所には上手く着けたみたいだわ…。」
「ぐっ、ぐぅ…、」
　彼は痛みと我慢しながら、起き上がった。
「!!　ちょっとオッサン!!今、西暦何年？」
　彼女は彼に気付くと、すぐさま彼の胸ぐらをつかんで聞きよった。彼は気が動転して何がなんだか訳が分からないまま、受け答えた。
「え、あぁと、１９９９年だが？」
「そう……、どうやら上手く成功したみたいね。そうなったら、こうはしていられないわね…、急いでアノ人の所へ……!!」
　彼女は彼の胸ぐらを離すと、すぐに病院の敷地から走り去っていった。彼はただ呆然として膝をついた。
「そっ、そんな馬鹿な…!人が雷に直撃して生きているはずが……、ハハハ……。」
「先生!!担架の用意が出来ました!!……アッ、アレ?患者はどこです？………先生?」
　看護婦が他の連中を連れてやって来たが、彼はそれに気付きもせず何やらぶつぶつと言っている。
「そんなこと、ありえん……!そうだ、現代医学に間違いなど無い!!彼女は幻だったんだ!そうだ、そうに違いない!!現代医学は敗北などしない!!原題、現代医学はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ～～～!?」
　彼はどこから出してきたのか分からないが、酸素ボンベを持ち、それを青筋を立てながら勢いよく吸い込む。
「アッ、先生!!そんなモノ、こんな雷雲の中で持ち出したら……、」　
　看護婦は止めようとしたが、時は既に遅かった……。
「ンッギャァァァァァァァァァァ～～～!?」
　案の定、金物（酸素ボンベ）を持ったために雷が彼の元に直撃したのだった……。そして彼は黒こげになりその場に倒れた……。
「先生!?…………大変、脈がないわ!?急いで担架を!!」
「医学…………、現代医学はぁぁ……。」
　脈がないのにも関わらず、彼はうわごとを続け自分の用意させた担架によって、集中治療室へと運ばれていった……。

　Go to side.Ｂ……。
　

今までの

賛成：1
反対：0

コメント：

復っっっっ活っっっっ！！
ど～も、二ヶ月ぶりの投稿でございます。ライスです。詳しいことはサイドＢに書くとして、少しばかり説明を。
このお話、サイドＡ、Ｂと分かれておりますが、タイトルの表記通り「未来へ戻れⅡ」の１話目が二つに分かれています。理由は見事に字数制限に引っかかったためです（笑）。
だから、(1)、(2)と表記しなかったのはそう言う理由があったためです。

それでは説明はこれぐらいにして置いて、サイドＢへＧＯ！ (ライス)
前半のコーヒーを飲んでいるチョットいい感じのおじさまから、後半からの見事に我々がよく馴染んでいる現代医学のおっさんへの変貌ぶりが面白かったです（笑）。さてさて、何故若い美智恵ママ（らしき人物）が現代に現れたのでしょうか？　サイドＢへＧＯ！ (kitchensink)

[ 戻る ]