ザ・グレート・展開予測ショー

横島卒業!?


投稿者名:三遊亭楽栄
投稿日時:(02/ 9/28)

♪りんりんりりん りんりんりりんりん
♪りんりんりりん りんり りりりん!
♪りんりんりりん りんりんりりんりん
♪りんりんりりん りんり りりりん!

「わぁお!」 

……
いきなり、おキヌちゃんは電話を取って相手を確かめました。
しかし、そのまえに…

「恋のダイヤルナンバー シックスセヴンオーオー」
「わぁおぅ、ハロー!  ……じゃなくって、あの、美神除霊事務所かいのう?」
「え、あの……そうですけど。」

おキヌちゃんは、ノッケからボケていました。
そして電話の主は、ドクターカオスのオッサンでしたが、載せられて反応してしまったのです。
てーか、『フィンガー5』ネタを知ってるコメンターなぞいるわけ無いと思うのですが(苦笑)

ともかくカオスは、舌を鳴らして口先を直し用件を述べようとして、コホンと一つ咳を入れました。

「だーーー!もう余計な説明をしてる行数が無いから、手短に話すぞ!
 とにかく、美神にもテレビの…そうじゃな、10チャンネルじゃ!
 つけて見てみろ!とんでもないニュースが流れておるのじゃーーーー!」

そういうなり、カオスはガチャッと一昔前のハンドルの付いた黒電話機の受話器を置きました。

美神は、おキヌちゃんの言う通りにテレビの10チャンネルを選局しました。
別に、「GS美神」の再放送を見るわけではありません。
すると、どでかく横島百合子の顔が度アップで飛び出てきました。
横島は驚いて飛びのき、美神は焦り、おキヌちゃんは拒絶反応的痙攣を起こしました。
テレビからは、特別番組として衝撃的なニュースがナレーションを通して聞こえてきたのです。

『紅井百合子さんの突如とした帰国により、椛コ枝商事の株価が10倍に跳ね上がったのです。
一体、何ゆえのご帰国なのでしょう……』
『今は横島百合子!』
『失礼しました!で、何ゆえでのご帰国……』
『あーもーうざいわね日本のマスコミは!』

テレビ画面の中では、百合子に触れたマスコミの一部の人間がふわりと浮かび上がったかと思うと、
バッタ!バッタ!ピッチャ!キャッチャ!バッタ!と倒れていきます。
数人が触れたその0.05秒と言う瞬間に、百合子が“隅落とし”という技で、あっという間に地へ投げ落としていたのです。
依然として、超人技はテレビの中で炸裂していたのです!!

『あいたた……そんな事しなくても、教えてくれてもいいじゃないですか!』

マスコミに混じって同時に投げられ痛がるナレーターを他所に、急ぎながらも答えて歩いていきます。

『息子の10月卒業決定が確定したからよ!
 こんな嬉しい吉報なら、帰ってきてあたりまえじゃないの!』
『は?』

テレビモニターではリポーターの驚いた顔がありました。
いや、美神とおキヌちゃんも、驚いて横島の顔を見つめました……が。

「本当なの横島クン!」
「素晴らしいじゃないですか!なんで黙っていたんです?」

質問攻めにされた横島当人すらも、驚いたように喋りました。

「い、いや俺も、3日前にいきなり通知が来たんでビックリしてんスよ。
それで、電話したらさあ……とにかく、一年半で卒業させる事が出来るなんて夢のようだ、
我が学校も人気になる!のそればっかでワケわからないんスよね。」
「ま、とにかくおめでとう御座います横島さん! 席には出席させてくださいね。」

おキヌちゃんはそういうと、横島の腕と肩に手をやって喜んでいます。
何か気に入らないわね……とは、横で美神がイラついて睨んでいました。
ともかく、式当日になりました。

クラスメイトのピートや愛子、タイガー…その他もろもろの人が体育館に集合していました。
他のクラスの生徒も、集合して一堂に並んでいます。
しかもそれだけでは有馬記念。
ゴーストスイーパーの面子、六道女学院の主要メンバーに、その横に、横島の父親・大樹と母親の百合子も参列していました。

「忠夫よ……(号泣)
 お前が、一年半で卒業できるだなんて、なんて素晴らしい息子を持ったものよ…」
「あなた!本当に我が子ですわ!(吊られ泣き)」

両親ともハンカチを片手に、涙をポロポロと落としていました。
その横に、舞台上に上がる忠夫が、ドキドキと胸を高鳴らせて二枚目に変身していました。

「ワッシは、ワッシは……なんて素晴らしい友を持ったもんじゃー−−!うおおーーーんん!」
「うっとーーしいんだよタイガー!トーン落とせ!」
「だってだって、魔理しゃーーーんん…」

ズズズ……
大の身体のわりに大泣きな一面をもったタイガー寅吉です。
その横では、弓がコショコショと雪之丞に耳打ちしていました。

「(大の男が情けないわよねー、雪之丞…)」
「(あ、あああ、ゆ、弓さん、ちょっと、耳に息を…かけないで…)」
「(そうじゃなくて、貴方はそんなことないわよね?)」

雪之丞は、そう問いただされて、“真の敵友【ライバル】”であることを主張するかのように答えました。

「(まぁな、俺の見込んだ奴だけあるぜ。)」
「(まぁ……たくましいわ雪之丞!)」

一生やってろ!
そう思っていたエミは、複雑な気分で再びピートにボディーアタックしていました。
しかし嫌がるピートをさらに嫌がらせしている人がいました。
アンちゃんです。

「ねーーえ、そんな黒化粧オバンよりあたしの方がいいでしょ?」
「誰が、黒化粧オバンよ!オタクの方こそ離れなさいよ!」
「先にアタックしてきたのはそっちでしょ!」

わあわあぎゃあぎゃあうっふんと、美神の時と同様にハイテンションでもめていました。
ピートはその間に挟まれながら「いい加減にしてくださいよ」とばかりに苦笑していました。
小鳩は、愛子と一緒にそれらの風景を見て「青春よねえ」の連発です。
しかも……
「ああ、あれが貧ちゃんの言う幸せの青い鳥なのね!」
「青春よね!」
「「私たち、気が合うわよね!」」
なんて具合に同じ世界観ではまっています。

冥子は「ココは〜どこ〜」と言った具合に周りをキョロキョロ。
しかも唐巣にしても、「ああこの世界は何なんだろう」とばかりに十字を切ってお祈り。
流石は、極楽世界と言ったところでしょうか?

横島は名前をフルネームで呼ばれました。
体育館に集まった一同は、ごくりとツバを飲み込みました。
いよいよ、証書の授与される時なのです。

ドクリドクリと、横島は壇上を目指し、脇の階段を上り台のある場所まで歩きます。
途中、校長の横に座るPTAや教師たちの顔を見ては頭を下げています。
中に座る担任も、ウンウンと頷くかのように横島に目を投げかけました。

「(いよいよね。)」
「(そうだなあ、御父さんは嬉しいぞ!)」

両親は、忠夫のうしろ姿を壇上に見つめやりました。
校長は手に取った証書を一字一句読み上げていきます。
が、しかし………いきなり聞きなれない言葉が一同の頭に刺しかかりました。

「退学証書」
「「「「「は?」」」」」

一同は、目を丸くしました。
其のまま固まってしまった一同を他所に、校長は書いてある順に黙々と読み上げる。

「…横島忠夫、昭和××年○○月▽▽日生まれ。
 右の者は、一年半で生徒・女職員ら若女性の尻を合計で10000回触り、
 女子更衣室にて生徒・女職員らの着替を合計で10000回撮影し、
 本校に類を見ない好成績を修めたことを証する。

 平成14年9月19日
 東京都立那珂監高等学校校長、東 繁」

ココで説明しましょう。
那珂監は【なかがん】、東 繁 は【あずま しげる】と読むのです。
そして、好成績というのは、好【スケベ】という意味も含んでいるのでした。
つまり……

「なんでえ、退学じゃねえか!」
「一文字さん、声を慎みなさいよ!」
「わっしの、わっしの友達なんて……」

なんて言葉を先頭に、母親がこっちいらっしゃいの合図をしていました。
行くにいけません。
いえ、そればかりじゃありません。

「ふーーコレで安心よねえ。」
「しっ、本音言っちゃ駄目よ。」
「…馬鹿らしい。帰るワケよピート」
「あら、ピート先輩は私とよ!」
「さて、いきますかおキヌちゃん!」
「で、でも……」

次々に、席を立って体育館から出て行きます。
横島の関係を持つ者は、両親を除いて誰一人と消えて行きました。
いや、雪之丞とおキヌちゃんも除いてです。

「おおっっ、雪之丞は残ってくれたのか!」
「…ふっ、これ以上ロンリーウルフになるのはお断りさ!」
「気を落とさないで……と言いたい所ですけど。お土産があったんです!」

おキヌちゃんはそう一言、にっこりと笑いながら言うと、
ばっっっっっっちぃぃいいいいん!
と、横島の顔を平手打ちしました。

「サイッテー!」

この一言が横島本人にとどめを刺し、そのままおキヌちゃんは事務所に戻っていきました。
さらに、百合子が顔をヒクヒクとさせています。
そーーっと、逃げようとしましたが、いつの間にやら眼前にいました。
はっきり言って、もうコメントのしようがありません。

「さすがは、貴方の息子よねえ………!!!!????」
「は、あはは、はははは……」

大樹は苦笑いして後ずさりしましたが、これまた百合子がいつの間にか大樹の腕をひっ捕らえていました。
直後、言うに耐えない母親の地獄の折檻が展開されていました。

























その体育館の…裏の出口では、横島のクラスの担任がドア越しにその様子を見ていました。
その態勢で、ニタリと声にならないよう笑い続けていたのだそうです。
さて、クラス担任なのでしょうか、百合子やハヌマン様まで呼び出してこれほど壮大な計画を練ったのは?

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