ザ・グレート・展開予測ショー

黒金6・『暴走』


投稿者名:紫
投稿日時:(02/ 9/28)

(・・・なくなってしまえ、こんな世界など・・・)



『王』はアシュタロスの消滅を確認する。少しでも霊破片があると復活する可能性がある。

・・・最高指導者達なら、そんなものがなくても復活させられるだろうが。

彼は『なぜか』妙に悲しい気持ちになったが、無視し、意識を集中する。

・・・コスモ・プロセッサを壊さなければ。



(・・・なくなってしまえ・・・こんな世界など・・・)



アシュタロスの最期の『意志』。絶望。それがコスモ・プロセッサに託される。



(なくなってしまえ)



操縦者のいない機械の作動。暴走。



なくなってしまえなくなってしまえなくなってしまえなくなってしまえなくなってしまえなくなってしまえなくなってしまえなくなっていまえなくなってしまえなくなってしまえなくなってしまえなくなってしまえなくなってしまえなくなってしまえなくなってしまえなくなってしまえなくなってしまえなくなってしまえ・・・

・・・なくなってしまえ・・・



「・・・っ・・・!!」

まずい。非常にまずい。

コスモ・プロセッサが目標を定めずに『消滅』をまき散らし始めたのだ。

急いでそれを打ち消そうとするが、油断していたので若干対処に遅れる。

少し、世界が『削られた』

一瞬で全世界を消すほどの能力はないようだが・・・

だが、アシュタロスの死を願う心の影響を受けなくなったのだ。

いつか、確実にこちらの能力を上回るだろう。

『王』は考える。自分の『人間』の部分が邪魔だ。雑念が混じる。

だが、それを消すわけにもいかない。そんなことをしたら『自分』も存在できない。

まだ初撃以外はどうにか防いでいるが・・・ジリ貧だ。

押し負けるのも時間の問題だろう。



・・・妹の気配が近づいてくる。



「・・・ルシオラちゃん・・・・」

「!・・・パピリオ・・・ごめんなさい・・・」

眷属とのリンクをいったん切り、パピリオを見つめる。

どんな理由であれ、自分は妹を殺したのだ。

仕方がなかったなんて言い訳はしたくない。

だがなにを言うべきか思いつかない。

「・・・私・・・」

(・・・仕方が・・・なかったさ・・・あの状況じゃ・・・)

唐突に、『声』が聞こえた。

「ベスパ!!」

「ベスパちゃん!!生きてたんでちゅか・・・!?」

(・・・いや・・・残留思念みたいなモノ・・・生きてるとはいえないね・・・)

その『声』は耳から聞こえておらず、直接、頭に響いていた。

おそらく、この姉妹にしか聞こえなかっただろう。

「ベスパ・・・私・・・」

(・・・言っただろ・・・仕方がなかったさ・・・それより・・・アシュ様は・・・?)

(・・・いや・・・言わなくてもいい・・・気配がないって事は・・・)

(・・・そう・・・もう一つの目的を・・・手に入れたんだね・・・)

「・・・そ、そうだ!!今からでも霊体の破片を集めれば・・・!!」

(・・・そんなことはしないでおくれ・・・おまえと同じ・・・私は最後まであの方と一緒に・・・)

霊体そのものが破壊されたのだ。転成もしないだろう。・・・アシュタロスと同じように。

「で、でもっ!!」

(・・・いいんだよ・・・あたしのことは・・・時々・・・思い出してくれるだけでいい・・・)

(・・・あんた達は・・・この世界で・・・幸せになるんだよ・・・)



『声』の気配が薄れる。



(・・・幸せに・・・なるんだよ・・・)



「・・・ベスパ?・・・ベスパーっ!!」

「・・・ベスパちゃん・・・」



・・・落ち込んでいるルシオラにパピリオが話しかける。

「ルシオラちゃん・・・ポチの、ヨコシマの所へ行ってあげてくだちゃい。」

「・・・え・・・!?」

「ベスパちゃんは言ったでちゅ。幸せになるんだよって。だから・・・」

「だから、落ち込んでないで、ルシオラちゃんはヨコシマと一緒にいなくちゃいけないんでちゅ!!」

そう言いながら、ルシオラにエネルギーを分け与える。

「・・・ありがとう・・・」

「貸し、一つでちゅよ!!」



自分があそこへ行ったからといって、なにができるかわからない。

でも、それでも・・・



(ヨコシマ・・・今行くから・・・!!)

飛び立つ。


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一週間に〜一話〜それが〜私の〜ま〜いぺ〜えす〜♪・・・開き直ってみました。第六話です。
三姉妹は一緒にいて欲しいって方がかなりいるかと思います。でも、ルシオラとパピリオが横島と話している横にベスパがいるってのは、かなり残酷な絵のような気がして、いろいろ考えた末、こうなってしまいました(原作の、魔族軍に入るってのもイヤですし)。ごめんなさい。
次回ですが・・・もしかしたらいるかもしれない(二〜三人、いや一人でもいいです)続きを待ってくれている方。・・・ごめんなさい気長に待って下さい。
コメント、お願いします。では。

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