ザ・グレート・展開予測ショー

#新歓企画!『対決!!』Ver.sai


投稿者名:sai
投稿日時:(02/ 9/11)

ピートが「奴」と対峙して既に一時間が過ぎようとしていた。

身構えたまま、始めの間合いからピクリとも動けない。
時だけが流れて行く。背中をいやな汗が伝う。


(長期戦は不利・・・・・・・そんなことは、分かっている・・・・・・・・・・!)
密室の中に奴のオーラが充満していくのがわかる。
バンパイアハーフの体力をもってしても、時々刻々と体力・精神力ともに削り取られ、疲労が蓄積されていく。





今まで何度か奴に挑んだが、常に瀕死の重傷を負わされた。

友たちの言葉が脳裏をよぎる。
『無理だろ・・・・・・・?やめとけよ。俺とか美神さんだって苦手はあるし』
『ピートくんは横島くんとはちがうんだから・・・』
『得手不得手があってもしょーがないと思いますがノー』

美神にも言われた。
『男ってホント馬鹿ばっかだって思ってたけど、あんたみたいな馬鹿もいるのね。
・・・・・・・・・・ま、止めないけど』
そう言って笑われた。




(でも・・・・・・・・・・これは僕にとってはブレークスルーなんだ・・・・・・・・・!!
こいつさえ倒せれば・・・・・・・何だって恐くない!!)


きっ!!

奴を再び見据える。
(いくぞ!!)

「うおおおおおおおおおお――――――――――っ!!」

シュッ!!!

雄叫びと共に右拳を奴めがけ繰り出す!








ズブッ!!!!!







奴のどてっ腹にピートの指が食い込む!








(!!)
見開かれる瞳。



「う、」
息を呑む音。






「ゔあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あああああ――――――――っ!!」






断末魔の叫びをあげ、のけぞるように倒れてゆく。






・・・・・・・のは、奴に指を食い込ませたままのピートだった。





そこ―――――死闘の場――を、書類を抱えた唐巣が通り過ぎる。
あたかも何事も無かったかのように。

「ピート君、また挑戦したのかい?・・・君バンパイアなんだから無理して食べなくてもいいってこないだも言ったのに・・・・・・!
あ、割ったお皿は片付けといてくれよ・・・あー忙し・・・」

それだけ言ってパタパタと通り過ぎてゆく。



教会の台所。
ニンニクに親指と中指を突っ込んだまま白目で痙攣しているピートは、唐巣の言葉を全く聞いていませんでしたとさ。

(おしまい)

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