ザ・グレート・展開予測ショー

心は共に・1


投稿者名:マサ
投稿日時:(02/ 9/10)

はい、此れこそが私が最初に書いたGSの二次創作でございます。行き成り『スリビュ』なのですが、この時点で初っ端から私の人生はおキヌちゃんに変えられてる事が良く分かります(爆)。中3の終わり頃(此処に来る前)に書き始め、3ヶ月程前に最後の調整を終わらせて何時投稿しようかと考えながらも結局遅れてしまった作品です。稚拙な文章(勿論多少の手直しは加えてますが)なため、日の目を浴びさせること自体が恥ずかしいです。まあ、今読み返すと改めて考えさせられてしまった作品です。
では、ご覧あれ。
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死津喪比女を倒し、横島の手によって三百年の封印から開放されたおキヌの“遺体”は、今、長い冷凍保存より解かれ、再び『生』の温かみを宿そうとしていた。
反魂の術によって…………。




            ―――心は共に―――


  (グワシャァァァン…)
おキヌの“遺体”を束縛していた氷は大きな音を立てて崩れ落ち、その細身な体を露出させる。
「絶対思い出しますから―――!!忘れても二人の事―――すぐに―――〈だから、待っていて下さい―――!!〉」
そして、輝きだした早苗の体から彼女の魂が抜け、本当の体に重なると静かに輝きは薄れていった。
それを見てすかさず美神が叫ぶ。
「横島クン!おキヌちゃんの体は冷凍されていて脆いんだから!落ちたらガラス細工みたいに砕けるわよ!!」
「げっ!?おキヌちゃ〜ん!!!」
背中にぞっとするものを感じながら、慌てて氷解を掻き分けて彼はしっかりと彼女の重みを体全体で受け止め、そのまま地面に倒れこんだ。
「おキヌちゃん!?………」
「大丈夫…よね?」
横島はおキヌを見つめたまま無言で頷いた。
彼女の色白な肌には傷一つ付いていない。
しかし、その無表情な寝顔からその場の全員が300年間の寂しさや辛さを感じずにはいられなかった。
横島は眠りについているおキヌをしっかりと抱きしめる。
彼女の心臓の鼓動が抱いている方にも伝わってきた。
途端に彼の目から涙が溢れ出し、止まらなくなる。
「…心臓が……動いてる。………美神さん……おキヌちゃん、生きてますよ…。……生きてるんですよ!!?」
「そ…そうね……!」
止め処なく涙を流しながら美神は一つ頷いて手で顔を覆った。

『感動ッスよぉぉぉ〜〜〜!!』
うおおおぉぉぉ〜〜〜と叫びながら山の神は岩壁の中に消えていった。
          

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暫く二人が中を見たまま約一時間が経った。
横島は未だに目覚めないおキヌを抱いて岩壁に背を凭れている。
美神はおキヌを見て微笑すると、一言呟いた。
「おキヌちゃんの心に私達の事が『しずく』としてでも残っていれば、何時か……きっと…」
「そうッスね。…残っていてくれれば、その内、水になりますよね……」
そう言っておキヌの頭を撫でる。
心の底からそうあって欲しいと願いながら。
「ところで美神さん…、おキヌちゃんが生き返ったって事は、日給30円じゃ生きていけませんよ。時給255円の俺でも苦労してるってゆーのに」
「……………」
美神の表情は険しくなり、再び宙を見上げて黙り込む。
「あー、わだすは何さしてたんだべ?何が…あの化け物に向かってったとこまでは覚えてるんだけんど……まんず思い出せねな〜。あ、美神さん。あの化け物は倒したんだか?」
早苗が目を覚ましたらしい。
「まあな」
横島の表情に影がさした。
「あんたには聞いてね。……何浮かない顔さしてる?そのコがおキヌってコだべ?生き返ったようで良かったでねか?」
今一腑に落ちない様子の早苗。
「記憶が無いんだよ。俺のことも、美神さんのことも、みんな忘れてるんだ。……おキヌちゃんは………!!」
無意識に微量の霊波を篭めた拳で地面を殴りつけた。
彼の一撃で周囲の地面に皹が生じ、早苗は危険を感じて黙ることにする。
「取り敢えず此処を出ましょう」
美神の提案で横島はおキヌを抱き上げて祠を出る。
「やっぱし、おキヌちゃんに重みが在るってのは変な感じだな」
やはりまだ違和感は有る。
そこへ早苗の両親が走ってきた。








             つづく

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