ザ・グレート・展開予測ショー

#新歓企画!『対決!!』Ver.みみかき(5)


投稿者名:みみかき
投稿日時:(02/ 9/ 4)




 「海、…そこでは人の心も身体も生まれたままの姿になってしまう、過去と現在(いま)と未来の生命が渡る場所。
 お元気ですか? 私は愛子。 時間を超えて生命の咆哮を聴く女…」

 「なに実は意味がまったく無い言葉を並べて、読者に存在をアピールしてるんですか!
 こここ、これからケダモン横島と小鳩ちゃんが、二人っきりでわめいても叫んでも妨害できない大海の中に出かけようとゆーのにっ!」

 「でも別におキヌちゃん達と別々になるわけじゃないし、別行動とっても、まさかゴムボートの上で…(読者の皆様には、ここで爽やかな音楽を
 お楽しみ下さい)…るわけないでしょ? いくら横島君でも」

 「いーーやっ! 横島がこの様な接触チャンスを、いくら相手が顔見知りだといって見逃すハズが無いっ!!
 愛子さんは甘いっすよ! いいですか?! いくら海上で…(読者の皆様には、ここで爽やかな音楽をお楽しみ下さい)…までしなくても、
 (読者の皆様には、ここで爽やかな音楽をお楽しみ下さい)…ぐらいするかも知れませんよ?!
 そして、今夜は近場の旅館に宿を取ってあるっ! 昼間のことを思い出すたび自分の奥底に熱いものが込み上げる小鳩ちゃん!
 ふと、夜更かししている女の子の輪の中を抜けて、夜風に当たりにゆくと……モンモンとして寝付けねぇ横島なんかがいたりして、
 みつめあう二人っ! そして一瞬視線を互いに反らしたと思いきや、おずおずと顔を見合わせて……っ!
 どあああああぁぁっ、どーすんですかっ愛子さん! 私の脳内で二人は横島の部屋にいったりして、ついに…(読者の皆様には、ここで爽やかな
 音楽をお楽しみ下さい)…までしちゃう事にっ!! あああ、お母さんっ!」

 「ちょっとちょっとっ! 真横で鼻血ブチまけないでよっ!
 それにいくら伏せても、これ以上アンタの想像を文章化すると”あぼーん”されかねないでしょ?!
 大体横島君がその気になっても、おキヌちゃんやシロちゃんの追跡をそう簡単に振り切れるワケないでしょ」

 「でもでも、もし二人のボートがおキヌちゃん達とはぐれたら?」

 「その時は……」

 「その時は?」

 「………神様に祈りましょう」

 「うがぁぁーーっ!! この漫画の神様ほどアテにならねぇモンは無いじゃないですかっ!」

 「罰当たりねぇ。ほら、もう出発するみたいよ?」

 「あああ、そうでした!二人乗りのボートは横島が漕ぎ手になってます。これは当然ですね。
 そして三人乗りの方は体力万歳のシロちゃんがエンジンです。 えらいぞシロちゃん、横島のボートの5メートル以内から
 離れようとしません!」

 「執拗な追跡に、小鳩ちゃんやや不満顔ですね。 えっ、横島君が前方を確認しているスキになにかゴソゴソしてますね」

 「あ、持ってきたバスケットの中から何かを…、び、貧乏神ですっ!”貧ちゃん”こと貧乏神を隠していたのです。
 そしてボソボソと耳打ちを…、ああ、貧乏神が海中へ潜りました。一体なにを……」

 「見て! おキヌちゃん達のボートとの距離がだんだん離れてゆくわっ!!」

 「本当です!徐々に距離が、というよりスピードが無くなってしまいました! 何かトラブルが発生したのでしょうか?!」

 「んん?空気が、エアが抜けているのではないでしょうか」

 「ああ、そのようです! これは一刻も早く岸にたどり着かなければなりません! ここにきて突発的な事故に見舞われてしまいました!」

 「事故? これ本当に事故?」

 「これで洋上は二人っきり! 大変危険ですっ! 横島の方は一緒に戻るか、それともこれを好機とするか逡巡している様にみえます!」

 「……小鳩ちゃん、凶器攻撃に出るなんて…。勝負にきたわね」

 「うがっ! 小鳩ちゃん、浜に戻しかけた横島の手に自分の手を重ねて、何か囁いておりますっ!!」

 「ああああ、あれですかね。ももも『戻りたくないの…二人でいたいの』とかゆーてるんでせうか」

 「ピンチですっ!誰がかはよくわかりませんが! おキヌちゃん達はこちらからかなり近い距離まで戻ってしまいました。
 これでは横島達が豆粒のようでナニをしているかわかりませんっ! ちなみに我々は双眼鏡と望遠モニターで監視しています!」

 「あがががががあああ、ナニやら二人が必要以上の接近をなさりくさってますよ!不潔すぎます!」

 「うあっ、今ゴムボートが波で大きくゆれました! 二人は大丈夫って、…あああっ!なんとゆーことだっ!!
 横島が、横島の(あぼーん)ヤローがっ、小鳩ちゃんの上に折り重なっておりますっ!離れんかっクソ虫がっ!!」

 「二人とも重なったまま固まっておりますっ! いやあああ、二人の身体を遮るものは水着の薄い布切れだけだとゆーのにっ!
 小鳩ちゃん、抵抗の”て”の字もしておりません! どこに触れてんの、横島君っ!!」

 「なんとかならんのですかっ! 我々にあのような犯罪を阻止することはできんのですかっ!!」

 「私達に今できる事は…、とりあえず彼らの行動を見守っていましょう」

 「そんな……、ああっ横島の姿勢がっ、だんだんだんだんひっ、低くなって…あああああ!!」

 「勉強に、これは勉強にっ!って、あれ? 何か沖から近づいてくるものがありますよ?!」

 「おおおっ! 一隻の大型クルーザーがこちらに向かっております! 良く見ると、舳先に何物か立っております!
 あ、輪郭がはっきりしてきました。女性です! 赤みがかった長いブロンドをなびかせたボンデージ着用の女性が
 なにやら高笑いを上げながら二人のゴムボートに接近しておりますっ!
 一体何物なのでしょうか?! 顔には蝶をあしらったマスクを着けているのでよくわかりません!
 何か女性がボートに向かって構えました。自動小銃のようです!自動小銃を連射しておりますっ!!」

 「何事か叫んでいるようですね。私の読唇術で読んでみましょう」

 「変な特技をお持ちなんですね、愛子さんは」

 「ええと、『お天道様の真下でいたいけな少女を煩悩の毒牙にかけようとは言語道断!この海の妖精、ビューティーマリナーがっ
 極楽に逝かせてあげるわっ!!』だそうです。」

 「おおっ、誰だか知らないがありがとうっ!やれっ!ケダモンを蜂の巣にしてしまえっ!!」

 「この場合、小鳩ちゃんの安全はどうする…って、横島君、当然ですけど岸に向かって逃げてますよ?!」

 「うわっ!ビューティーマリナーもこちらに来ますっ!来んな!横島っ!巻き添え食うだろうが!
 あわわわ、ビューティーマリナー、今度はスティンガーミサイルを持ち出した!横島達と一緒に今、浜に上陸しました!
 戦場だ!正にここは戦場のごとき爆音と硝煙と阿鼻叫喚に包まれていますっ!在りし日のノルマンディーの再現ですっ!
 我々も避難を……って、もう愛子いねぇしーっ!!
 うわわわ、流れ弾が一発こちらに向かっております! 私はここまでの様です。皆さん,さようなら。さようなら…」




 「………せめて、……名前が、欲しかった…」

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