ザ・グレート・展開予測ショー

史上最大の大脱走2 逃亡者シロ!! (#新歓企画!『対決!!』Ver.トンプ)


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(02/ 9/ 4)

構内入場料を貰った駅員が振り返る。
「あん?地震か」
その光景に言葉を失った。
大多数の白衣がわれ先へと改札に向かっているのである。
「こらっ!そこのちゃんと改札機を使え、うがっ」
ラッシュに慣れている駅員ですら人波にもまれてしまった。
「あ、あんなのに捕まったら・・貞節の危機で御座るよぉ」
そんな言葉を何処で覚えたかという事はともかくシロは西へと走る。
郡山市役所を駆け抜けた頃、白衣医師団の息が切れた。
「くそー。おい。誰か車を用意しろ!」
と、部隊長が指示をする間にもシロは走る。
「あれ?女子ばかりの学校があるで御座る」
先生を連れてきたら問題がありそうで御座ると呟き郡山女子大正門を駆け抜る。
走りに走って役5q。やってきました東北自動車道。
「むぅ。ここは拙者の生足で悩殺してヒッチハイクで御座るか?」
考えは悪くないのだが、料金所は更に南下して川田に行くか、
北上して郡山ICに向かうしかない。
だから。
「何故ぇ、とまらんので御座るかぁ!」
高速の路肩で生足を見せようが意味がないのである。
所詮は狼。第一走った方が早いような気もする。
諦めて足を使うかとした時。
「おっ!とまりそーで御座るおーい」
成る程確かに車が数台ウインカーを点滅してとまろうとしているが。
あの禍々しい(シロにとっては)匂いがガソリンに混じっている。
「・・・・・・・・。よもや」
当たり前である。何故ならそれは救急車。
急ブレーキで停まり旱魃を入れず横のドアがすべる。
「おやや?シロちゃん足に注射でいいのかい?」
車の中から聞こえる音楽は正にダースベーダーのテーマ。
最近ならアナキン・スカイウォーカーの第二テーマ。
意表を疲れた為、アルコール消毒までされてしまった。
「冷たッ!って違うで御座るよぉー」
と跳躍を見せるが、
「こらっ、待てッ!」
と、ズボンの裾を手繰り寄せた。
布が引き裂かれる音。
結果は空を飛ぶ下着。
更に目測を図ってない跳躍が故、こいのぼりのような風を観測する物に上着を引っ掛ける。
もう一度布が引き裂かれる音。
この時対向車線で余所見運転がなされ、追突事故が起こるのも当然である。
「拙者の責任じゃないで御座るよぉ」
幸いけが人が出なかった事が不幸中の幸いである。
むしろシロの方が被害者か。見事な空中ランジェリーショー。
「いやー!マイチングマチ子先生で御座るぅぅぅ」
何故それを知っている?ここにくる方々でこのアニメを知ってるのは何人ぐらいだ?
着地後。珍しく自ら子犬・・・・。
・・・・・・・・。
子狼の姿に戻すのも当然である。
「ふ。これはクランケシロの匂いの元が手に入った」
と、シロのズボンを持つ山村総統閣下。
危ない人そのものでしかなかった。
更に先ほど巻いた筈の駅にいた連中もジープの団体でやってくる。
「わおーん」
と、精霊石と財布を加えなおも西側へ逃げる。
道なりに走ってここは郡山市逢瀬町多田野。
小さな町である。当然ブティックぐらいはある。と思う。
「わおぉ(ここで洋服を調達するで御座る)」
会話をどうしようか?などということよりも流石に今のままじゃ不味いという訳だ。
と、足を止めると。
後ろから道なりでなく一直線で向かってくるジープ団。
さすがは戦争で悪路になった場所でも機動力を発揮するジープ。
それが連なりおよそ50台。
更に。部隊長が手にしているのはシロのズボンの一部。
「総統閣下が手に入れたシロの匂いだそうだ」
ジープ一台につき一匹以上の犬がいる。
「これは警察から借りてきた警察犬だ。優秀な犬達だ」
柴犬からゴールデンレトリバーまでいる。
全員・・否全犬に匂いを覚えさせる。
「わおぉぉ」
(拙者のらぶれーな匂いが伝わってるで御座る。見つかるのも時間の問題)
と、近くの川原で水を飲んでいるシロである。
「わおぉ」
(この姿なら逃げられないで御座る。かといって下着じゃ嫌で御座るし)
ジレンマに陥っているシロである。
そこに・・・。
「あー、わんこだぁ」
川原でキャンピングをしている家族がいる。
「わおぉ」
誰がわんこだ?と指摘しているが人間の耳には聞こえない。
「あり?おなかすいてるのかなぁ?」
と、スペアリブを差し出されたからたまらない。
「わおん!」
とばかりに口にする肉汁。ぷりぷりとした触感。しょして肉特有の甘み。
「はい、ワンちゃんもーいっこ」
走りった後の食事でなお美味い。
食べたら眠くなる。
「わおぉ・・??」
オカシイ。いくらなんでもここまで眠くはならない。
「ま、まさか・・・ごおぉお」
完全に寝てしまった。
最後の試みで人間型に戻っても睡魔は容赦なく襲ってくる。
「御免ね、ワンちゃん。じゃなかった、シロちゃん」
と、キャンピングカーから降りてきたのはあの黒いレースの看護婦さん。
「まったく、私に恥をかかせてくれてぇ、・・・まっ川原で下着姿をさらしたから許してあげましょ、はーい獣医のみなさーん」
女の恨みいとおそろしや。
結局あの犬軍団はなんだったのであろーか。
気を失ったままの注射は痛くない。
それはそれで幸いなのであろうか。
尚、誰があどけないシロに注射を打つかでもめたのは書くまでもなかろう。
最後にシロが気がついた時には東京に戻っていた。
キャンピングカーで東京に連れ戻されたのだが、その時まで当然。
「うわーん。お、男達に下着姿をみられたでござるよぉー」
とベットで泣くのは当然で。
「・・・泣くぐらいなら最初から注射を打たれなさいよ」
と、呆れ顔を通り越したタマモであったとさ。
だが、
「こ、今度はもっと遠くへ逃げるで御座る」
の決意は正しいのやら、間違っているのやら。

ちゃんちゃん。

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