ザ・グレート・展開予測ショー

真冬の朝の夢


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(02/ 8/12)

それは、真冬の朝の物語・・・・。
夜中の12時。木々も凍える風が都会を舐めている。
おキヌ、タマモ、シロは暖房を入れた自分の部屋で、横島は事務所のソファーで破魔札の点検をしており。
そのころ美神は、事務所の机で書類の整理をしている、はずだった。
シン・・・と静まり返った部屋。美神とと2人きり・・・。
美神は、書類に集中しようとしても、どうしても魔道具と格闘する横島を見てしまう。
そのたびに頭がぽーっとする自分を半ば呆れなら、書類の整理を続ける。
「・・・・。」

突然、筆の動く音が止まり、苦しそうな声が横島の耳に入る。
「!?美神さん!?」
横島は、急いで机に駆け寄る。一見眠ったようだが顔が赤い。汗もかいているようだ。
「・・・こいつはぁ」
横島は、そっと美神の額に手を当てる。美神の手の額に、横島の体温が伝わってきた。
―−−−冷たい手ねぇ。
「熱があるっすね。」
そういって横島は急いで寝室から掛け布団を持ってきて暖房を最強にした。
そして、一緒に持ってきたタオルで、美神の汗を優しく拭う。
「ははは。鬼の霍乱って奴すかねー」
そんなことをいいながらも、心配そうな瞳を瞬かせ、横島は美神の隣で看病をした。
ドライヤーで暖めたタオルを美神の肩にのせ、汗を拭い、布団をかけなおし・・・何度も何度もそれを繰り返した。
「たくもー。襲っちまえばいいのによー俺も」
横島の一言に反応した美神が反応を示す。とは言え横島に父性を感じてしまった美神は胸をキュンと締め付けられるような感情を覚えた。
コツン
横島は、美神の髪を丹念になでる。暖房の効果と、横島の体温が一緒になり、とても心地よかった。
「・・・・ゆっくり休んでくださいよ」
横島は、タオルをもう一度ドライヤーで暖め、美神の肩にのせた。
それは、優しい、優しい、真冬の夜の物語・・・。

翌朝、美神が目を覚ますと、隣には横島の寝顔が・・・。
「!?!?横島クン?」
美神はビックリして飛び起きる。肩にのっていたタオルが床の上に落ちた。
「ん〜〜・・・」
横島はまだ眠いという顔をしながら目を開ける。その瞬間、横島と目が合った。
「/////////」
お互いに、目を大きく見開き真っ赤になっている。
「えっとっすねー、あの、これは・・・美神さんが夜中に熱出してたから・・・その・・・」
横島はしどろもどろになりながらも夜中の事を説明した。
「え!?!?!?も、もしかしてさぁ、・・夜中に私のコト襲うとかどうとかいってなかった?・・・」
「・・・そんなワケねーじゃねーっす・・・はい」
横島はそう言ってしまった後にしまった!と言うように口元を手で覆った。
「あんたねぇ!看病してくれたことは許すけどーーーー」
案の定、横島の顔面に美神が繰り出す乙女の恥じらいパンチがメガヒットした;
「ちょ、調子に乗るんじゃないっ!!!」
「な、なじぇ・・・・」
横島は、つぶれたカエルのように床に突っ伏して、上目使いで美神を見る。
「い、一ヶ月間給料無しだからねっ!!」
「そんなぁ〜〜〜〜〜!!!!」
朝日が差し込む、早朝の事務所に、すがすがしい冷気と横島の空しい声が響き渡った。


桜姫氏 「真夏の夜の夢」オマージュ作品

FIN

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