ザ・グレート・展開予測ショー

命の『選択』?11


投稿者名:運値
投稿日時:(02/ 8/11)

気絶した冥子を家に送り届けた美神達は事務所に帰ってきていた。
「…美神さん、もう少し横島さんに優しくしても良いじゃ無いですか!!!今日のは余りにも酷すぎます!!!」
おキヌが美神に詰め寄る
「べ、別に、何であいつに優しくする必要が…」
美神はまともにおキヌの顔を見ることが出来ず、目をそむける。
「ヨコシマ、もう少で帰ってくるはずだったのに…」
「た、タマモまで…」
普段は横島を庇わないタマモですら美神に言う。
「だ、だってアイツがいけないのよ!!!よりにもよって冥子の所に行くなんて…」
「元を言えば、美神さんが横島さんをクビにしたからいけないんでしょ!!!横島さん、あんな薄給で一生懸命頑張ってたのに…」
「それは…あいつも納得して…」
「普通人間は、安くてキツイ仕事より、高くて楽な仕事に行くと思うけど?」
タマモがしれっと言う。
「今度と言う今度は頭に来ました。私、横島さんの所に行きます!!!」
おキヌが美神に言い放つ。
「ちょ、ちょっと待ってよ、おキヌちゃん。もっと自分を大切に…」
あせって止める美神。
「美神さんは良いんですか!!!もしかしたら、本当に横島さん、冥子さんに取られるかもしれないんですよ?今ならまだ間に合うかもしれないんですよ?」
「と、取られるってアンタ…あの冥子に限って」
美神は自分は勘違したのに言う。
「さあ、人間の中には物好きもいるから…」
しかし、タマモが火に油を注ぐ。確かに横島はどちらかと言えば物好きなタイプなんじゃないかと美神の脳裏に今までの経験が浮かぶ。
「と・に・か・く!!!私はこのまま、むざむざ横島さんを冥子さんの事務所に取られるのを我慢できません。だったら押しかけてでも取り戻すまでです」
(それに…寂しくないんですか美神さん…)
おキヌの望む事務所。それは美神がいて、横島がいて、自分やシロ・タマモがいて、誰一人欠けても成り立たない、面白くて暖かい事務所であった。それが今むざむざ壊れようとしている。おキヌにはそれが我慢できなかった。
「ぐ…私は別に……」


ちょうどその時、シロが帰ってきた。
「ただいまでござる…」
「あ、シロちゃん、お帰りなさい。今ちょうど横島さんのことを美神さんに話してたんです!!!シロちゃんからも何か言って…」
「拙者は、先生が出て行くと言うなら黙って見送るべきかと…」
「し、シロちゃん?何言って…」
おキヌだけでなく、その場にいた全員が凍りつく。
「先生は一度ここを自らの意思に関わらずに追い出された身。ならば先生自らが本当に帰って来たいと思うまで待つのが道理ではないかと…」
(それに美神殿には、今回きついお灸を据えるべきでござる。先生のありがたみを思い知らさねば!!!一生先生が丁稚として扱われかねないでござる!!!それに…でへへ)
シロは横島に言われたことを思い出して顔がにやける。
(拙者、先生の弟子として頑張るでござる!!!)
そんなシロの姿を見てタマモは
(あ、あのシロが正論を言うなんて……)
と絶句している。


「分かったわ…、とにかく横島君が戻ってきたいって言うんなら今までどうりの条件で雇うわよ…これで良いでしょ!!!」
おキヌ達は研修費のことなど知らないから手放しで賛成する。
「じゃあ、あと問題は横島君が冥子や他の子と問題を…いえ迷惑を掛けない様にように…」
「なら、私が横島さんのアパートに…」
「アンタは駄目!!!おキヌちゃんは私がご両親から預かった大切な身なんですから、横島君なんかと間違いがあったら目も当てられないわ!!!!」
「…私は別に…」
「何か言った!!!」
「それじゃ、拙者ですか?」
「アンタは大切な荷物持ちなんだから行かせられる訳無いでしょ!!!」
「………………」
「タマモ…お願いできる?」
「……嫌」
「アンタに拒否権は無いわ!!!あんたくらいの年なら横島君も間違いは起さないだろうし、あんたアイツに助けられた恩があるでしょ!!!」
美神はこの中で一番横島と問題を起さないであろうと思われるタマモを指名した。
結局、タマモが横島のアパートをねぐらにして、横島が戻ってくるまで監視することで落ち着いた。



夜も深けた時、横島のアパートのドアを誰かがノックした。
「は〜い、誰ですか?」
横島がドアを開けるとタマモがそこに立っていた。
「な、何でお前が…」
「……お前が冥子に何か迷惑を掛けない様に監視するようにと言われて来た」
「え…えええええ!!!!そんなあ……俺の計画が…」
本来ならそんな命令無視すれば良いのだが、すっかり身体に染み付いた丁稚根性のためそれを言い出せない横島であった。

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