ザ・グレート・展開予測ショー

命の『選択』?10


投稿者名:運値
投稿日時:(02/ 8/11)

「…う、う〜〜ん…は、夢か…」
悪夢を見ていた横島は顔を舐められる感触で気がついた。頭が何か柔らかい物の上に乗っている。
「気がついたでござるか…、よ、よかったでござる!!!」
横島はシロに膝枕されて顔をペロペロ舐められていた。
「し、シロ辞めろ、分かったから!!!」
横島は何とか立ちあがる。股間にはまだズキズキした痛みが残っていた。
(このせいで、タイに連れてかれてニューハーフにされる夢を見たのか…)
もう少し強く蹴られたら本当になってしまったかもしれないと思いつつ、心配そうにこちらを見ているシロに礼を言う。
「あんがとな、シロ…。ところで、美神さんたちは?」
「美神殿達は冥子殿を連れられて先に帰ったでござる。拙者は先生が心配でここに残ったのでござるが…」
「そうか……」
「……先生、本当に事務所に帰るつもりは無いでござるか?」
「…わかんねえ、取り敢えず今は帰りたくても美神さんがあれだからなあ。無理なんじゃねーの?」
「そうでござるか…。なら、拙者も先生と一緒に行くでござる!!!」
「はぁ?なんで?」
「で、弟子は先生の行くところについて行くものでござる!!!」
(い、いやついてきて貰ったら色々と困る!!!何とか誤魔化さねば…そうだ!?)
「う〜ん…いや、お前は美神さんの所にいてやってくれ」
「な、なんででござる!?先生は拙者を見捨てるでござるか!!!」
まるで捨てられそうな子犬の様に上目遣いで横島を見上げるシロ。そんなシロを見て諭す様に横島は言った。
「いやな、俺の代わりに皆を守ってやって欲しいんだよ…。ああ見えても美神さんは脆い所があるし、おキヌちゃんは戦闘中もしものことがあったらいけないしな…」
(それに、荷物運びも…)
「せ、先生。そこまで拙者達のことを…」
そう言いながら横島に飛びついて鼻を擦りつけるシロ。その頭をなでながら横島は続ける。
「そうだ。こんな大事なことは弟子であるお前にしか頼めないことだからな。よろしく頼んだぞシロ!!!」
「分かったでござる。この犬塚シロ一命をとしても先生の言い付けを守るでござる!!!」
「よし、良い返事だ!!!それじゃ、こんなとこに何時まで居てもしょうがないから帰るか」
「はいでござる!!!ところで先生…散歩の方は…」
「…ギク…い、いや、まあ、時間があれば別に構わんが…」
最後の最後で、一番誤魔化そうとしてきたことをつつかれ、言葉を濁す。だが、シロの余りの喜びようにまあ、いいかと思いなおし、シロ連れだって帰っていった。

横島は家に着くとこれからのことを色々考え始めた。
「ふ〜〜、今日はマジで死にかけた…。やっぱり美神さんと居ると身体が幾らあっても足りないなあ〜…」
まだズキズキ痛む股間を気にしつつ溜息をつく。
「まったく…危うく人生の楽しみの半分を失うところだったぜ…。この恨み何時か晴らさねば…」
しばらくブツブツと何事かを呟いていた横島だが、ぱっと表情を明るくして叫ぶ。
「俺は自由を手に入れたんだーーーー!!!明日からは依頼人の女性に手を出しても突っ込まれないし、運気も向いてきたからモテモテになるに違いないんだーーー!!!」
ガッツポーズを取りながら更に言葉を続ける。
「アウシュビッツから開放されたし、給料は今までとは比べもんにならん。怪我もせず、楽な仕事してモテモテ!!!シロには悪いが暫くはこの自由、堪能させてもらうぜ!!!」
横島の心の中はまさに我が世の春であった。

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