ザ・グレート・展開予測ショー

命の『選択』?6


投稿者名:運値
投稿日時:(02/ 8/10)

翌日、横島は六道女学院を訪れていった。
「ここに来るのも2回目か。流石に放課後だけに人がまばらやなあ」
横島は辺りをキョロキョロしながら応接室に着く。ここに来るまでに数人の女性に声を掛けたが変質者と言われボコボコにされた挙句逃げられ、更衣室を覗こうとしたらとしたら鬼道に見つかってボコボコにされたのは秘密だ。
「ちわーーーっす。横島っす」
「あ〜〜、横島君こんにちは〜〜良く来てくれたわね〜〜」
席に着くと目の前に色々な書類が置かれている。そもそもGSは死と隣り合わせの危険な職業であり色々なことを想定した規定の書類による契約をすることが一般的である。
「こんな書類始めてみました…」
「え〜〜?令子ちゃんの所じゃこういうことしないの〜〜〜〜?おかしいな〜〜〜」
「ま、まあ、あの人は特別っすから…色んな意味で…」
「そうね〜〜〜、じゃあ横島君書類を見て返事をちょうだ〜〜〜い」

横島は書類に目を通す。別段おかしな条項はなく横島にも異存は無い。
「俺の返事はもちろんOKっすよ。漢・横島、冥子さんのためなら例え火の中、水の中
!!!」
叫びながら冥子の手を取って詰め寄る横島。普段ならここで止める存在がいるが今日は全くいないはず、であったが
「でも〜〜火は熱いし、水は冷たいから〜〜、別に行かなくても良いわ〜〜〜」
とまともに返されて横島の煩悩が急速に引いていく。
(はあ〜〜〜、なんか小さい子供の相手してるみたいで疲れる…)
まあ、素直で可愛いから別に良いかと気を取り直して契約書にサインした。
「ありがと〜〜横島君、これからはよろしくねえ〜〜〜」
「まあ、こちらこそ、よろしくお願いします」
何か調子が狂う(女性を前に煩悩が湧かない)横島だったが、とりあえず差し出された手を握り返す。
ここに横島・冥子の新生タッグが誕生した。

契約が終わり学院から出ようとすると、ちょうど帰宅途中のおキヌを見かけた。
「おーーい、おキヌちゃん」
「あら、横島さん?どうしたんですか、こんな所で」
「いや、ちょっと野暮用で…」
おキヌは胡散臭そうに横島を見る。
「な、なぜそんな目で見る!!!」
「いえ…別に…」
「覗きとかナンパに来たんじゃねーから、そんな汚物を見るような目で見んといて…」
一応未遂に終わってるからな、と心の中で自己弁護する。
「ふふ、冗談ですよ」
「おキヌちゃん…冗談きちーよ…」
「ふふふ。あ!!そうだ、横島さん早めに美神さんに謝ってください。土下座すれば許すって美神さんが仰ってましたよ」
「ハァ?なんで俺が謝んなきゃならないの?生憎あんな人に下げる頭は既に持ち合わせて無いよ」
俺も研修費がめられてたし…と心の中で付け加える。

その言葉を聞いておキヌの顔色が真っ青になる。しかし、横島はそれに気づかない。
「ええ!?横島さん!!!今なら事務所に帰って来れるんですよ、それに皆も待ってますし…」
「だから、もう帰る気無いって。だいたい美神さんはセクハラが減って清々するだろうし、タマモは元々俺のこと嫌ってただろ?まあ、シロには散歩ぐらいなら何時でも行ってやるっていっといてくれよ」
「………………」
「まあ、おキヌちゃんに何時でも会えなくなって寂しいかなあとは思うけど、全く会えないわけじゃないし…まあ気が向いたら遊びに来てよ…って、へ?」
横島が気づくと、おキヌの顔色は蒼白になっていた。しかも目からは涙を流している。
「え?おキヌちゃん、体調悪いの?」
「………横島さんの馬鹿ァ!!!!!」
「どべひゃ!!!!!」
おキヌは横島の顔をグーで叩く――あるいは殴るとも言う――とそのまま走って行ってしまった。
「まったく、何だってんだよ…俺なんか悪いこと言ったか???」
横島は殴られた頬を擦りながら、思い出したように行った。
「…ああ、新しい仕事先言うの忘れた…まっいいか、そのうちに言えば」
どこまでも鈍い横島であった。

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