ザ・グレート・展開予測ショー

GS美神if極楽大混戦「エピソード0(その3)」


投稿者名:野見山
投稿日時:(02/ 8/10)

一玉に二つの文字を浮かび上がらせるそれを見た横島は、ためらうことなくただ一つの願いを込めてルシオラに放つ。
(これは!?)
その文珠が見た目だけの違いにとどまらないことを、すぐにルシオラは実感した。
それまで崩壊する以外の変化を全く見せなかった霊体が、じわじわと癒されていくのがはっきりと判る。
しかも、それまでと違いすぐに消えようとせず効果が持続しているのだ。
「霊体(からだ)が、戻ってきてる……。…ヨコシマ、もう大丈夫よ」
半ば信じられないような目で様子を見つめる横島だったが、ルシオラのその言葉でハッと我に返る。
「本当に、今度こそ本当に大丈夫なんだな」
「ええ、もうウソは言わないわ。今なら、あなたにも判るでしょ」
まだ全快には程遠いが、消滅の危機は十分に脱していた。後は自然回復に任せておけばいい。
「良かっ…た…」
横島は顔をくしゃくしゃにしながら、彼女を強く抱き締めた。
「バカ…とうとう最後まで私に構って……」
嬉しさを押し殺しながら、暗に今もっとやるべきことが有るじゃないかと言い正す。
「バカ、かな?」
「バカよ」
「……だったら」
そこで横島はこれ以上はないほど誇らしげな顔をして、言葉を続けた。
「俺、バカで良かった」
「!……ヨコシマ、ばか……」
きゅっ
抱き返すルシオラの腕に力がこもった。
だが、これ以上時間を潰すわけには行かないと、ルシオラは顔を上げる。
「もう美神さんのところに行ってあげないと。…でも霊力使いきっちゃって、どうするつもり?」
「ん、えーーーっと」
困った顔をして頭を掻く横島に、ルシオラはくすりと笑みを浮かべると、そっと彼の頬に手を添えそのまま唇を合わせた。
突然のことに反応が出来ずなすがままの横島。
そしてゆっくりと顔を離したルシオラは、惚ける彼に向い。
「私のために使ったんだから、私が責任を持たないとね」
そう言って悪戯っぽく笑った。
その姿に横島の煩悩メーターがぴくりと反応し、思わず手がわきわきと動く。
さらに彼女は耳元に口を寄せると、
「禁止はお終い、帰ってきたら、続きをしましょ」
そう、艶を含んだ声で囁いた。
(キ、キスの続きってことは、つまり、(P−−)も(P−−)も(P−−)もアリのヤれる処までヤってOK?!)
ぼふっ
一瞬で沸騰し盛大に鼻血を吹き出す横島に、前にもこんなことあったわねと汗と苦笑いを浮かべるルシオラ。
「ぜ、絶対だからな、後でやっぱり無しなんて認めんからな!」
だらだらと溢れる鼻血を押さえながら念を押す姿は間が抜けていたが、かえってそこに変わらない彼らしさを感じてしまうのは、惚れた弱みだろうか。
「今更、そんなこと言う訳ないでしょ。私は…ヨコシマだけなんだから……」
そう返しながら恥ずかしさに紅潮するルシオラに、横島の煩悩が振りきれた。
「なら今ここで手付けを少しーーー!!」
そう言うやルパンダイブでがばとルシオラに抱きつく。
「あ、やん、は、早く行きなさーーーいっ!」
どげしっ!
ルシオラは一瞬流されそうになった自分を何とかとどまらせ、横島を突き飛ばす。
「ま、待ってろよーーールシオラーーーーーーー! 文珠ぅーー」
そのままタワーの向こうに落ちていきながらも、さらに念を押すことを忘れない横島に、ルシオラは苦笑する。
「待ってるわよ、ヨコシマ。だから、ちゃんと帰ってきてね」
彼女の目に、飛び去る横島の背中が、頼もしげに映っていた。


(続く)

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