ザ・グレート・展開予測ショー

真夏の夜の夢


投稿者名:姫桜
投稿日時:(02/ 8/ 8)

それは、真夏の夜の物語・・・・。
深夜2時すぎ。おキヌ、タマモ、シロは自分の部屋で、横島は事務所のソファーでぐっすりと眠っている。そのころ美神は、事務所のデスクで書類の整理をしていた。
シン・・・と静まり返った部屋。横島と2人きり・・・。
美神は、書類に集中しようとしても、どうしても横島の寝顔を見てしまう。そのたびに赤くなってしまう自分に腹を立てながらも、書類の整理を続ける。
「・・ん〜〜〜・・・」
突然、横島の寝息が苦しそうな声に変わる。
「!?横島くん!?」
美神は、あわてて横島の側に駆け寄る。横島は良く眠っているようだが、顔が赤い。汗もかいているようだ。
「・・・もしかして」
美神は、そっと横島の額に手を当てる。美神の手のひらに、横島の体温が伝わってきた。
―――熱い・・・
「熱があるわね・・・」
美神は急いで自分の寝室からタオルケットを持ってくると、横島の体にかけてやった。そして、一緒に持ってきたタオルで、横島の汗を優しく拭う。
「ったくもぉ、世話がやけるんだから。」
そんなことをいいながらも、とても優しい笑みを浮かべ、美神は横島の隣で看病をした。
氷水で冷やしたタオルを横島の額にのせ、汗を拭い、布団をかけなおし・・・何度も何度もそれを繰り返した。
「私がこんな事してあげるなんて、一生に一回だけだからね!」
美神は、横島の頬をツンとつついた。それに反応した横島が寝返りを打つ。まるで赤ん坊のような横島に、美神は胸をキュンと締め付けられるような感情を覚えた。
コツン
美神は、横島の額に自分の額を合わせる。氷水で冷やしたタオルの冷たさと、横島の体温が一緒になり、とても心地よかった。
「・・・・まだ、ちょっと熱があるかな。」
美神は、タオルをもう一度氷水で冷やし、横島の額にのせた。
それは、優しい、優しい、真夏の夜の物語・・・。

翌朝、横島が目を覚ますと、隣には美神の寝顔が・・・。
「!?!?み、美神さん!?」
横島はビックリして飛び起きる。額にのっていたタオルがタオルケットの上に落ちた。
「ん〜〜・・・」
美神は鬱陶しそうに目を開ける。その瞬間、横島と目が合った。
「/////////」
お互いに、目を大きく見開き真っ赤になっている。
「えっと、あの、これは・・・あんたが夜中に熱出してたから・・・その・・・」
美神は真っ赤になりながらも夜中の事を説明した。
「え!?!?!?も、もしかして、あの・・・夜中に俺のおでこにコツンとかって、しちゃったりしました・・・??」
「は!?え!?何でそれを・・・!?」
美神はそう言ってしまった後にしまった!と言うように口元を手で覆った。
「やっぱり!俺、その時微妙に起きてたんすよ!やっぱり美神さんは俺のこと―――ぶっ!!」
案の定、横島の顔面に美神のこぶしがメガヒットした;
「ちょ、調子に乗るんじゃないっ!!!」
「な、なじぇ・・・・」
横島は、つぶれたカエルのように床に突っ伏して、上目使いで美神を見る。
「い、一ヶ月間給料無しだからねっ!!」
「そんなぁ〜〜〜〜〜!!!!」
朝日が差し込む、早朝の事務所に、横島の空しい声が響き渡った。

END

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