ザ・グレート・展開予測ショー

かなわない夢を・・・


投稿者名:G-A-JUN
投稿日時:(02/ 8/ 3)

どうも、お久しぶりです。(はじめましての方が正しい気がする・・・(汗)
時折、斑駒さんのマリアのアンテナの方で姿を現させてもらってるG-A-JUNです。
とりあえず、また投稿して行こうと思いますので、よろしくお願いします。

え…っと、話の方を読んでもらえればわかると思いますが、一応話の場面を簡単に説明します(説明とかは下手ですが・・・(汗)
19巻でポチを倒して最後の方でシロが横島くんを散歩に誘っているところあたりからのつもり(?)です。(……本当に簡単だなぁ・・・(汗)


かなわない夢を・・・

犬飼との戦いをきっかけとして、人狼は極一部の人間とではあるが、対立を緩和させることができた。
中でもシロはこの戦いの間に師と仰いで一番長く接していた人間である横島を完全に信頼していた。 現に今シロは横島を誘い散歩に出掛けていた。
2人が散歩に出掛けてから他の人狼達も目的であったドッグフードを食べ終え、美神達と共に横島とシロの帰りを待っていた。
人狼達は今日の日没に帰ることにしていた。
事務所内は結界があるため人間形態でいられるが、事務所から出てしまうと、狼形態になってしまうからであった。
精霊石という、簡単な方法があるにはあるが、美神がわざわざ人数分も渡すわけもなかった。

その頃、散歩に出掛けた2人はシロの希望により横島のアパートまでの道のりを歩いていた。
「あ!横島先生!ここでござるな!!」
シロは横島の手を引いて歩いていた足を止め横島に話しかけた。
「へ?(ここって何かあったけ?)」
横島はシロ問いかけがよくわからなかった。
「初めて横島先生と会った場所でござるよ!」
「そういえば、そうだったな。」
横島はシロに言われてようやく気がつき、その時のことを思い出していた。
同様にシロも思い出していた。
・・・それぞれ全く違う心境になっているが………
「(あの時はスゲェあせったよなぁ、危うく幼児虐待になるところだった。)」
なるところだったと言うより、法律的にはどうかはわからないが、実際はなったような気もするが・・・
「(拙者の気配にすぐに気づいて、仲間をかばうように横島先生自身がすぐに霊波刀を構え、拙者の隙をついて簡単に拙者を倒してしまい、無礼をしたにも関わらず事情を聞いて貰えただけでなく、そのうえ拙者を弟子にしてくれるなんて………やっぱり横島先生はすごいでござる!!)」
シロは気持ちが高まっていき無我夢中で横島に飛びついた。
「!? お、おい!シロ!」
いきなりシロに飛びつかれ横島は動揺していた。
「拙者、横島先生に会えてすごくうれしいでござる!!」
シロはそういうと、横島の手を引いて再び歩き始めたが途中でまた立ち止まってしまった。
「横島先生・・・」
「ん!?あ!こ、今度はなんだ!?」
横島は必死に冷静さを取り戻そうとしていた最中だった。
「ここからどっちに行けばいいんでござるか?」
「…ひょっとして知らないで歩いてたのか?」
「ク〜ン ここまでしか覚えてないでござる。先生のにおいを探そうとしても先生がすぐ近くにいるからわからないでござる。」
「においってお前は犬か?」
「狼でござる!!」
「とりあえず、教えてやるから、ちゃんと覚えるんだぞ。」
「わかったでござる!」

横島としては、もし何かがあったときのためにはっきりと覚えさせておこうというつもりだったが、これが後に自分を苦しめることになるとは知るはずがなかった。
もっとも、シロのことだから教えようとしなくても、すぐに覚えるだろうが・・・

シロは横島のペースに合わせて寄り添うように歩いた。
横島はシロの少し早いペースから自分のペースで歩けるようになったが、まだシロの甘えには慣れてもおらず、そのうえ、人通りは少ないがすれ違う人が気になってしまい、なんとかシロと話して気分を誤魔化そうとしても何を話せばいいかもわからず結局、すぐに早歩きになってしまった。
やがて横島のアパートに着くとシロはうれしそうに横島の後に続いて部屋に入っていった。

シロは、ほとんど平気な様子だったが横島は、ここに来るまでの距離に対してのペースがでたらめだったため少し休んでから事務所に戻ることにした。
「……で、とりあえず道はちゃんと覚えれたか?」
「だいじょうぶでござるよ!」
(まぁ、俺が気づかなかったことも覚えていたし・・・)
横島は、なんとなく不安な気もしたが本人が覚えたと言っているのだからいいことにしておいた。
「また、ここに来てもいいでござるか?」
「別に構わんが、こんなところに来てどうするつもりだ?」
つい先日まで、目の前にいる自分の弟子(?)が関わった激戦があったため普段以上に散らかっている部屋を少し見回した。
「横島先生に会えるからでござるよ!!」
「会いたいんだったら、別に事務所でもいいだろ?わざわざこんな散らかってる部屋に来ても・・・」
「拙者ここがすごい好きでござる!散らかっているなら拙者も掃除を手伝うでござる!!」
「遠慮しておく・・・」
さすがに色々な意味でまずい気がした。
「拙者は先生の弟子でござるから、別に遠慮はいらないでござるよ」
「さて、少しは休んだし、そろそろ行くか」
「え?いいんでござるか?」
「掃除をしに来たわけじゃないし、それに遅いと美神さんがうるさいだろ。」
「そうでござるな。」
里の仲間も待ってくれてるでござるし・・・と、付け加えて先に玄関の方へ向かった。
「ふぅ・・・たまには自分でも片づけとかないとな」
横島は溜め息をついた。
「先生ー!!どうしたでござるか?」
外からシロの声が聞こえてきた。
「ああ!!今行く!」
そして、横島も部屋を出た。

「先生!早く行こうでござる!!」
「待て、帰りは電車だ!」
………こいつ、やっぱり歩いて戻る気だったのか?まぁわかる気もするが・・・
「でんしゃ、でござるか?」
「まさか知らない・・・わけは、ないよなぁ」
「聞いたことはあるでござるが、長老たちは知ってるでござろうか?」
「まぁ、いいや。とにかく行くぞ」
そして、横島の残りわずかな所持金で2人は電車に乗った。(もう少しで給料日だし・・・)
途中シロが「すごい速いでござるな!まるで走っているみたいでござる!」と、少し気になる発言をしたが、深くは考えないことにした。
日暮れ時にようやく事務所の手前まで来ると全員がこっちを見ていた。
「あれ?どうしたんでござろう?」
「俺達を待ってたんだろ?」
2人がたどり着くと長老が口を開いた。
「ようやく戻ってきたか、では帰るとしよう」
「え!?」
シロはいきなり言われた言葉にただ驚いき戸惑っていた。
横島の方は人狼たちが全員手に袋を持っていて、そこから大量の缶の様なものが見えたため、なんとなく気づいていた。
「・・・拙者、まだ帰りたくないでござる・・・」
「そんなこと言ってもアンタ1人が残れるわけないでしょう。」
美神もシロの反応を予想していたようだった。
「でも、拙者は・・・」
「それに、お前がすぐに里から出ていってしまったため、お前の父の弔いもまだ完全には済んでないのぞ。」
「……父上……」
これまでは、悲しみを敵を討つという怒りで押し込め、敵を討ちを果たした今は新たに知り合えた人間たち(特に横島)の、優しさで悲しみを軽減できていた。
シロは長老の言葉で再び、自分の父は亡くなってしまったのだ。という事実に直面してしまった。
長老も傷に触れるようなことをしたくは無いのだが、悲しみに乗り越えてもらいたい。という気持ちや自分達の故郷を拒絶させたくないためだたった。
シロはだれかに頭に手を置かれて、振り返ると横島の姿があった。
「先生・・・」
「そんなに悲しくなるなよ。別にいつ、ここに来たって構わないだろ?それに、お前の父ちゃんをお前がほっておくわけにはいかないだろ?」
「……本当にまた来てもいいんでござるか?」
シロは泣くのを我慢しながら言った。
「お前の都合が良ければな……それより、みんな待ってるぞ」
「あ・・・先生、最後まで迷惑をかけてしまって申し訳無いでござる……」
シロは横島に一礼をして長老たちの方へ近づくと何かを話しているようだった。
やがて話が済んだのか人狼達が歩き出した。
シロが振りかえり「さよらなでござる〜!!」と言うとまた振りかえり歩き出した。
「じゃあな〜シロ〜」
「元気でね〜」

やがて人狼達が視界から消えて行った。
「見えなくなっちゃいましたね・・・」
おキヌちゃんが少し残念そうに呟いた。
「……ああは 言ったけど、また来れると思いますか?」
なんとなく美神さんに聞いてみた。
「言った本人が何でそんなに自信が無いのよ」
「だってまだ対立が続いてるんじゃないですか」
「……そうでしたね・・・シロちゃんと会えるのかなぁ」
横島とおキヌは気落ちしていた。
「本人次第じゃないの? 少なくとも長老はまたシロをここに来させようと思っているみたいだったけど」
「「え!?」」
2人は美神の口から出た言葉にただただ驚かされているようだった。
「だって私がシロに貸していた精霊石をまた必要になるかもしれないって精霊石代を払ったのよ」
「・・・そういえば、あいつ精霊石をつけたままでしたね」
それにしても長老もよく美神さんを納得させられるだけの金を持っていたよなぁ

その頃、人狼達の方でもシロが精霊石のことに気づいて慌てて美神に返しに行こうと長老に喋ったらその必要は無いと説明を受けていた。
やがて、一回止まった足も再び動き出し帰路を歩き出した。


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