ザ・グレート・展開予測ショー

THE DARK SIDE OF THE MOON〜Act.3.5


投稿者名:Cultivate Flat
投稿日時:(02/ 8/ 3)


  ――――――――――――――――THE DARK SIDE OF THE MOON――――――――――――――

 Act3.5

 雨…………。降りしきる雨………。それを降らせている暗雲は彼の頭の中で複雑に絡み合う思いのようであった……。
 ここはICPO、GS局本部……。その局長室では、局長であるピートが肘をつき、手を重ね合わせ、考え込んでいた。
ピート「…………………」
 新大統領となった玲一と対面したから、二日が経った………。何が彼を悩ませているのだろうか?それを知るためには、我々は少し時間を遡らなければならない……。



 二日前………。ピートはエアカーを飛ばし、大統領官邸へと向かっていた……。


玲一『ブラドー局長かね?初めまして……………とでも言うべきかな?』
ピート「…………」
玲一『おやおや、だんまりかね?まぁいい、用件は電話で話しにくいので、コチラに来てはくれないかね?』


………そして、エアカーは官邸に到着した……。といっても、連邦ビルの最上階フロア全体のことを言うのであるが。それはともかく、ピートは大統領室へ入る……。
玲一「ヤァ、来たね……。まぁ座りたまえ。」
 玲一に勧められて椅子に座るピート。玲一も大統領室の大統領の座るべき椅子に座る………。
玲一「さて、局長。早速用件のことだが………。」
 用件を切り出そうとする玲一。ピートはそれを無言のまま、猜疑にあふれた目で彼を見つめる。玲一は話を続けた………。
玲一「先程の演説は聞いていたと思うが、神・魔に戦争を仕掛けるにしても準備が必要だ。そこで、だ。局長、アナタがGS達を集結させ、また霊能を持つ者を束ねて軍を組織して貰いたいのだが、どうかね?」
ピート「………………!!」
 玲一の発言を聞き、驚きの色を隠せないピート。玲一はさらに話を続けた………。
玲一「長年の経験と実績を考慮しての要請だが、引き受けてはくれないかね?」 
ピート「………………。」
 長い沈黙のあと、ようやく彼は口を開き…………、
ピート「…………………………少し時間をくれないでしょうか?」
玲一「いいだろう………。用件はそれだけだ。良い返事を期待してるよ…………。」
 そう言うと玲一は席を立ち、ピートの肩をポンッと叩いて部屋から出ていった………。ピートは動けず、冷や汗を流していた……。

 その後………。C.R.C最上階の自宅に戻ってきたピートは、ダイニング・ルームにいた二人に自分に下った要請について、相談を持ちかけた………。
カオス「フム………。で、オヌシはどうしたいのじゃ?」
ピート「……………僕はこんな事したくありません ……………しかし………、」
 煮え切らないピートに対して、タマモが苛立ちながら言った。
タマモ「やりたくないのなら、やらなければいいじゃない!!小龍姫のこともあるんだから、断ればいい話じゃないの!?」
ピート「問題は其処なんです………。小龍姫様の命令も大事ですが、あの玲一という男、異様なモノを感じました……。そう、なにか強大な力のような…………。……今の僕の力では恐らく勝てないでしょう……。逆らえば、命は無い、そういう威圧感を対談の間、ずっと感じていました。それに、僕だって、ヴァンパイア・ハーフとはいい、人間です。なんの理由もないまま、消される人々を黙ってみて過ごすのは忍びません。それに上からの命令は絶対です。………しかし………!!」
 彼はその実直さ故に断り切れそうにもない自分に、そして板挟みにあっている自分が疎ましく思えた。再び長い沈黙が続く………。
カオス「まぁ、これはオヌシ自身の問題じゃ。よく考えて、どちらが良いのかじっくり決める事じゃ………。」
ピート「…………。」



…………雨が降り続いている。ピートは局長室のカラス壁から、どんよりと曇った黒い雲を見つめる。
ピート「……………………………………………………クソッ!!………クソッ…………………………………………………。」
 カラス壁を叩き、うなだれるピート……。そして、雨は止むこともなく、首都に降り続けていった………。


 続く………。

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