ザ・グレート・展開予測ショー

GS the 3rd


投稿者名:ペス
投稿日時:(02/ 8/ 2)



ジリリリリリリリリリリリリリ!!!!

深夜、
何処かの大都会の真ん中で、
今日も警報機が鳴り響いていた。

「何処だ!何処行った!!」
「探せ探せ!!」

数十人とも数百人とも言える警官が
必死になってある男を探している。
とある大手の銀行の金庫の中身が、
その男によってごっそり抜き取られたのである。


・・しかしその男はもう現場を大きく離れていた。






「はーーっはっはっは!!
 ちょろい、ちょろすぎるな横島!!」
「おう!ざっと数えていくらあるか分からんなぁ〜!!」
「「は〜っはっはっはっは!!!」」

笑い声が耐えないトラックが一台、
銀行を離れた公道を走っている。

その後ろの荷台にはシートで隠してはあるものの、
数えきれないくらいの夏目さんがびっしり積んである。

「雪之城、次は何処に行こうかね〜〜。」
「しばらくは休業して、バカンスってのもいいがな。」
「それもそうだな。」



トラックの運転席に座っている男の名は横島忠夫。

世界をまたにかける大泥棒で、
今まで盗んだ金額は100億を越えるという。

また女好きのくせに女運にはめっきり縁がなく、
ナンパした人数は5万人を越えるものの振り向いた人物は一人としていない。
オマケにやっかいな女につきまとわれているというなんともトホホな奴である。



一方助手席に座っている男は伊達雪之城。

かつては犯罪組織”メドーサコネクション”で殺し屋として雇われていたが
ある事件がきっかけとなり
今では横島の相棒とも言える存在となっている。
銃の腕はその見事さから”暗黒街の拳銃王”と歌われるまで。
アザラシ皮の帽子がトレードマークだ。


「ん?」
話し込んでいた2人だが、
ある物が目についたらしく車を止めた。
彼らの正面に人が立ちふさがっているためである。
よく見渡すと周り一面警官に囲まれている。


「ははははは!!
 君がここを通る事はお見通しだよ横島君!!」

目の前に立ちふさがる警官隊の最前列に
横島と雪之城は知ってる顔を見つけた。
「ち・・・西条か・・。」
「あいかわらず感がスルドイな〜〜。」

「どうだね横島君この包囲網!!
 今日こそ君を逮捕してくれる!!」

その男・西条は愛銃ガバメントを高らかにかかげ、パーンパーン
と数発、雷鳴を轟かせた。


西条輝彦。
ICPO横島逮捕化に所属し、
横島逮捕に情熱を燃やしている警部だ。
エリートコースを順調に進んでいた彼だが
横島達に度重なる敗北を喫したために
出世コースを外されて警部止まり。
横島を捕まえないと気がすまないらしい。


「は−−−っはっは!!」




「やれやれ、相変わらず甘いな西条は。」
ぽち。
そう呟くと、横島はイスの下にあるボタンを押した。

バシュウウウウウ!!!

トラックの下の部分から炎が起こり、
トラックはその巨体を空高くに持ち上げていく。

「け・・・警部!!トラックにロケットが仕込んであります!!」
「バカな!?横島君!!
 いくらご都合主義万歳アニメのパロディでもそれは無いだろう!?」
「・・・一応この漫画もご都合主義万歳漫画なのですが。」


「はーーーーっはっはっはっは!!さらば西条!!また会おう!!」
「ま・・待ちたまえ横島君!!」


天高くにこだまする笑い声に向かって西条は
愛銃の引き金をひいた・・が、
とても届く距離ではなく、
トラックはみるみるうちに小さくなり、消えて行った。

「お・・・おのれ横島君!!
 今度こそ・・・今度逮捕してやるからな〜〜〜!!!」

笑い声の消えた後には
また一つ屈辱的な敗北歴に刻みを入れた男の叫び声が響いていたという。



一方横島達のアジトでは・・・

「はーははは!見たかあの西条の顔!」
「いつもの事ながらマヌケだったぜ。」
「「はーーーっはっはっは!!」」

先程の二人が勝利の美酒を嗜んでいた。

「やっぱり仕事の後のビールは最高!」
「まったくだ・・・・・ぜ・・?」

先程まで上機嫌で笑っていた雪之城の顔が引きつる。
そのままビール缶を床に落とし、もがきながら自らも倒れ込んだ。

「おい!雪・・・うお・・!?」

そんな雪之城の様子を見て心配した横島もまた
雪之城と同じ状態に陥ってしまった。

「な・・・何がどうなって・・?」
「苦しい・・分からん・・。」

「大丈夫、死にはしないわ。」
もだえ苦しんでいる二人の前に一人の(見た目は)美女が現れる。

「み・・・美神・・・さ・・。」
「まさかアンタ・・。」

「ごめんね、横島君達の苦労の結晶はまた大切に遣わせてもらうから。」

その女は笑顔でそんな事を言う。
”ごめん”なんてこれっぽっちも思ってないだろう。


美神玲子
横島の盗みの師匠。
一応横島の組織に入っているはずなのだが、
いつも彼の盗んだ物のピンハネしていくとんでもない女である。
裏切り行為は日常茶飯事。


「そ・・そんな・・・美神さん・・!?」

「弟子の物は師匠の物なの。許してね横島君っ(はぁと)。」

美神はそう言うと外の現ナマ入りトラックに乗り込むと
何処かへ去って行った。
後に残されたのはしびれ薬で動けない男二人とビール缶(しびれ薬入り)だけ。



「・・・・横島。」
「んー?」
「いいかげんあの女と縁を切れ。」
「そうしたいのはヤマヤマだけど・・
 お前はまだ一人前じゃないとかで独立させてくんねーの・・。」
「一生独立させる気ねーんじゃねえのか?」
「たぶん。」
「・・・これじゃ今日も白ご飯+岩海苔じゃねーか。」
「ああ・・。何億盗んでも生活変わらんな・・。」
「「はぁ〜〜〜。」」





横島忠夫。
世界を股にかける大泥棒。
彼の盗んだ金額は総額100億を越えると言われている。


・・・しかし、彼の手に直接入った金額は
その0.00001%にも満たないという・・・。

哀れ世界一の大泥棒。




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