ザ・グレート・展開予測ショー

続・プリンセス・オブ・ドラゴン(その5)


投稿者名:CSU
投稿日時:(99/ 1/30)


横島の精神内に到着した二人。
だが辺りには何も見あたらない、地平線が見えるほどの広々とした荒野が広がってるだけだ。
「何これ?こんな殺風景な精神内って一体・・・」
「本当にここが横島さんの精神内なんですか?」
「ここが横島さんの精神内なのは間違いないけど・・・ちょっと待ってて、上から見てみるから」
と、鈴奈は羽を広げると上空高く舞い上がった。

200M程上昇すると目を凝らして辺りを見回した。
「え〜と」
見渡せる限り辺りを見回す、すると遠くに一つの扉が見えた。
「あれは・・・」
目を凝らしてよく見てみると『どこでもドア』みたいな扉が荒野の中にポツンとあった。

「おキヌちゃん、あっちに何かあるわ」
上空から降りてきた鈴奈がおキヌに扉がある事を知らせた。

カツン・カツン・カツン・・

二人は目的の場所まで歩いていった、距離にして約二キロといった所だろうか。

扉の前に立つとおキヌは扉を開けた。
パアアッっと眩しい光がおキヌの目に飛び込んできた。
「きゃ!」
いきなり明るくなった事に目が慣れてないせいか、おキヌは思わず目を覆った。
そして、手をどけて辺りを見回す。

あたりに広がる光景はデジャブーランドそのもの、何故こんな世界が創り出されているのかはよく分からない、
しかしよく見ると、ほんの細かい部分が現実のデジャブーランドと異なってる、
横島の作り出したイメージなのか、はたまた他の誰かの作り出したイメージなのか、どっちとも取れるような雰囲気だ。

「何なんですかこれ、ここも横島さんの精神内なんですか?」
「う〜ん、この雰囲気は・・・ちょっと違うわね、精神内にしてはイメージがはっきりし過ぎてるわ」
「と言うことは、ここ何処なんですか?さっきの所は間違いなく横島さんの精神内なんでしょ?」
「分からないけど・・・じゃあもう一度上から見てみるわ」

もう一度上空高く舞い上がる、今度はさっきよりもっと高く。

ガツン!

突然何かに頭を思いっきりぶつけた、天井がある訳ではないのだが見えない壁が上にあった。
「いったーー!なに〜?」
見えない天井に触れようとする、よく見ると黒みを帯びた壁がある。
全神経を集中して天井の先に有る物を見ようとした、すると。
「あれは・・・おキヌちゃん?」
壁の向こう側には寝ているおキヌの姿が見えた。


「分かったわおキヌちゃん、ここは横島さんの精神内じゃなくて指輪の中に作られた仮想空間よ」
「え?何ですかそれ」
「さっき上の方見たら壁越しにおキヌちゃんが見えたわ、つまり・・・」

おキヌに説明する鈴奈、
「そして多分この仮想空間のエネルギー源は横島さんの霊力ね、だから横島さん、霊波をうまく放出出来なかったんだと思うわ」
「そう言う事なんですか、ようやく謎が解けました」

と、その時。
おキヌはふと自分の後ろに妙な感じを受け後ろを振り向いた。
「え?」
そこには先ほど横島の精神内から通って来た扉があった、
・・・いや、『あった』と言うのは過去の話、今現在その扉は消えかかっていた。
「ちょっとこれ見て下さい!」
「え、何?」
スーーっと目の前にある扉が半透明になり消えそうになった。
「あ、消えちゃう・・・」
そして扉は消えた。

「ちょっと待って・・・なんか変よ」
鈴奈は扉が消える前までと雰囲気が違うことに気づいていた。
しばらく辺りを探ってる、
上空に行き辺りを見渡し何が起きたのか見ようとしている。

鈴奈が上空から降りてきた。

「どうやら私たちこの中に閉じこめられちゃったみたいね、普通の方法じゃここに入り込む事も出ることも出来ないわね」
「と、言うことはどういう意味なんですか?」
「美神さんが助けに来てくれることはまず100%無いって事、実は結構期待してたりしたんだけど・・・私たちだけじゃちょっと難しいかもしれないわね」
「そうですね、行き当たりばったり的に来ちゃった感じがしますしね・・・」
『しーん・・・』と辺りに暗い雰囲気が漂った。

沈黙を破ったのは鈴奈だった。
「とにかく!、ここから出るにはこの世界を形成してる人物を倒すしか無いわね、たぶん横島さんの深層意識にいるはずよ、ここは横島さんの精神と直結してるみたいだから深層意識に通じる道が有るはず」

そうして仮想空間の中を探索する。


☆☆      ☆      ☆☆      ☆      ☆☆          

しばらく遊園地の中を探していると、お化け屋敷の様な館が目の前に見えた(展開早すぎ・・・)
その時、場の雰囲気が変わった、
あたりにいるマッキーキャットやマニーキャットなどが一斉に入り口の前に立ちはだかった、
同時に近くにあるアトラクションの乗り物などが意志を持ったかの如く動き始めた。
「な、何これ?」
「どうやらここが横島さんの深層意識に通じる場所だわ、こいつらはその邪魔をするべく動き出してるのね」
「どうするんですか?これだけの人数そんなに簡単には突破できませんよ」
「大丈夫、こんな連中見かけ倒しよ、私が倒すからおキヌちゃんはサポートお願いね」

丁度その頃・・・

*****************************************

ほんの数分前に、横島が目の前から消えた事にまだ疑問を感じていた小竜姫。
「横島さん何処行っちゃったのかな・・・」
ちょっとだけいい雰囲気になりかけてたせいもあってか、その表情はちと残念そうだ。
その時、
あたりの乗り物が一斉に動き出し、特定の場所に向かってる。
何かと思い、自分の乗ってる観覧車からあたりを見回すとある場所で土煙が巻き起こってる事に気づいた、そしてこの場所から良く知ってる霊波を感じた。
「この霊波は・・・おキヌちゃん?」
観覧車に乗っていた小竜姫がおキヌ達の気配に気づいた。

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立ちはだかる雑魚共を次々と倒していく、
おキヌちゃんがネクロマンサーの笛で動きを鈍らせ、鈴奈が風の精霊術で片っ端から切り裂いていく、
しかし、いかんせん数が多い、倒しても倒しても新しい雑魚共が出現する。
「か、数が多すぎる、これじゃきりがないわね、もっと強力な攻撃で一気に吹っ飛ばさないと」
この二人ではそんな大技は出来ない、と、その時。

「!」
上空に何者かの気配を感じた。
「おキヌちゃんちょっと待って、誰か来る!」
「え!?誰です?」
「よく分からないけど、この霊波はどこかで知ってるような・・・」

それから数秒後。
上空から小竜姫が現れた。
「しょ、小竜姫さま、なんでこんな所に?」
「一体なにが起こってるんです?私にはさっぱり」
・・・かくかくじかじか、とりあえず分かってることだけ小竜姫に話すおキヌ。
「そんな事が起きてるんですか、分かりました、ここは私が食い止めておくからあなた達は先に行って!」
「一人で大丈夫なんですか?」
鈴奈が問いかける、実に愚問だ。

「ちょっと鈴奈さん、仮にも龍神である小竜姫さまにそんな心配する必要なんかないですよ」
「あ、そうなの?ごめんなさい私まだよく知らなくて」
「別にそんなことはどうでもいいですけど、時間が無いんでしょ?早く行って下さい!」

「じゃ、ここはお願いします」
「気を付けてね二人とも、私もすぐに行きますから」

小竜姫が雑魚共に向かっていき、その隙に二人は横島の深層意識へと通じる入り口へと入っていった・・・。

カンカンカンカン・・
横島の深層意識に通じる道を進んでく二人。
その途中、鈴奈はさっきから一つの疑問を抱いていた。
「でも、さっきの小竜姫さま以前会ったときとは霊波の質が微妙に違ってた様な気が・・・」
「え?何か言いましたか鈴奈さん」
「いえ、何でもないわ、先を急ぎましょう!」
さらに奥へと進んでいく二人。

しばらくして二人は、横島の深層意識の底に辿り着いた。
非常に静かな雰囲気だ。

「誰もいませんね」
「そんなはず無いわ、絶対にいるはずよ」
辺りには誰もいない、どこかに隠れているのだろうか。
「ちょっと待っててね、今探って見るから」
そう言うと鈴奈は頭から触覚を出し、神経を集中し気配を探った。

一分位の時間が経過した。

「そこっ!」
深層意識のある場所に向かって鈴奈が風の刃を投げつけた。

キンッ!

放った風の刃は何かに弾かれて消えた。

『ちっ!後少しだったのに』
深層意識の底に何者かの声が響きわたった。
「誰?姿を見せなさい!」
『ふん、言われなくても見せてあげるさ』
あたりに気が満ちた、そして深層意識の底のある一点に霊波が収束され始めた。
徐々に形を成していくその姿は・・・。

「え!?そ、そんな・・・」
その姿を見ておキヌは驚いていた。
「どしたのおキヌちゃん、あの人誰だか知ってるの?」
鈴奈が問いかけるがおキヌは未だ驚いていた。
「おキヌちゃんってば!」
ハッとして鈴奈の問いに返答するおキヌ。
「だって・・・あれは・・・?」


さらに続く、、、



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