ザ・グレート・展開予測ショー

続・プリンセス・オブ・ドラゴン(その4)


投稿者名:CSU
投稿日時:(99/ 1/25)


その4です、ちなみに今回から三度目となる私の考えたオリジナルキャラ妖精鈴奈が登場します。
いや、まあ、しつこいのは十分承知しているのですが、話の展開上どうしても必要になってくるんですよ。
おキヌちゃんのサポート兼マスコットガール&ストーリーの進行役という重要な役目を彼女にはやってもらいます。
『鈴女の数倍の超感覚』『風の精霊術』『赤い糸の能力』これらの能力は応用がきくので書き手としては非常に(特におキヌちゃん絡みの話では)便利なキャラなんですよ。
まあ、『面白ければオッケー』みたいな寛大な心で見てもらえればこれ幸いです(^^;)

ゴンゴンゴン・・・
今二人は観覧車の中にいた。
「横島さん口ではあんな事言ってるけど、夢の中でこれだけはっきりとした形でデジャブーランドが出てきたって事は・・・ひょっとして横島さん、私の事少しは気にかけてくれてるのかな?」
妙な期待を胸に横目でちらりと横島の方を見る、
小竜姫の視線に気づいたのか横島が小竜姫の方を向いた。
瞬間、二人の視線が宙で交わった、、、様な気がした。
その瞬間小竜姫は火が付いた様な表情で視線をそらした。
「どしたんスか?」
「な、何でもないですッ!」

・・・・・しばらく時間が経過した。
窓の縁に右肘出して頬づえついて、ボーっとしながら気分を落ち着けようとしてるようだ、が。
ドクン、ドクン、ドクン。
心臓の鼓動が高鳴ってるのが自分でも良く分かる。
このままだと、自分が自分じゃ無くなってしまうような、そんな気分の小竜姫だった。

『ガタタン!』
いきなり観覧車がその動きを止めた
ボーっとしてた小竜姫は窓の縁に頭をぶつけた。
「痛たた、なんなの?」
思わず窓から外を見る、その時。

「コツン」
小竜姫の左肩口辺りに何か重たい物があるような感覚が走った。
振り向くとそこには小竜姫の肩口に寄りかかる様な横島がいた。
「え?ちょっと、あの・・・・・・横島さん?」
「・・・・・・・・・」
どうしていいか分からず戸惑う小竜姫とは対照的に横島の方は全くの無言である。
「な、何ですか?」
「・・・・・・・・・」
やっぱり無言の横島。
と、その時小竜姫は妙な違和感を覚えた。
ここは夢の中らしいので、生身の肉体というものは存在しないのだがそれを差し引いたとしても、横島の身体に生気が感じられなかった。

そんな中、横島の体が震え始めた。
「ど、どうしたんですか横島さん?」
横島に語り掛ける小竜姫、だが横島の反応はない。

十数秒の時間が経過・・・
自分の目の前で苦しんでる横島を見ている小竜姫は思わず横島を抱き寄せようとした。
だが、それをしようとする直前に横島の精神体は虚空に溶け込む様に消えてしまった、
・・・小竜姫の両腕が空しく空を切る。
「横島・・・さん?」
しばし呆然としている小竜姫。


一方その頃現実世界では。

☆☆      ☆      ☆☆      ☆      ☆☆                

トゥルルルルルルル、トゥルルルルルルル、トゥルルルルルルルル・・・・・・
「横島さん何処行ったのかな、何か起きてなければいいけど・・・」
おキヌちゃんが横島の家に電話を掛けてるがまったく連絡が取れない、実はあれから横島は2日間仕事があるにもかかわらず事務所に出てきてないのだ。
ちなみに今の時刻は夜の八時である。
「どうしたのよおキヌちゃん?」
美神が声を掛けてきた。
「あっ美神さん、横島さんまだ家にいないみたいですよ」
「大丈夫よ、そんなに心配しなくても、あいつの事だからそのうち帰ってくるって」
「でも・・・」
おキヌは横島が心配なようだ。

「ま、それはそれとして今日はもう仕事はないから、私はもう帰るから後よろしくね」
「あ、分かりましたお疲れ様です」
そうして美神は自宅に帰って行き、おキヌちゃんは事務所の後かたずけをし始めた。
さらに時間が経過して夜の10時頃になった時。

「やっぱり心配だわ、今からでもいいから行こう」
意を決して横島のアパートまで行く事を決めたおキヌ、静かに玄関まで出てきた、その時。
「何してんのおキヌちゃん?」
後ろから突然声を掛けられた、声の主は『鈴女の姉・妖精鈴奈』である。
「り、鈴奈さん、あ、いや別に、ちょっとお買い物を・・・」
「お買い物?何言ってるのよ、おキヌちゃんがこんな時間に買い物してるのなんて見た事ないわよ、理由は分かってるんだから」
おキヌちゃんの心を見透かしたのか、自信たっぷりな表情だ。
「やっぱり、分かっちゃいました?」
なぜかこのコには心を見透かされる事が多い。
「こんな時間に女の子が一人で歩いてたら危ないわよ、特におキヌちゃんみたいな可愛いコは」
「あ、いや、でも・・・」
「しょうがないなー、だったら私がおキヌちゃんのボディーガードって事で、ね!、・・・いろんな意味で」
「あ、ありがとうございます、実は私も独りで行くのちょっと心細かったんですよね、・・・色々な意味で」
と、ゆーことで横島のアパートまで行くおキヌ&鈴奈だった。

そして現地まで到着した頃。
「横島さん、おキヌです、開けて下さい」
ドアを叩きながら声を出すおキヌ、だが何の反応も無い。
「やっぱり、居ないのかな・・・」
「あ、おキヌちゃん、こっちの窓が空いてるから」
小窓が空いてたのでそこから鈴奈が入り内側からカギをあけ、おキヌも中に入った。
パチッと部屋の明かりをつけると、そこには普通に寝ている横島がいた。
「なーんだ、横島さんいるんじゃないですか、何で連絡くれなかったんですか?」
起こすのも悪いかなと思いつつ、しゃべりながら横島を起こそうとするおキヌ、だが横島はおキヌ(軽いギャグです)。
その頃鈴奈は神妙な顔つきで横島を見ていた。

「どうしたんですか、鈴奈さん?」
「これって・・・、おキヌちゃん、横島さん何かに取り付かれてるわよ?」
「え!?ホントですか」
改めて横島の顔を見ようとするおキヌ。
と、その時横島が小竜姫から貰った指輪が目に入った、それを見たおキヌは一瞬自分の目を疑った。
以前横島に見せてもらった時は指輪に付いてる宝石はルビーの様な赤い色をしていたのに今はそれが真っ黒に染まっている、それもかなり不気味な色だ。
「ちょ、ちょっと鈴奈さん、これ見てください」
「え?どれが?」
鈴奈が指輪を見た。
「これは・・・よく分からないけど、多分この指輪のせいで横島さん起きないみたいね。目を覚まさない所を見ると何者かが横島さんの精神に寄生してんじゃないかしら」
「精神に寄生と言うと・・・例えばナイトメアみたいな悪魔なんですか?」
「さあ、そこまでは分からないけど・・・」
「だったら早く美神さんに知らせないと!」
そう言って美神に知らせようと部屋を出ようとするおキヌ、

「ちょっと待っておキヌちゃん!」
鈴奈がおキヌを引き留め、改めて横島を見た。
「この様子だとかなり状況は切迫してるわね、そんなことしてる暇はないわ、今すぐ行かないと」
「でも行くって言ったってどうやって?私たちだけじゃ精神内に入り込むことなんて出来ないですよ」

『チッチッチッ』っと鈴奈が指を左右に振っている、まるで『私に秘策が有るわ』とでも言いたげな表情だ、自分で創っておきながらこんな性格も作者は気に入ってたりするのだ。
「大丈夫、これを使えば横島さんの精神内に入り込む事が出来るわ」
そう言って右手の人差し指を見せた、その指先からはわずかな輝きを有した赤い糸が渦巻き状に出てきた。
「これは・・・赤い糸ですか?」
「そ、これが私の能力、これを使えば互いの霊波をある程度同調させる事ができるわ、精神内に入ると言っても、要は霊波を同調させたまま眠りにつけばいいんだから」
「そんな使い方もあったんですか?」
「うん、まあそうだね、本当の使い方は結んだ相手同士の行動パターンをシンクロさせるんだけど、霊波を同調させたり伝線させることだって一応可能よ」
しばらく細かい説明が続いた後、いよいよ横島の精神内に入る時間がやってきた。

「じゃ行くわよ、準備はいい?」
「はい!」
そう言うと鈴奈の指先から発せられた赤い糸がまるで別の生き物の様に動きだしおキヌの小指に絡みついた。
そしてもう一方の糸先が横島の小指に絡みついた、ちなみに鈴奈はおキヌの肩に座っていた、まるでおキヌちゃんのマスコットガールみたいだ。
「あとはこのまま寝るだけね、赤い糸の効果は5日間しか続かないから、こっちで5日たったら強制的に戻されちゃうから気を付けてね」
最後の説明を終えると二人は眠りについた、ちなみに何故こんな事を言ったのかというと、精神世界では時間感覚が現実世界と著しく異なるからだ。(『夢の中へ』参照)


続く、、、



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