ザ・グレート・展開予測ショー

続・プリンセス・オブ・ドラゴン(その3)


投稿者名:CSU
投稿日時:(99/ 1/25)

前回の(その2)からもう7ヶ月、今更な気もしますが続きです。
自分が納得するまで徹底的に設定を練り上げていったらこんなに遅れてしまいました(^^;)
まあ、時間をかけた分それなりに見れる話になるんじゃないかと・・・ちょっとだけ思ってたりします。
本編の展開から考えると時期尚早の様な気がしますが、あんまり遅くなると見捨てられそうな気がするので(もう見捨てられてるかも?)。
ともあれ、続きを書かせて頂きます。


妙神山に戻った小竜姫、老師に竜神王からの頼み事を実行してきたことを報告した後、自分の部屋に戻っていた。
昨日の宴会で馴れない事をしたせいか気分は最悪、ベッドに横たわって眠そうな表情でうつらうつらしていた。

ふと自分の右隣のテーブルを見た。
そこには竜神王からもらった小箱が有った、まだ中身は見てない。
別に何かを期待してる訳ではないのだが、気になるので箱を開けてみた。

キラッっと光る赤い宝石を携えた指輪、箱の中にはそれがあった
何処かで聞いたことがある、代々竜王家は結婚する際ある魔力を秘めた結婚指輪をする事を、
互いの気持ちが離れてないかどうか確かめる為らしいが詳しいことは彼女も知らない。

試しに指にはめてみた。
「?」
一瞬身体の力が『すぅ・・・』っと抜けたような気がした。
「な、何今の変な感じは」
疑問に思うが、多分疲れているんだろうと思い対して気にしなかった。

そして、指輪を抜こうとするが、お約束的に抜けない。
「?」
叉も疑問に思うが、眠いので『どうでもいいや』と思いそのまま小竜姫は深い眠りの淵へと落ちていった。
だが小竜姫は気づいてなかった、レーザー光線の様な細い光が指輪から出ていた事を。
といってもこの光は、よほど感覚が鋭くない限り見えないだろう。

一方その頃・・・
☆☆      ☆      ☆☆      ☆      ☆☆                
「文珠・出ろっ!」
光が集まり珠の形を形成していく、が。

プシュー

珠の形を成す直前に文珠は風化するかの如く崩れていった。
「やっぱり無理ですか横島さん、何でいきなり霊力の集中が出来なくなっちゃたんですか」

事務所では今日は美神は出張中、帰ってくるのは明日の予定、そんな中横島とおキヌの二人は修行に励んでいた、
・・・いや、傍目にはそう見えるのだが、現実は違っていた。
昨日から横島は霊力を集中させることが出来なくなっている、
お札くらいなら使えるのだが、文珠などの高等技が使えなくなっているのだ

「お、おかしいなもう一度・・・」
今度は他の技を試してみる、が。
霊波刀もサイキック・ソーサーも形を成す前に崩れてしまう、
明らかに霊波を外に放出する事が出来なくなっている。
それでも無理にやろうとした

バチッ!

横島の手から激しい火花が散り同時に火がついた。
「だーー!」
「大丈夫ですか横島さん」
火を消し、横島の手を取ってヒーリングをするおキヌ。
ふと、指にはめてる指輪に気づいた。

「ところで横島さん、その指にはめてる指輪は何ですか?」
「ああこれ?この前小竜姫さまからもらったんだけど、何かはめたら外れないんだよね」

少し考え込んだ後。
「ひょっとして、それが原因じゃないんですか?」
おキヌは言い終わってすぐその問いが的を射てない事に気づいた。
「でも、まさか小竜姫さまに限ってそんな事する筈ないですよね、大体そんな事して何の意味が・・・」
―――でも、あの時小竜姫さまは・・・・。

「まあその内元に戻ると思うよ、最近はあんまり文珠や霊波刀の出番も無いから大したことないかもね、・・・ってどしたの?おキヌちゃん」
少し上の空状態だったおキヌは横島の声で意識を現実に戻された。
「あ、ごめんなさい、何でしたっけ?」

のどかな一日であった。


その夜。
カツン・カツン・カツン・・・
小竜姫は暗い闇の中を歩いていた、早い話が自分の夢の中に居る様だ。
「何かしらここ・・・」
出口の見えないトンネルの様な場所をただ歩いていた。

――その時。
前方に光が見えた。
「何?」
光のする方に歩いていき闇と光の境目を通り過ぎた、その時。

ドーーン
パアアッ
パリパリパリッ

目の前に大きな花火が舞ってるのが見えた、何かのショーらしいが、ここは何処かで見たことが有る。

「ここは・・・デジャブーランド?」
いまいち状況が掴めない、現在自分は眠っていてこれが現実世界でないこと位百も承知だ、
自分の夢の中にしては雰囲気が違う、それに夢の中とは思えないほど現実的、むしろ老師の創り出す仮想空間と雰囲気が似ていた。
「ひょっとして・・・老師の作った仮想空間なのかな?」
正解率のもっとも高い答えを導き出したつもりだったが、その答えはまったく的を射ていない、
何故なら老師がデジャブーランドを知ってるとは到底思えないからだ。

さらに中に進んでいく。
ふと小竜姫は足を止めた、心臓の鼓動が少し高鳴った。
「この場所は・・・」
ここは以前天龍童子が迷子になった時見つけた場所、そして同時に・・・
あの時の彼女にしてみれば、あれで精一杯の意志表示だったのだが、横島本人には伝わってない。
その事を、小竜姫自身は気づいているのだろうか?
いや、多分伝わってない事は承知している、それ位の心理は読めるはず。


ふいに何者かの視線に気づいて身構えた。
―――誰かしら?でもそれ以前にここ何処なの?
疑問だらけの状況、自分が何故ここにいるのかどうかも分からない。

「やっぱり小竜姫さまッスか、こんな所で何してるんですか?」
物陰から現れたのは横島だった。

「横島さん、なんでこんな所に?」
「なんでって・・・ここは俺の夢の中ッスよ、気づいてないんスか」
「え・・・?横島さんの、夢の・・中?」
いまいち疑問が抜けきらないが、本人がそう言ってるんだから多分そうなんだろうと思った。
だがまだ納得がいかないのでいくつか質問してみた。

「じゃあこの現実的な雰囲気は何なんです?夢の中でここまで複雑な所まで再現される事って滅多にないですよ」
「さあ・・・俺に言われても、最近デジャブーランドで印象に残ってることと言えば・・・」
ビクッと小竜姫が横島の言葉に反応した。
少し息を潜めて次の言葉を待っている。
「何か有りましたっけ?」

思わずコケそうになるところを踏みとどまった小竜姫。
「よ、横島さん・・・忘れたんですか?」
「あ、そうでしたねしっかしあの時はどうしたんスか?」
「私がどういうつもりで言ったのか分かってるんですか」
「ちょっと驚きましたけど、妙神山ってそんなに暇なんスか?」
「だから・・・その・・・」
非常に歯がゆい思いをしてる小竜姫、鈍いのもここまで来ると天才的だ。


「あ、すいません、じゃあ私そろそろ戻ります・・」
何とも言い難い雰囲気に耐えられなくなりそれだけ言うと、小竜姫は妙神山の自分に意識を戻そうとした、
だが、意識を戻せない、仮にも神族の中でも有数の戦士である小竜姫、彼女がその程度の事が出来ないはずがない。
明らかに何かの力により元に戻る事が封印されている。
「あ、あれ?」
「どしたんスか、戻るんじゃないんですか?」
「分かりませんけど・・・横島さん何かしましたか?例えば自分の精神に鍵を掛けてるとか」
「俺にそんな細かいこと出来る訳ないじゃないですか、ところでここって本当に俺の精神内なんですよね?」
「横島さんが分からないのに私が分かる訳ないじゃないですか、自分の事は自分が一番良く分かってる筈でしょ」

―――自分の事は自分が
―――自分の事は自分が
―――自分の事は自分が
「な、何?」
突然頭の中にさっきの言葉が連続的に響いた。
上の方から声が聞こえるような妙な感じを受け、思わず空を見上げた。
だが何も見あたらない、気のせいにしては妙な感じだった。

「小竜姫さま」
横島が声を掛けてきた。
「帰れないならしばらくここで遊んで行きませんか?俺の精神内で殺風景ですけど」
「え?それってもしかして・・・」




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