ザ・グレート・展開予測ショー

交差そのじゅう


投稿者名:hazuki
投稿日時:(02/ 7/19)

車の床にはいつくばっている藤吉郎を尻目に車はぐんぐん速度を上げて走り時速130キロ突破していたりする。
―というか130キロ以上で逆そうするワゴン車。
しかもぐらぐらとなにやら衝撃をうけたようにぐらつくのだ。
迷惑以外のなにものでもない。
先程からきいいいっとブレーキの音やら、タイヤがこすれる音罵声などがこの車に投げかけられている。
さながらこの車線―を表現するならば地獄絵図とでもいえばいいのだろうか?
だがハンドルを握っている―ある意味元凶(どんな時でも元凶だろうか?)の美神がいくぶん不服そうに―
「まったく…ひとが―迷惑かかんないように殊勝に行動してるっていうのに」
と唇を尖らせて言う。
「迷惑かけるの間違いじゃないんですか?」
この横島のつっこみは―仕方のないものだろう。
「―なぁに?横島君」
「…………イエナンデモアリマセン」
―があんっ
と、そんな漫才(?)をしている間にも車は揺れる。
ちっと美神は舌打ちをし―
「このままじゃ結界が持たないし―切れた瞬間おじゃんだわ」
とたいしたことのなさそーな口調でえらいことを言う。
「見たところ―衝撃の、くる方向はわかってますけど」
うーんと首をひねりおきぬ。
「でもそれはフェイントかもしれないし―」
その言葉を引き継ぐようにタマモ。
「倒せばなんでもいいでござるっ!!」
と更にシロ。
何か言おうとしているが何もいえてない藤吉郎。
「そおね―」
シロの言葉を受けて唇を上げ美神が笑う。
「じゃ。こっちからもしかけましょか?」
それはもう美しいといえるものなのだが、ある一定の(特に美神を知るひと)人々にあとってはお目にかかりたくない―笑顔である。
その笑顔のまま美神は言う。
「シロは車の上で衝撃を霊破刀でいなしといといて―タマモはそのフォローおきぬちゃんはその辺の浮幽霊を操って―探って―こーゆう卑怯な卑怯なことするヤツは大抵どっか近くで高みの見物きめこんでるんだから」
「はいっでござるっ」
ぐっと拳を握り締めシロ
「おっけー」
ひらひらと手を振りタマモ。
「―わかりました」
こくんと頷きおきぬ
そして、なんの役にもたたない―やろー二人組み。
「俺は?」
そして名前を言われなかった男は情けなさそうに自分を指差し言う。
「横島くんはそこの木下くんの安全の確保と、結界の強化―なるべく早く!」
くるくると迫り来る車を避けながら美神
―と、その言葉と同時にがらっとくるまのドアが開き―管楽器特有のだが、まったく違うといえる音が流れた。
大の大人でも、気を抜くと吹き飛ばされそうな強風の中、シロとタマモはまるで何もかんじていないかのような軽い身のこなしで車の上へと踊りでる。
おきぬは―外をただよっている霊を従わせ―飛ばす。
横島は―手のひらに霊力を傾ける。
藤吉郎は―ぐぐっと床に手をつき―顔を上げる
その瞳は真っ直ぐな光を宿している
そして立ち上がり―
「おいっ!!!」
横島の制止を無視し―
シロたちに続いて上へと踊り出た。
つづく

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