ザ・グレート・展開予測ショー

私が書きました。ライアーライアー!!(ver.E・終)


投稿者名:マサ
投稿日時:(02/ 7/19)

美神に視線が集まる。
「前に茂流田の屋敷で横島クンと落とし穴に落ちた事があったわよね?」
「!?…はい」
(あ…そ、それは…)

「「「「へえぇぇ〜〜〜〜」」」」
机に乗った少女
おさげの少女
尻尾の生えた少女
角の生えた女性
の顔が引きつり、青筋が浮かぶ。

「それでさ〜、その事聞くといつも話し逸らして逃げるわね?」
「はい」
(ああああ、あうあう…!)

「「「「そうなの〜〜〜〜」」」」
四人の顔には既に笑顔は無い。

「ぜひ聞きたいわね〜」
悪魔のような冷笑を浮かべて美神。
「ちょ、ちょっと美神さん!?わざわざそんな事ここで聞かなくても…」
「あんたは黙ってなさい!!もしあんたが変な気を起こしたんだったらヤキいれてやるんだからね!」
もはや、この勢いに勝てるものがいるわけも無く、全員がただその状況を見届けることになるのであった。

「さあて……」
「いやああああ―――っ!!」
おキヌは耳を抑え、何か無いかと周囲を見回す。
すると、すぐ傍にあったボトルが目に止まった。
(あれを飲めば眠って起きないかも)

ぐびっ
グラス一杯ほどだろうか。
おキヌはボトルから直に中身を飲む。
「ああっしまった〜!!」
美神である。
このとき、誰もが彼女が酔って倒れる事を予想していたのだが、どうやら様子がおかしい。
「ううっ…ひっく…」

ピュリリリリリリリリリ………
急に殺気だったオーラを放ち始めたかと思うと、続いてネクロマンサーの笛を吹く。
当分の間この笛は酒臭くて使えないだろう。

「ちょっと、どうしたってのよ!?」
「令子、今そのコが飲んだのってアルコール度数5%なワケ!!」
集まってきた悪霊の大群を神通棍でしばく美神に向かって、破魔札を構え乍らエミが言う。
「なんでこんな大酒飲みの居る所にそんなもんがあんのよ!!おかげでおキヌちゃんが悪酔いしてるじゃないの!!」
「タイガーに買いに行かせたら間違って混ざってきたワケ!まったく、本当の能無しなワケ」
「タ〜イ〜ガ〜〜〜〜〜!!この〔ピ――――ッ〕!!後で〔ガァ――――ッ〕だからねっ!!!!」
「それは面白そうね…砂糖控えめのジンフィーズを片手に美神」
「ワッシは違うんジャー!!店の店長が……」
美神のあまりに残虐非道な台詞に対して必死に説明するタイガーであったが、このようなことが美神に通用するわけも無い。
美神のしばきにタイガーの命が耐える事を祈るとしよう。

「よーこひーまさんっ!」
一方、横島を安全なところまで無理やり引っ張ってきてその腕にしがみ付くおキヌ。
「あ…あのさっ、こんな事したら美神さんが……」
「い〜じゃないれすか〜」
「うっ…」
鋭い目をしながら膨れてみせるおキヌに横島は何故か反論できなかった。
文珠の効果に加え、酔っている彼女はある意味横島の太刀打ち出来る相手ではないらしい。
「とにかく、水かなんか飲んで落ち着かないと…」
横島はコーラの缶をおキヌに手渡す。
実の所、コーラは元々酔い覚ましの薬だったりするのだ。
おキヌは渡された缶を見つつ、ゆっくり飲む。



ドオオオォォッ
轟音とともに悪霊の大群は霧散した。
「神族を甘く見ないで下さいよ!」
額にくっきりと青筋を浮かべ、小竜姫。
「さーて、これからどうするワケ?」
「気を取り直して宴会の続きやりましょう。そこの二人を取り囲んで」 ジロッ
美神が指差した人物は勿論横島とおキヌである。
「え?…ちょ、ちょっと美神さ〜〜〜ん!!」
「なんか文句あんの?」ゴゴゴゴゴゴ…
「ひええぇぇぇ〜〜っ!?な、無いです〜!」
美神の恐ろしいオーラに横島は何も言えないのであった。










「で、どうなんだい?」
宴会が再開してから3時間ほど経ち、おキヌの酔いも覚めてきたところで西条がこそっと耳打ちする。
「え?何がですか?」
「横島クンとだよ」
「べ、別にどうってことは……」
「好きなんだろ?」
「(かあぁぁっ)…はい」
まだ文珠の効果は消えてないらしい。
「うんうん。それなら、令子ちゃんは僕が貰っても良い訳だ。横島クンだって、君の事はまんざらでもないようだしね」
「(ボッ)そ、そうなんですか?!で、でも…。……えーと、美神さんは西条さんよりも横島さんのほうが……」
「(ぐさっ)…ふっ、僕はそれくらいじゃ諦めないよ」
「知ってます」
「…………」
西条がこの機会を利用しているはずが、返り討ちを食らっているのは気のせいだろうか。

「横島さん、どーです?一杯」
「俺、一応は未成年なんですけど……」
「しかし、先生は普通にお酒飲めるでござる」
「これも青春よ!ぐいっと行くのよ!ぐいっと!!」
「いや、そーゆー問題じゃなくて……。ねえ、小鳩ちゃん?」
「え?…え〜と…」
「ええやないか〜?別に飲んだからゆーてココなら捕まらんですむやさかい」
「ちょっと、貧ちゃん!?」
台詞で笑いながらも、表情の強張った女性軍(一部除く)に囲まれ、身動きの取れない横島であった。
どう転んでも哀れな横島の運命ってある意味凄いかもしれない。

「ほんと〜に、悪気も泣くぺらぺら喋るおキヌちゃんなんて冥子とキャラがかぶってきてタチが悪いわ!!」
砂糖控えめのジンフィーズを片手に美神。
「令子ちゃんひど〜〜〜〜〜〜い!私は〜〜〜〜、私なのよ〜〜〜〜〜〜〜!」
こちらは冥子。

「タイガー?お楽しみは何時がいいワケ?」
「人間、失敗は付き物ナンジャー!許して欲しいんジャー、エミサ〜ン!!」
エミの冷ややかな視線に怯えるタイガーであった。
タイガー、人生辛い時だってあるさっ。












それから、六道家の庭の桜が遅咲きになったのは余談である。
多分、それでもこのメンバーなら来るだろうが。


―――終わり―――

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