ザ・グレート・展開予測ショー

続・高校生日記!!1


投稿者名:sai
投稿日時:(02/ 6/ 5)

 獣も足を踏み入れぬ霊峰の高み。
ひときわ高くそびえる山頂にある神閣の一室で、真摯な表情で文書を眺める二人の人影。

一人は、細く長い角を持つ見目麗しき女性。

もう一人は、サ・・・・・・・・・・・もとい、老翁。




不意に、女性が顔をあげる。
「やはり、そのようにすべきか、と」

「うむ・・・・・・」
老翁は書類に視線を落としたまま喉の奥で答える。


「・・・・・・・・つきましてはどこから研修を始めさせるか、ですが」
「む・・・・・一般社会で良いと考えておったが・・・・・・」


「この報告書を読みます限り、もう少し下からとせねばなりますまい」

老翁が目を細め、小さくため息をつく。
「ふむ・・・・・・・そうかもしれんの・・・・・・・・」





二人は、報告書に再び目を落とす。

『(中略)甲は近年積極的に人界へ接触を図っていることも有り、人界の習慣・
思考についての理解は飛躍的に向上しており、順応しつつある事が認められる。
またオカルトGメン・美神美智恵はじめ人界の有力霊能力者達との関係は良好であり、
有力魔族とも面識があり今後人・魔界との交渉において重要な窓口になると思われる。
(中略)
しかしながら甲は未だに横書き文字を右から読んでしまう、
自動改札の通り方が分からない、エアコンのつけ方が分からない等
人界一般常識に不安な点があり、(中略)
またプライベートな場での対人折衝に不慣れな様子が多く見られ、高校生とすら
充分なコミュニケーションを取れない様が散見する。

観察の結果、観察者は標記の件の実施は今後の神魔人デタントの為望ましいと考える


                             以上』

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翌日。


「あ、これ小竜姫。こちらへ来なさい」
「はい、何でしょうか?」
大竜姫が小竜姫を呼び止め、部屋へ招き入れる。
小竜姫が部屋の障子を閉めると、大竜姫はおもむろに書類を取り出した。

「実は、人界への出張の業務命令での」
「え・・はいっ!」
本人は知ってか知らずか、自然と笑みがこぼれる。めったに人も訪れない妙神山の
管理人に退屈していたのかも知れない。

「ちと長期なのじゃが」
「はい!どのような業務でしょう?」
「む・・・・・それなのだが、まず行き先はここじゃ。受け入れ先にも話は既についておる」
片腕で頬杖をついたまま大竜姫が書類を渡す。

『暫定滞在先:美神除霊事務所』
書類にはそう記されている。
「美神さんのところですか・・・で、何をすればよいのでしょう?」

「ん―・・・・。要は、じゃな」
大竜姫の細い眉根が少し寄る。

「はい?」










「しばらく人間の高校生として暮らして参れ」


「・・・・・・・・はい?」
小竜姫の眼が点になる。
大竜姫の言っている意味が良く分からない。








「人間の思考・習慣を学ぶ為、まず高校生に身をやつし人界で暮らせと言うのじゃ。
なに、管理人の仕事の骨休めと思えばよい」
にっこり♪
微笑み手をひらひらさせる大竜姫。
この笑顔が出るときは大抵とんでもない事を言い出す時であり、
魂に刻まれた恐怖の記憶が小竜姫の頭脳を回転させ始める。





・・・・・・・・・えーっと。

つまり何?
美神さんのところへ居候?して。
おキヌちゃんや愛子さんのように学生服を着て?
ウン年生きてる私が十代後半の人たちと学校に通うと。




ようやく脳の回路がつながる。





「ええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

「あ、っと」
神閣に小竜姫の叫びが響き渡り、驚いた大竜姫の手から書類が落ちる。



ふわっ・・・
その書類はどこかで見たような報告書。

作成者の欄には見慣れた字で『100』のサインがあったのだが、
パニくっている小竜姫がそれに気づく事はなかったという・・・・・・・。



(つづく)
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やっちゃいました・・・
ああっ新潟のお母さんごめんなさい!!
ほんの出来心なんです!L・Lの小鳩ちゃんも書きますからッ!!
セーラー小竜姫さまが見たいからなんかでは決してっ・・・・!

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