「カクタス・フラワー」(その4)...単行本派は注意
投稿者名:いーびる・あい
投稿日時:(98/10/28)
「...あなた、記憶が戻ったの?!」
振り返った奈々、いや、「べスパ」の表情は穏やかだった
「今の私は、べスパの記憶と共に『奈々』としての10年の記憶も持っている
...そんなに構えなくていいよ」
令子は「ホッ」とした表情で神通棍を収めた(どこに?とは聞かないように)
「さっきのあなたの質問にまだ答えてなかったわね
『なぜ、今ごろになって』なのか...」
「本当は10年前にでも、あなたたちを引き取りたいって横島クンは思ってたの
だけど、当時の彼はまだ高校生で、そのことは難しかったの...
それに、『アシュタロスの娘』という事で
当局の方でも『処分を!』という声が少なからず有ったわ
だけど、解決にあたっての協力
『亜空間封じ込め』についての功績が大きかったわ」
************(回想シーン)***********
「行動不能」となった「究極の魔体」...
だが、そのまま消滅せずに「瘴気」を放出しはじめた
まるで九尾の妖狐が「殺生石」と化したかのように...
このままでは東京、いや、関東一円が死の世界となってしまうだろう
そこで出された案が「逆天号による亜空間への放逐」
美神美智恵の時間移動の能力とあわせ、
亜空間へ魔体と共に逆天号で移動、その後に
「(亜空間)移動前の時間へ時間移動+亜空間脱出」という複雑な作戦
アシュタロスの「妨害霊波」が消滅したとはいえ、
その余波で時空間の状態は予測が難しい...
「三姉妹」の協力でなんとか成功したが...
その代償に美智恵は瘴気による後遺症としての病(ヤマイ)
そして、霊力の消耗によるべスパ達の身体の退行と記憶喪失
美智恵はすべての事後処理を終えた後
令子に(自分が)元の時代に戻る事を告げた
『母さん、今の時代にとどまる事はできないの??』
『...令子...母さんもあなたと一緒に居たいわ...
でもね、元の時代には私の帰りを待っている『令子』がいるの...』
そう言われて、令子は中学時代の自分を思い出した
両親とも留守がちで、いつも一人寂しく過ごしていたあの頃を...
『...令子、寂しい思いさせてごめんね、
だけど、今のあなたは「一人ぼっち」ではないでしょう?』
『でもっ...』
『...(笑)甘えん坊ね...「令子はもう子供じゃない」でしょう?』
そう、「行かないで」という事は、その分、「過去の自分」から母を取り上げる事となる
そう理解して涙をぬぐって「最後の別れ」を見送った
********(回想シーン・終わり)************
「その後、唐巣先生にあなたたちの保護を頼んだ後の
横島クンの頑張りはすごかったわ...」
令子はあの当時の事を自分に言い聞かすかのように話した
「学業のかたわら、G・Sの仕事にも以前にもまして励んだ...
その時は、「その先」まで見据えていたとは私も気付かなかったわ」
「彼の目標は「人と魔物が共存出来る世界」...
そのために、妖精・精霊・幻獣たちがくらせる場所を
「ナショナル・トラスト」の形で購入して、
彼等がくらせると同時に人間たちも訪れる事が出来るように
双方から、ガイド・兼・保護官を養成する事にしたの
元G・Sとか、(妖魔と恐れられたが)共存を望むもの達
(人狼族とか、ネコマタの親子、ガルーダとその保護者(笑))
西条さんや、六道家、G・S協会...いろんな人たちのサポートを受けたけど
大元の発案は横島クンなの...
パピリオ、いえ、「葉子」ちゃんも協力するって言ってくれたわ」
「......ルシオラ...アイツの気持ちは...?」
「そうね...彼女のことが一番彼の気にかけていた事だったわ
彼女が大人になるまで待つつもりだって....
でもね、彼女が人生を一からスタートするのなら
サポートはしても、縛り付けたくないって...彼、そう言ってた
...そんなに驚いた顔しないでよ、...一番信じられなかったのは私なんだから...
なんと言うのかな...
婚約者(フィアンセ)というより、父親かアニキとして見守る、というのかな...
あいつが「足長おじさん」願望なんてね、アハハ...
...(コホンッ)
それはともかく、以前彼女が「霊子工学」の分野に進みたいって、
「兵鬼」ではなく、「民間利用」出来るもの...
たとえば、「霊界通信」などの装置の改良・普及など「特別な霊能力」が無くても利用出来るようにって
まぁ「それ」が完成したら失業するニセ宗教家が続出するかな、アハハハ...」
「彼女...ルシオラの気持ちがどうなのかは...
私には判らないわ...記憶が戻ったら...」
そう言った令子の表情は沈んでいた...
と、そのとき...
「グーッキュルキュルル」
二人のおなかが鳴った(笑)
「(笑)...とにかく、お腹がすいては良いアイデアも浮かばないと言うし
戻って食事しましょ!
それと、「返事」は急がないわ、心の準備というのがあるもんね
あ、それから、私の事を「母さん」と呼びにくかったら「姉さん」と呼んでね(笑)」
そのとき、奈々(べスパ)は<家族になっても良いかもかもしれない>と思った...
*****************************
(続く)
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コメント:
- 「甘い、大甘すぎる」との評価もありましょうが
残る事あと一回
エピローグみたいになりますが
「タイトル」の意味と、私なりの「ある人物の予想像」を書きます
(いーびる・あい)
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