ザ・グレート・展開予測ショー

私の月から出ていって!!(完結編)


投稿者名:CSU
投稿日時:(98/10/26)


すでにガルーダの皮膚はボロボロと崩れ、体に無理が来ているのが誰にでも分かるような状況だ。
無理も無い、そもそもヒヨコの状態から月の魔力により半ば無理矢理大人の状態になってしまったのだ、安定性はゼロに等しい。
それでも月の魔力により理性を失ってるガルーダは闘争本能だけは衰えていない。

「横島!」
グーラーが横島に向かって叫ぶ。
「お願いだよ、あいつを助けておくれ」
「あなた何言ってるのよ、もうあれは完全に理性を失っちゃってるのよ?、もう殺すしかないわよ」
神無がグーラーに向かって抗議する、てっきり自分に突っかかって来ると思ったがグーラーの反応は。
「でも、あいつはあたしにとって・・・」
神無が見たそのグーラーの表情は、今まで見てきた表情とは別人で、まるで我が子の身を案じる母親のような表情だった。


―――痛い、痛いよ・・・苦しいよ、おかあさん、助けてよ・・・。
おキヌちゃんの心の中にガルーダの悲しみの念が伝わってきた。
「あのコ・・・心の中で泣いてる・・・『痛い、苦しい、おかあさん助けて』って」
その言葉を聞いた瞬間、神無の胸がズキンと痛んだ。
自分が酷い事を言ってしまったという後悔の念が全身を走った。
「あ、あの、その・・・横島どの!私からもお願いするよ、何とか、何とか出来ないのか?」
みんなから頼まれ身じろぐ横島。
「い、いや、そんな事言われても・・・」
とか言いながら横島は月での出来事とグーラー達と会った館の出来事を思い出していた。
その時、横島はある事を思い付た。

「美神さん、何とかしてあいつの動きを数秒間止められませんか?」
「止めてどうするのよ」
「いや、ちょっと策がありまして」
「そうね分かったわ、何とかやってみる」

横島以外の全員にお札を持たせ、結界を張りガルーダの動きを止めようとする、
が、ガルーダには通用せず、結界はあっさり破られてしまった。

ピュリリリリリリリーーー
突然ネクロマンサーの笛の音色があたりに響き渡った。
「おキヌちゃん?無理よ、こいつには効かない事は立証ず・・」
その言葉を最後まで言い終わらないう内に美神はガルーダがその動きを止めてる事に気づいた。
「え?何で?さっきは効かなかったのに」
謎に思っておキヌの方を見る美神、だが、見た目には何ら変わった様子はない。
違う事といえばグーラーの姿が見当たらない事だ。
「横島さん、やるなら今のうちです、早く!私もそう長くはもちません!」
おキヌが横島を急かす。

横島がガルーダに接近し、何かをしようとした瞬間、ネクロマンサーの笛の効果が切れた。
瞬間凄まじい閃光が走った。

閃光が止んだ後、横島がおキヌのすぐ近くを吹っ飛ばされてきた。
横島に駆け寄るおキヌ。
「横島さん大丈夫ですか?今何を?」
「文珠を飲ませた、多分効くと思う」
「よくあんな小さい口に入れられましたね」
「いやまあ、いつかのアレを思い出してね」
「アレって何です?」
「いや、まあそれは・・・、それよりかガルーダの方はどうなってる?」
ガルーダの方は立ち止まって苦しんでる、が、何か変な苦しみ方だ。

「何か分かりませんけど、グーラーさん、もういいですよ」
おキヌちゃんが合図をすると、ネクロマンサーの笛からグーラーが出てきた。
――真相はこうだ。
おキヌちゃんが単独でネクロマンサーの笛を使っても効果が激減してしまうので意味がない。
グーラーが止めようとしても声だけではガルーダの心の中までは響かない。
そこで、ネクロマンサーの笛にグーラーの思念波を上乗せすれば効果が出ると判断、
グーラーが直接笛に取り付いておキヌが出す思念波に自分の念を上乗せしてガルーダに叩き込む、と言うことだ。


『ク・・・オ・・・オ・・・』
ガルーダが妙な素振りを見せている。
固唾をのんで見守る一同、そして。
『オ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛』
ビチャビチャビチャっとガルーダが大量の嘔吐物を吐き出した。
一同、唖然・・・

「あんた一体何したのよ?」
美神が訪ねる。
「まあ見てれば分かりますって」
吐き出された大量の嘔吐物の中には月の結晶のカケラも混じっていた。
それと共に今までガルーダの周りを覆っていた魔力は消え、元のヒヨコの状態に戻っていった。
そして、嘔吐物の中には文珠もあった、込められた念は『吐』。

******************************************

「それにしても・・・、勝負を決めたのが『吐』の文珠だなんて、汚いわねーー」
「いーじゃないスか、それしか方法が無かったんスから」
「まあ、これで無事解決しましたね、よかったですねグーラーさん」
おキヌちゃんがグーラーに訪ねる。
「うん、ありがとおキヌちゃん」
元に戻ったガルーダのヒヨコを抱えたグーラーが返事を返す。
「でもまあ、よかったわね、守りたい者がいるってのはいいことさ」
神無もガルーダが助かった事を喜んでいる、
この二人、相性が良いのか悪いのかいまいち分からないが、結果として仲直りしたらしい。

「ところで美神さん、今ので月の結晶の半分は使ってしまったので、もう元には戻せませんけど・・・」
「あ、そう、別に構わないわ、結晶の残りは迦具夜姫に返しちゃって」
瞬間、ズザザザッっと全員身じろいだ。

「あの美神さんが?こんな高価な物を手放す?」
「み、美神さん、気を確かに!」

「あのねーー、何でそうなるのよ、私はただ月の魔力は地球で使うには危険すぎるって思っただけよ」
さすがの美神も月の魔力の恐ろしさを目の当たりにしたせいかちょっと引いちゃってるらしい。
てゆーかこんな物が世の中に出回ったら大変だ、なにせあのアシュタロスが目を付けるほどのエネルギーなのだから。
とその時。

突然横島が苦しみだした、どうやら結晶の反作用が来たらしい。
「イダダダダ、痛い痛い痛い」
「ちょ、ちょっと横島さん大丈夫ですか?」
「横島どの!」
「横島!」
みんなが横島の所に駆け寄る。
美神はその後方で、待機していた。

「あ、あら横島クン、どうしたの?」
少し引きつったような笑顔を見せながら話す美神、
その表情で横島は全てを理解した。

「美神さーん、こうなること知っててやったんスか、非道いッスよーー!!」
非道いと言ってもこんな事は日常茶飯事、今更驚くことではない、横島とはそういうキャラクターだ。
「大丈夫よ、別に死にはしないから」
「って美神さん、そういう問題じゃ・・・何なんスかこの待遇の違いは?」
確かにそうだ、先ほどのガルーダの時とはえらい違いだ。
そのまま『バタッ』っと倒れると横島は動かなくなった。


その後、白井総合病院にて。
おキヌちゃんと朧が二人がかりで横島にヒーリングを施してるその後ろでは、
すっかり和解した神無とグーラーが楽しそうに話をしていた。


とりあえず
      みんな仲良くなったって事で
                       「めでたしめでたし」ですね!!


、、、お・わ・り、、、



(あとがき)
納得いかない部分もあるでしょうが、何とか完結させることが出来ました、
結局最後まで迦具夜姫の出番がほとんど無かったのは心残りですが、最初っからそのつもりでしたので、私的にはOKかな?
この話、『私を月まで連れてって!!』のパロディーと言うより『サバイバルの館!!』との合作と言ったほうが良かったかも知れませんね。
一応書きたかった事としては、月の魔力の恐ろしさとグーラーの母性本能?なんですけど、うまく表現出来たでしょうかね?



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