ザ・グレート・展開予測ショー

やかま椎やつら


投稿者名:ライス
投稿日時:(02/ 4/14)


 やかま椎やつら
  
  第3話;レット・イット・ビー!!

 朝……。
ルシオラ「ヨコシマ〜ッ!早くぅ〜っ!!」
 制服姿のルシオラが嬉しそうに横島を呼ぶ。
横島「ファ〜ア…、そうせかすなって…。」
 そう言って、二人は同じ家の庭を出て学校へ行く…。どうしてこうなったかというと、それは始業式のあった3日前の美神の事務所に端を発す。

 ―3日前の事務所―
美神「そんなのダメに決まってるでしょ!?」
ルシオラ「で、でも……っ!」
美神「でもも何も、アンタ、保護観察中の魔族なのよ!?そーゆーことしていいと思ってるの!?」
キヌ「美神さん、まあまあ…。」
 ルシオラにいきり立って怒る美神…、そしてそれをなだめるキヌ。すると、そこに娘の様子を見に来た美神の母、美智恵がひのめを抱えて入ってきた…。
美智恵「どーしたの?一体…?」
令子「あっ、ママ…。どうもこうも、突然ルシオラが学校に通いたいって言い出したのよ!」
美智恵「フ〜ン、ルシオラが、ね……?いーじゃない、別に。」
令子「イイって、ママ…!ルシオラは保護観察中なのよ!?」
美智恵「保護観察中でも、別に学校に通っちゃいけないとは書いてないわ。」
令子「うっ……。」
美智恵「ルシオラちゃん、ごめんなさいね〜、このコったらヤキモチ焼いてるのよ。」
令子「なっ!?(顔を赤くして)なっ、何言ってるの、ママ!?私はただ、学校に通わせるためのお金を私が払わなきゃならないと思うと頭が痛くなるのよ…!」
美智恵&キヌ「・・・・。(タラ〜)」
横島母「その点なら大丈夫よ!」
令子&美智恵&キヌ「!!」
 突如現れた横島母…。
横島母「いつも、息子がお世話になってます。横島の母でございます。」
美智恵「マァ…、あなたが…!こちらこそ娘が…。」
 挨拶を交わす両者の母親。…と後ろから横島本人が…。
横島「どーも。」
キヌ「横島さんっ!!それにお母さんも…っ!どうしてまた一緒に…?」
横島「それがな…、」
 横島はその日に起こったことを話した。
横島「…で、その転校生の話題になって、ルシオラのことを話したら、オフクロの奴、お金を出してもイイって言ったんだ…。」
ルシオラ「それ、本当?ヨコシマ?」
横島「ああ、それから、ウチの敷地に部屋を建ててもイイって…、」
ルシオラ「って、言うことは、ヨコシマと同じ所に住めるの?……ウレシイッ!」
 横島に抱きつくルシオラ。すると、横に顔の引きつっている人が一人…。
令子「(ヒクヒク)どーしてまた……。」
横島母「ホラ…、ウチのダンナが専務になりましたでしょ!?それで給料が上がっちゃって…。生活費の方は、部長の時の金額で十分まかなえるから、お金が余っちゃって…。それにアノ二人、話に聞くと好き合っている仲みたいでしょう?それなら一つ屋根の下で、イク所まで行っちゃった方が…、な〜んて思ったりしまして…。」
令子「で、でも、保護観察中の魔族をGSから離すというわけには…。」
横島母「(ことさら大きな声で)アラッ!!忠夫も資格を持っている言うじゃないですか?それなら問題はないハズでしょう?(ニッコリ)」
令子「うっ……!」
美智恵「あなたの負けね…、令子。横島さん、何事もないと思いますが、十分注意の方を…」
横島母「それは重々承知しておりますわ!それでは…。アッ、そうだ!忠夫!」
横島「なんだよ!?」
横島母「あのルシオラってコ、イイ子じゃない?アンタ、この先二度とお目にかかれないかもよ?しっかりモノにしなさい!(ヒソヒソ)」
横島「なっ!?」
 そう言って帰っていく横島母。その後、ウップンを晴らすかのように横島に八つ当たりをかます令子…。
令子「(横島をボコボコにして)あー、ムシャクシャするっ!おキヌちゃん!ルシオラ!コイツを運んで!終わったら、仕事の準備よ!」
キヌ&ルシオラ「ハッ、ハイッ!」
 くたばっている横島を二人がかりで運び、部屋を出る二人。二人の出た後、美智恵が…、
美智恵「‥…アンタ、このままでイイの?早くしないと、横島クン、誰かサンに取られちゃうわよ?(クスクス)」
令子「なっ!?ママまで何言ってるの!?(再び顔が赤くなる)もう、出てってよ!?」
美智恵「ハイハイ…。(バタンッ!)」
令子「まったく……っ!」
 ウンザリする令子…。一方、キヌは…、
キヌ「ルシオラさんと横島さんが…。(シュン)まあ、二人とも好き合ってることだし…。でも、もし私と横島さんが…っ!ハッ!私ったら、何考えてるのかしら。でも…、キャーーーッ!!」

 ―で、冒頭の場面に戻る。んで、学校。
先生「…と言うわけで、ルシオラさんだ。」
ルシオラ「ヨロシクッ!」
男子生徒一同「ワーワーッ!ピーピーッ!」
先生「静かにっ!!では、一、二時限目はスポーツテストなので、各自着替えて校庭に集合するように。」
 それぞれ更衣室へ行く生徒達…。
ルシオラ「じゃね、ヨコシマ。また後で…。」
横島「オ、オウ…。」
 そう言って、別れる二人。しかし、それを目撃した男子のクラスメートが他の男子にチクってしまい、横島は男子更衣室で血祭りに…。一方、女子更衣室では…、
夏子「オイッ!アンタよく入ってきたモンやな、同じクラスになったからには、覚悟は出来てるんやろうな!?」
ルシオラ「フンッ!アンタなんかにヨコシマは渡さないんだからっ!!」
なつこ「言うたな?ヨーシ、ホナら、スポーツテストで成績の良かった方が横島の彼女や!どや?」
ルシオラ「望むところよ!アンタなんかに絶対に負けないんだからっ!!」
 燃える炎の背景で対峙する二人…!何やら凄いコトになりそう…。そして校庭…。横島のクラスは100m走から。(でも横島はくたばったまま…)男子の番が終わり、次は女子の番。
夏子「(ヨ〜シ、まずは先手を取らな…っ!)」
 パンッ!タタタタ…ッ!
先生「河合、11秒45!」(オオーーッ!)
 歓声が起こる。
夏子「(ハッ!どんなモンやっ!)」
ルシオラ「なかなかヤルわね…。でも負けないんだからっ!!」
 で、ルシオラの番。
先生「位置について…、ヨーイ!(パンッ!)」
 その音鳴り終わると同時にルシオラの姿が消え、一瞬でゴールに…。
ルシオラ「…ゴールしたわよ?」
先生「えっ?アッ!(カチッ!)なっ!?に、2秒07ぁ!?」
夏子「なっ、なんやてぇ!?なんかの間違いやろ、先生?」
先生「イ、イヤ、本当だ…。(汗)」
夏子「あっ、あのアマ〜ッ!」
ルシオラ「フウッ。(アブナイ、アブナイ。思わず魔力使っちゃった…。今度から気を付けないと。」
 次はハンドボール投げ…。
ルシオラ「エイッ!!(ポーン…、テン、テン、テン…)」
女子A「15m!」(注;二人一組になってお互いの記録を測る形式です)
 さすがのルシオラも肩はフツーの女子並みたい。しかし、横の夏子は…、
夏子「ふんっ!!その程度で私に勝つつもりなんか?片腹痛いわ!ホナ、こっちも行くで〜。エエか〜?」
女子B「ウンッ、いいよ〜。」
夏子「イックでぇ〜!?」
 どこぞの野球マンガの投手みたいに、体が一直線になるように足を垂直に持ち上げ、そして投げる夏子。投げられたボールは低い弾道のまま、延びて地面にめり込んだ…。
女子B「エ、エ〜ト(汗&恐)ごっ、53m…。」
 男子も顔負けの記録に得意げな夏子…。
ルシオラ「……なっ、何よ!フンッ!!(次は負けないんだからっ!)」
 で、最後は1500m走。
夏子「次で最後や…。本気出してイクかんな〜!」
ルシオラ「フンッ!!望むトコロよっ!」
先生「位置について、ヨ〜イ…、(パァンッ!)」
 ビュンッ!!ふたりともデ◯スロンの風◯万吉のようなスタートダッシュを仕掛ける。鬼気迫る二人はドンドンスピードを上げて行くが一歩も譲らない。結局二人は同着のままゴール…。
先生「ゴ、ゴォ〜ル…、って大丈夫か?二人とも…。」
夏子「(ハァハァ……)けっ、結局引き分けかいな…。また、勝ちはお預けやな…。」
ルシオラ「(ゼーッ、ゼーッ…)なんなら、この前みたいに決着をつける?ま、勝ちは見えてるけど…。」
夏子「なんやて!?ええやろ!もう一度勝負したるわ!」
横島「いい加減にしろっ!!」
ルシオラ「ヨコシマッ!?」
夏子「横島クン!?」
 復活して校庭に現れた横島…。
横島「ったく、イイ歳して何ガキみたいな意地の張り合いしてんだ?」
ルシオラ&夏子「…で、でもコイツが悪いのよ(悪いんや)!?」
横島「ウルセェ!!愛子のヤツから話を聞いたが、オレって、取り合いする程度の男なワケ!?」
ルシオラ「ヨコシマ…、ゴメン…。」
 涙を浮かべながら抱きつくルシオラ…。
横島「(ヤッ、ヤッタ!キマった!オレって、カッコイイ…ッ!!)」
 喜びをかみしめる横島…。しかし、すぐに夏子に引き離される…。
夏子「ちょっと、あんまり横島クンに引っ付かんといてくれる?目障りや!」
ルシオラ「なによ、またヤろうっての?」
横島「アッ、アノー?ちょっと…、」
藤田「見せつけてくれるじゃねーか、横島…。(キラーンッ!)」
横島「(ギクリ…ッ!)マッ、マァ、待て藤田…!(汗)」
藤田「こんな幸せな野郎、生かしちゃおけねーっ!者ども、ヤッチマエーーッ!!」
 ついに横島は同学年の男子生徒全員(ピート、タイガーは除く)にブチのめされるハメに…っ!あぁ、みじめな…。そして…、
ルシオラ「大丈夫?ヨコシマ…。」
 夏子を追い払ったルシオラが気にかける。
横島「もう、なるようにしかならん…。」
 もう自分の運命に抗うことを諦めようとする横島…。諦めるな横島!!待てば海路の日和ありだ!報われる日はきっと来る!………って、書いたけどもう来ないかも…。

 終わり

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