ザ・グレート・展開予測ショー

魔女の薬


投稿者名:NGK
投稿日時:(02/ 4/ 8)

「間違いない・・・惚れ薬だ・・・」
男はライトを当てた。
「・・・一ヶ月は長かった・・・」
惚れ薬がこの店にあることを知ったのはある事件がきっかけだった。
ある薬を探すときに偶然見つけたのだ。
だが、同行していた男があり、なおかつそれどころではなかった事から今まで行動に移すことは無かった。
しかし・・・
「これだけあれば俺は・・・!」
それは男の夢。・・・かもしれない。
ガチャ
「・・・そこまでだ。横島君」
銃が後頭部に当てられる。
「君の様子がここ数日おかしかったからな。
何かあると後をつけて来たら・・・とんでもないことをしようとしていたとは・・・な」
男はゆっくりと銃を横島に押し付ける。
それは暗に前に進めという合図である。
「・・・これは君が使うべきものではない・・・」
男は空いている片方の手でビンを手に取った。
酒ビンほどの大きさである。
「テメエ・・・!自分の物にするつもりか・・・!!」
「なにも君みたいにハーレム計画を持っているわけではない。
僕はある一人の女性に対して使う」
最近その女性は自分にではなくこの横島に気持ちが向いている感がある。
だが、それはなにかの間違いというべきものである。
彼女は自分こそが幸せに出来るはずだ。
そして・・・
ふっふっふっふ・・・
油断があったのだろう。
その刹那!
横島は霊気の刃を作り出すとそれを持って後頭部を押さえつけていた銃を弾き飛ばした。
「・・・!正気か!?貴様・・・!?」
いくら命までとるつもりは無かったとは言え安全装置はすでにはずしていた状態だった。
ともすれば死んでいた・・・
「西条・・・悪いが・・・男は命をかけるものに対しては惜しまないのさ」
惚れ薬奪取という目的に・・・である。
「大人しくしていればいいものを!」
西条は何処に隠していたのか霊剣ジャスティスを構えた。
「させる・・・か・・・?」
だが横島の様子がおかしい。
ある一点に視線がいっている・・・
先ほどまで店内は暗闇に包まれていたはずである。
それが・・・ライトがついている。
西条も後ろを向いた。
そこには・・・一人の女性がいた。
悪魔のような形相をして長い髪が重力に逆らって逆立ち背後には言い知れぬオーラを背負っている。
「あんたら・・・!!」

「感謝するわよ魔鈴」
美神が視線を移すとそこにはこの店の主、魔鈴めぐみがいた。
「いえ、当然の事をしたまでです」
「当然のことねぇ・・・どういうこと?」
この店には一見どころかよく見てもわからないが魔法によって店の異常を魔鈴に知らせるシステムがある。
それによって店への侵入者を知った魔鈴は美神にも知らせたというわけである。
「それは・・・」
魔鈴は美神の脇を通り惚れ薬のビンを手に取った。
「これは、たしかに惚れ薬ではありますけど・・・飲んだ人は”私に”惚れる薬ですから」
ぶっ!
「・・・マジ!?」
・・・本当に使われなくてよかった・・・
美神は心の底から安堵した。
「・・・帰るわ・・・」
美神は去っていった。
ボロボロになった男たちを残して。

魔鈴は指先に魔力をこめると横島と西条に向かって投げた。
彼ら二人の姿がどこぞに転移する。
「・・・さて・・・と」
ビンのフタを外し液体をコップに注ぎ込む。
「・・・やっぱり”惚れ薬”とラベルを貼るのは間違いだったかしら・・・」
魔鈴は自家製の酒を飲みながらそう思った。


盗みは犯罪です。よい子はマネをしてはいけません・・・・・・魔鈴めぐみ

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