ザ・グレート・展開予測ショー

彷徨う二つの心(2、入院生活・後編)


投稿者名:マサ
投稿日時:(02/ 4/ 6)

二人が白井総合病院に入院して二日目の昼間、毎日同じ時刻に訪れる美神が今日はメロン(横島にはやらない)を持ってきた。

カチャッ

「おキヌちゃん、メロン持って――」
「はい、あ〜ん」
「シャリッ・・・もぐもぐ・・・」
おキヌが切った林檎を横島の口へと持っていく。
本人が動けない為も有るが、この辺りが彼女の優しさだろう。
それを見て美神の表情から笑顔が消えた。
「(ピシッ)・・・新婚かおのれらは・・・≪一体何なのよあの甘い世界は・・・こら作者ぁぁぁ(怒)」
手に持ったメロンが破裂しそうなほどに拉げている。(うわぁぁぁ、怒んないでくれぇぇ←作者)
相手が『おキヌちゃん』でなければここまで嫉妬(?)の炎を我慢するという『らしくない事』をする必要も無いのだが・・・。
「あ、美神さん。こんにちは」
「はい、メロン(ヒビ入り)。ずいぶんげんきになったみたいでなによりだわ。ほほほほほほっ・・・」
「そうでもないですよ。まだ体がだるくて」
にこやかに挨拶するおキヌに無理やり作り笑い(青筋つき)で返す美神。
「ところで、仕事の方は大丈夫なんですか?僕たちもそれなりに役に立っていたみたいですし」
起き上がれるほどではないが、横島もかなり回復しているようだ。
「平気平気!助手が二人入院したぐらいでなんの問題も無いわ(嘘)」


――数時間後――
美神は事務所に戻っているため、現在は二人だけである。
そんな時

カチャッ

「今度は二人揃って記憶喪失だって!?」
そこに現れたのは西条だ。
喜びを隠し切れない表情である。
「何か・・・嬉しそうですね?失礼ですが、どちらさまでしょうか?」
「どちらさま・・・ふっ、本当に何も憶えてないんだね?」
おキヌの質問に更に顔がほころばせて西条は聞き返す。
「ええ・・・。どうもすいません」
今度は横島。
≪チャンス再来だ!今度こそこの二人をくっつけて令子ちゃんを僕のものにしてやる!!≫
「僕は玲子ちゃんの恋人で西条というんだ!君たちは僕を兄のように慕っていたんだよ!(きらきら)」
西条は前回の如く野望を企てる。
「「なーーんだ、そうだったんですか・・・!!」」
「あ、それから、君たちが恋人同士だったことは聞いたかな?何時も二人一緒で、同じベッドに寝ていてね。いや〜、熱くて熱くて見ていられなかったよ!」
「「(ガ――――ん)こ・・・恋人!?・・・知りませんでした!!(顔を見合わせる)」」
驚愕する二人。
「僕は・・・君みたいな可愛い恋人がいたなんて嬉しいよ・・・!!」
横島がついに何時もの“怪”復力を発揮し、おキヌの手を取る。(気力だけは戻ったようです)
「そ、そんな・・・嬉しいだなんて・・・////」

ドキッ ドキッ

一方西条は≪ふっふっふっ、(キラッ)またしても刷り込み成功のようだな。元々素直なこの二人なら確実にくっついてくれる!≫などと考えていた。
少しして西条が病室から出ようとドアのノブに手を掛けようとしたその瞬間、内開きのドアが勢い良く開いて彼の顔に激突した上に数十人の高校生が流れ込み、西条は踏みつけられてボロ雑巾と化した。
『横島がまた記憶喪失だと―――!!』
「お前、俺に借金あるんだぜ!!」
「横島クン、2か月分掃除当番たまってるのよ!!」
「君は真面目に勉強するんだ!!」
「横島さんはワッシの親友ナンジャー―!!(泣)」
横島のクラスメートと担任である。
「・・・ピート君!これは本当なのか?!」
横島は「僕が言わなければ・・・」と自己嫌悪に陥りながらみていた
「多分・・・今回は全部本当だと思うよ・・・」
苦笑してピート。
「じゃあ、僕とおキヌちゃんが恋人同士だって言うのも本当なのかな?」
『えっ!?』
横島のといに一同はギョッとする。
「だ、誰がそんな事を・・・?(涙)」
「小鳩、泣いたらあかんで〜〜〜!!」
「・・・こ、これも青春よね・・・(涙)」
涙する小鳩と愛子。
そして何時出たのか貧ちゃん。
そんなのが西条を見やり、疑いもなくキレるのであった。(あえて描写は致しません)


次の日、今度は真剣な面持ちで西条が再び病院に現れた。
「・・・果たして、こんな事を話していいものか・・・。あ、令子ちゃん!」
「あら、西条さん。例の件は分かったの?」
ばったり美神が来た所に出くわす。
「・・・まあ、分かった事は分かったんだが・・・」
西条の顔に影が差す。
「あの能力は性格には『中和』。全ての能力を無にする事が出来る。しかし・・・」
「しかし・・・何?!」
「古い文献によると、この能力は使う者の霊力と体力を消耗する上に制御が難しい。よほどの精神力が必要とされるからね。記憶喪失はそれに失敗して霊力を使いすぎたためだと思う。事例は三件と極めて少ないが、共通しているのは恐怖や怒りといった感情の爆発によって引き起こされる事と・・・その全員が使いすぎによって衰弱死していることなんだ。本当に最後の切り札なんだよ。この能力は」
「そう・・・やっぱり・・・」
「やっぱりって・・・?!(汗)」
「でも、『難しい』だけで、制御できないわけじゃないのよね?」
「・・・まあね。実際にそれで抑えていた場合もあるみたいだから・・・まさか!!」
「そのまさかよ」
その時の美神の笑顔はかなり不気味だった。



はい、お決まりのパターンです。
楽しんでいただけたら幸いです。

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