ザ・グレート・展開予測ショー

ロード オブ ザ キヌ


投稿者名:三遊亭楽栄
投稿日時:(02/ 4/ 6)

●SCENE0  「地獄絵図」

   2016年は七番目の月
   破滅の大王が襲い掛かるであろう
   ロスアンジェルスより大王たちを甦らせる
   その後、軍隊は炎と共に処罰を受ける

一帯は砂漠です。
何一つ、動く姿はありません。
一帯全てが、枯れていたのです。

美神(残像) 「ほーーっほっほっほ、そうやって全人類は一生砂のシャワーを浴びるのよ。」

●SCENE1  「地下施設」

   真夜中に秘密の部屋に入る
   ただ一人鉄製の三脚に座って休まる時
   静寂の最中より僅かな炎が噴出し
   信ずる値打ちごとを告げようとする

カオス 「ほう、これはたまげたぞい。
     ヨクトウィルスは、生物細胞のみならず物質にも影響を及ぼすようじゃな。」
マリア 「イエス・ドクター・カオス!
     幽子に・がっしりと・食いつく・模様です。」

幽子とは、幽霊の元とも生命の元とも呼ばれています。
素粒子やニュートリノより数倍小さい構成要素です。
実際、死んだ人間の体重が軽くなると言うのは、この幽子に依存している為です。

マリアは、カオスの補佐をしています。
カオスはヨクトウィルスからエネルギーを正方向と負方向に変換させる仕組みを解明する為
研究室に入りっ籠もりです。

ヌル 「それもそうだが。
    このヨクトウィルスが魔獄炉の内部に蠢いているが故、直結してみた所…」
カオス 「成程、位相エネルギーが融合反応を起こした結果、時空間を僻ませている様じゃな。
     時間移動能力とは、このエネルギーと似たものを落雷によって起させているものと」
ヌル 「そうだろうな。」

腰を落ち着かせるカオス。
しかし、ヨクトウィルスのサンプルがズボンのポケットより落ちました。
落ちたショックで、容器は割れて新たに培養したウィルスは散らばりましたが…
信じられない光景が起きました。

ヨクトが集まって幽子が組織化され、霊として形成されたのです。
そう、所謂残像現象として、まるでホログラムのように、人間のような形を得ました。
幽霊の構成要素こそ幽子であり、霊体における細胞だったのです。

ヌル 「どうした、その形は!」
カオス 「いや、良く分からんが‥‥なにやら神々しさを感じるのじゃ。」

●SCENE2  「悪夢は再び」

女1 「ねえねえ、知ってる?
    B組の山田くん、例の待ち受け動画像が突然ケータイに入ってきて、
    その7日後に死んだそうよ。」
女2 「それだけじゃないわ。
    ポケベルやタマゴッチ、電子手帳にも侵入してきて、周りの人間は殆ど……」

そうです。
イドの怪物が8匹現れるという鈍いの動画像は、信じられないものでした。
携帯機器産業国に大量に満悦し、あっという間に全人口は千分の一まで激減しました。

学校、国家認可の警察や自衛隊すら壊滅、
鈍いの動画像は人工的な無生物にも寄生して腐食させるのです。
カオスのような永久不滅の体をもつ人物を除いては、誰も勝てません。

女3 「いやぁぁ、助けて、助けてぇ………!」

泣き叫ぶ群衆の一人がいます。
でも、誰も助けようとするものはいません。
自分がいつ、自分の持ち物に感染されて死ぬか分からない事態に、
自ら巻き込まれようとするものなどいません。

こうしてこの女は、街の最中でウィルスに侵され死に絶えていくのです。
こんな地獄絵図が現実になろうとは、誰が考えた事なのでしょうか。

●SCENE3  「横島のアパートから」

   偉大なるセイレンが世界の王と成ろう
   初め愛されるが、後々に恐れられ始める
   名声と賞賛は彼のもとに天を覆い尽くす
   勝利の称号を得た者のみ大いに満足せざるであろう

ノストラダムスの四行詩が刻まる者はここにいました。
鈍いの人物の存在を容認している者です。
その人の名前は、横島忠夫と言いました。

横島 「なぁいいじゃないか、小鳩。」
小鳩 「まあ、忠夫さんと一緒に入れるだけでも嬉しい…!」
貧乏神 「良ぅかったなーー小鳩」

しかし、小鳩と貧乏神は気付いていません。
世界の破滅を願う者など、もとはこの横島だったのです。
アパートにいる事が気がついて以来、花戸家は横島の監察をしていました。

小鳩 「どうしたんです?」
横島 「いやなに、ちょっと寒気が。」

●SCENE4  「キヌの乱入」

尾絽地岳の一角には、氷室家の長女・早苗が一人住んでいました。
両親は、既に謎の鈍いの前に自ら命を絶つことを臨んだのです。

キヌ 「……だ…お…さん………。」

洞穴内に僅かな声が微量に反響を催しました。
三年前まで生きていたキヌとは、全くの異質の気を発しています。
その声は、三千年と前、導師たちに封じられた神々しさが岩から解き放たれた
音が声のように波長したようでした。

キヌ 「もう…すぐ……あ……の人の………元へ…………!」

●SCENE5  「最終進化」

例の映像は様々な媒体と化していました。
ごく普通にあったビデオテープから音楽カセットテープを利用したポケコンへ逃れた83年、
テレビメディアではタイムボカンシリーズ最終作・イタダキマンが始まりました。
イタダキマンが打ち切りにならなければ、翌年終わったと思われる日にオウム神仙の会が発足しました。
カセットから言語を学習し、MC9800型パソコンのディスクへ変化していました。

その過程で、ウィルス情報と遺伝子情報へと複製を覚え、ワープロ、そしてFDへと移り住んだのです。
そして、更なる次世代メディアへの侵入を心待ちとしていました。
これが今のメモリーカードと、CD、DVDだったのです。

   緯度は48度
   蟹座の終わりにつき
   空の火からひどき渇水が
   ………災いがある

有名な4行詩です。
MMRでさえ、約1年がかりで謎を解いたのです。
が、その真意は少し意味が異なりました。

●SCENE6  「テレビにて」

アナウンサー 「緊急ニュースです。
         北緯48度付近より、謎の怪物が出現しました。」

ひのめ 「北緯48度?北方領土の中心あたりですよね。」
タマモ 「うん、それと、この4行詩なんだけど。」

書かれている紙を取り出しました。
読み流したところに、真実を告げていくのです。

タマモ 「空の火ってのは、太陽の事を指すのよね。
     で、ホロスコープを作成して見たんだけど、
     新13星座の蟹座で終わりが8月11日にあるの。」
ひのめ 「そうですね。そして、スズキムネオが例の対談に向かったと
     されていますが、それも丁度1999年8月のことでした。」
タマモ 「ま、まさか……!」

その時タイミングよくテレビのほうで続報が流れました。

アナウンサー 「あ、丁度続報が入りました。
        スズキムネオが恐妻症で隠れて飼っていたペットの恐竜が、紫外線を
        浴びて極度に成長をしたのが原因ではないかとみて捜査しています。
        尚この怪獣は、UGMの方で、フタバスズキムネオリュウと名付けられ…」
タマモ 「……いや、それだけで成長するとは思えない。
     何かきっかけがあったはずだ。」

その時、テレビの中で不審なものが見えました。
鈍いの画面の一部のように見えました。
そして僅かばかり、見えたような錯覚に陥ったのです。

ひのめ 「今の見ましたか?」
タマモ 「…ああ見た。あっ、また一部が見えたけど、違う映像のような…。
     あっ、また…」
ひのめ 「でも今までとは違う手法…まさか、サブリミナル・メッセージ!?」

今まで、例の画像は直接映したもの…つまり、念写されたものだと解釈されていました
が、その実態は違いました。勘違いだったのです。
何者かが、ヨクトウィルスを応用してサブリミナルを用いた警告をさせていたのです。

タマモ 「どうしたひのめ!」
ひのめ 「誰かが…誰かが覗いているような気がしたんです。」

ババッと外に出てベランダへ回りました。
何かがいたのを確かめる為です。
下には、なにやら丸められてシミのついたティッシュが落ちていました。

ひのめ 「異様で、中性っぽいような匂いがします。」
タマモ 「いや、このイカっぽい匂いはあいつしかいない。横島だ。」

●SCENE7  「横島のアパート」

横島 「なんだ、お前ら急に。」
ひのめ 「急にじゃありません。さっき、事務所にいましたね?」
タマモ 「このティッシュが動かぬ証拠だ。」

タマモは、手袋をして精子のこびりついたティッシュを拾い見せるつもりでした。
しかし、無いのです。

小鳩 「行き成りやってきたかと思えば……」
横島 「大体何故俺が……!」

そう言ったとき、ヨクトウィルスが横島の部屋のモノに反応しました。
以前、キヌにあげたローレックスの時計です。

キヌ 「ただ……お…さん………!」
横島 「その声…おキヌちゃん!?」

真実はたったの一つだけです。
キヌも、死ぬかと思われた直前に尾絽地岳に呼び戻されていました。
生きていたのです。
隙を見て、横島と結託するため。

でも、以前のキヌとは違います。
優しさと神々しさが交じり合って、まるで神族のような輝きを持っているのです。

小鳩 「どういうことです?」
キヌ 「あなた方の、前世の結びつきと蟠りがありました。
    いえ、高嶋さんとメフィストという事を、あの世で、閻魔大王様から…‥
    だからその全てを払いたいんです……
    そして、わたしはあなたと一緒にならなければならないのです。」
横島 「この俺が、高嶋の意思を継ぎ、あえて呪いの画像の中で美神さんを
    生かし続けて来ている事にか?」

キヌ 「……ええ。
    そして、今分かったんです。あたしは、元は神族であることも……
    それも慈愛の性心を持った聖母として………!だから…」
横島 「やっぱ、以前の五〜六角関係のような生き方がいいとでもいうのか。」
キヌ 「それは違います。
    五〜六芒星と言う世界の頂点として担い手となって生き続けることです。
    そして邪悪の神である横島さんが慈愛の神である私と結ばれた時…。」

これから、今までに無いスペクタル的活躍が始まります。
この先進むストーリーは、恐怖の大王の使者ことスズキムネオの隠れざる真実との大決闘です。
人類は滅ぶか、それとも生き残るのでしょうか?



ともかく全国ロードショー公開まであと20日。
皆さんも、劇場に足を運んでこのすばらしい映画を見ましょう。
それでは──────────

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