ザ・グレート・展開予測ショー

彷徨う二つの心(2、入院生活・前編)


投稿者名:マサ
投稿日時:(02/ 4/ 5)

記憶を無くした二人は諸々の事情から白井総合病院に入院する事になった。
転院に関しては美神が無理やりさせたのだが・・・。
ちなみに、シロとタマモはとんぼ返りである。
「質問」
タマモが手を上げる。
「何よ」
と美神。
「この二人が入院するのは良いとして、何で“相部屋”なの?」
そう、相部屋なのだ。
「仕方ないでしょ!?横島クンは前回と同じく真面目になってるし、他に空きが無いってゆ〜んだから!」
「美神さん、病院の中では静かにして〜・・・(汗)」
不機嫌な美神を宥めようとはするものの、今一腰が引けてしまうタマモ。

コンコン・・・ガチャッ

病室のドアを開けて入ってきたのは唐巣神父とピートだ。
「大変な事になったようだね。二人の様子はどうかね?」
第一声は唐巣。
「先生!?・・・二人とも、この調子なら直ぐに退院できそうだけど、脳に霊的ショックを受けていて記憶の方が・・・」
「そうか・・・。で、この二人は前にも記憶を無くしたことが有ったね。おキヌ君は自然に思い出したから仕方ないとして、横島君は前に行った方法を試してみたのかね?」
「嫌っ!!そんな事をするぐらいだったら私は死ぬわ!!」(焦)
美神の反応は当たり前と言えるのだが、その理由を知らない唐巣には意味が分からない。
「一体何があったんだ?・・・(コミックスを検索中)・・・」
「やめんか〜〜〜!!」
人間として当然の『知りたい』という欲を持ったために彼は弟子にパイプ椅子で殴られる。
「・・・師匠である私が、何故弟子からこのような仕打ちを受けなければ成らないのでしょうか?・・・おお、主よ・・・」
唐巣はその場に倒れた。
「フッ、ついに現代医学の出番のようだな」
今度は何時もの医師が現れる。
「この現代医学バットで頭を殴れば一発で・・・バキッ!ズガッ!ボキッ!!(?)」
「あんたはそれでも医者か〜〜っ!!」
医師がバットを持って一歩進んだ所で、美神の〔右ストレート〕〔左フック〕〔ギャラクティカ・ク○ッシュ〕が立て続けに炸裂し、医師とその手に持っていたバットは見るも無残な姿へと化す。
「げ・・・現代医学が・・・(違う)」
医の道は険しいのであった。(これも違う)


――その頃横島は――
「先生・・・!本当に拙者を忘れたのでござるか?シロでござるよ?!(涙)」
「横島さん・・・!僕です。ピートです。僕たちの友情はどうなったんですか?(涙)」
「・・・ごめんな・・・。本当に何も憶えてないんだよ」
“怪”復するほどの気力も感じられなくなった横島の両手をシロとピートが片方ずつ掴む。
「なんだか・・・改めてみると、凄く味気ないですね・・・」(前回はまともに会話してない)
「そうでござるな・・・」
「「ううっ!(泣)」」
妙な〔絆〕の出来る二人であった。


――おキヌは――
「氷室さん!?」
「おキヌちゃん!?」
こちらはこちらで親友二人が見舞いにやってきた。
「あら・・・、私の・・・お友達・・・ですか?」
こんな事しか言えない自分を悔やみながら、おキヌは言葉を紡ぎだす。
彼女が記憶喪失なのは承知の上らしく、聞いているほうは冷静である。
「そうよ!私は弓かおり!」
「同じく、一文字魔理だ!」
「作者の好きな年代にあったような名前ですね」
おキヌ以外はコケた。
「「違――――う!」」
「あっ・・・すいません・・・」
力無く謝る。


――AM0:04・病室にて――
就寝時間はとっくに過ぎているが、横島は眠れないでいた。
記憶が有っても無くても、この状況で眠れるわけは無い。
暫く宙を仰いだ後、何気なく自分の隣のベッドを見る。
「!?」
そこには無表情で自分を見詰めているおキヌの姿があった。
「・・・おキヌちゃん・・・だっけ?君も・・・眠れないんだね」
「はい・・・なんだか、・・・貴方だけは忘れちゃいけない・・・そんな気がするんです」
彼女の目は・・・切ない。
互いに力が入らないせいか、途切れ途切れの会話。
「無理する事・・・無いよ。・・・そのうち・・・思い出すよ。・・・きっと・・・だから、頑張ろう」
「うんっ」
やっとおキヌが笑顔を見せる。
≪可愛い・・・。この娘(こ)を見てると気持ちが楽になるのは何故なんだろうな≫
≪記憶が有った時も、この人は優しかったのかな?≫
それぞれに思いを巡らせて、夜は更けていった。

――続く――


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