ザ・グレート・展開予測ショー

彷徨う二つの心(1、白銀の世界より・後編)


投稿者名:マサ
投稿日時:(02/ 4/ 4)

「も、文珠っ!!」
横島は【柔】の文珠で下の地面をクッションにする。

ぼふっ ぼふっ

二人は何とか着地に成功する、が。
「うぐっ!う、腕が・・・」
先程の衝撃で横島は腕を骨折したようだ。
【治】の文珠を使って見るが、流石にこんな事では全快しない。 
おキヌのヒーリングで治す事にした。

――そのころ美神は――
「こんの〜〜!!」
美神が手に持った神通棍を全力で叩き付けるが、勘九郎の刀との激突に神通棍は大破した。
『・・・私は・・・最強よ・・・・・・!』
「くっ、まだまだ〜〜〜〜!!」
今度は破魔札、そして予備の神通棍を神通鞭に変化させて攻撃するがまたしても切り払われる。
「これじゃあ、全くギャラと釣り合わないわ!!」
『そろそろ・・・終わりよ・・・死ネェェ―――!!』
勘九郎は霊波砲を放ち、美神は防ぎきれずに直撃を食らって気絶した。

――再び横島とおキヌ――
「どうですか?」
横島の右腕に両手をかざしてヒーリングをしながらおキヌが不安そうに言った。
「ああ、大分ましに成った。サンキューな」
そう言って横島は腕を曲げたり伸ばしてみる。
「私の力がもっと強かったら直ぐに治るんですけど・・・」
「そんなことないよ。此れで充分動ける」
慰めつつ、彼女の肩に無傷の左手を置く横島。
『しぶといわね〜』
そこへ勘九郎が現れる。
「やっぱり来たな。オカマ野郎!!」
横島は猛然と突っ込み、霊波刀を構えた。
上段の構えから勘九郎に向かって渾身の一撃を振り下ろすも、怪我の痛みが残っているらしく、簡単に交わされる。
そして、振り返り様にサイキクソーサーを投げ、ハンズ・オブ・グローリーを構えて伸ばすが、いずれも大きなダメージは与えられずに弾かれた。
「サイキック猫だまし〜!!」
パァァァンという炸裂音と共に閃光が走る。
「おキヌちゃん、逃げろ!!今のうちに(ニコッ)」
「えっ!?」
横島の台詞と明らかに最後と分かる笑顔に躊躇するおキヌ。
次の瞬間、勘九郎は横島の背後に回り込み、後頭部を鷲掴みにする。
「ぐあぁぁぁ――――っ!!!!」
勘九郎の掌から霊的な電撃が放たれ、横島は気絶した。
そして岩壁に向かって投げ飛ばされ頭を強打。
流れる鮮血を見るなりおキヌは横島に駆け寄った。
≪私だけ逃げるなんて・・・出来ない!!≫
『フッ、・・・仲良く死になさい!!』
勘九郎の掌から霊波砲が放たれようとしたその時、勘九郎の動きが止まる。
それと同時におキヌのスキーウェアのポケットから光が漏れ出した。
見ると、それは【加】と【速】の文珠。
「横島さんの文珠!?いつの間に・・・。今のうちに横島さんを・・・!!」
おキヌは急いで横島を引きずって逃げるが、文珠の加速が長く続くわけも無く、直ぐに効果は切れた。
『!?・・・いつの間に・・・!!』
気付いた勘九郎が再び襲ってくる。
「止めて・・・もう・・・傷つけないで!!」
おキヌの目から溢れ出した涙が頬を伝い、落ちる。
その時、奇跡は起きた。
彼女の体の周りを白い光が包み始め、勘九郎の刀がその光に触れた瞬間に蒸発したのだ。
「私の大切な人を・・・傷つけないで!!・・・終わりにしましょう・・・こんな事・・・」
おキヌがそう言うと、目映いばかりの光の柱が発生して周囲を包み込んだ。
『な、何なのよ!グアァァァーーー!!』
勘九郎は音も無く消滅した。
「・・・・・・・・・」
おキヌはその場に倒れこみ、深い眠りに就く。
「なんだったんだ・・・今のは!!」
物陰から現れたのは伊達雪之丞だ。

――ふもとの病院――
雪之丞が三人を運び込んで数時間が過ぎた。
彼は先に目覚めた美神に事の次第を話す。
「で、俺が来た時にそいつ(おキヌを指で指す)が加速状態から解けたと思ったら例の光を使ってな。あの野郎はそいつで消えちまった。相手の霊力を『無』の状態にする効果があるらしい。辺り一帯霊気の欠片も無かった。妙神山であのサル(猿神)がやった修行と同じ要領かも知れねぇが、あの程度の加速で潜在能力を引き出せるものだろうか・・・何にしても俺には分からん」
「なるほどね。また珍しい能力を・・・。この子らしい平和な能力ね。で、あんたは何でそんなとこに居たのよ?」
「色々有って金欠でな(涙)。依頼を探して一人旅をしてたのさ」
「大変ね〜」
「あの〜、こちらのお二人ですが、男の方は見ての通りの重傷ですから入院の必要があります。こちらの女の方も、体力が低下していて、やはり入院かと・・・」
医師が二人の容態を告げる。
流石に、横島が死ぬ事は無いようだ。
「・・・う・・・ここは・・・?」
横島が目を覚ます。
「病院よ」
と美神。
「そうですか・・・。あの・・・僕はいったい・・・誰なんでしょうか?」
『!?』
その場の全員が言葉に困る。
美神は≪またか・・・≫と思う。
そこへ・・・
「・・・ん〜っ・・・ここは・・・何処ですか・・・?」
おキヌも目を覚ます。
「病院よ」
また美神。
「・・・病院・・・。あの・・・つかぬことをおうかがいしますが、・・・私は・・・誰・・・ですか?」
今度のショックは先程よりも更に凄かった。
美神は白くなって「おキヌちゃんが・・・おキヌちゃんが・・・」とブツブツ呟く。
横島とおキヌは顔を見合わせて『?』の表情を浮かべる。





はい、なんか滅茶苦茶な展開です。
おキヌちゃんの能力が気に入らない方は言ってください。

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