ザ・グレート・展開予測ショー

頼みごと?


投稿者名:hazuki
投稿日時:(02/ 4/ 1)

―とあるボロアパートの一室にて。
例によって、ぶちのめされた、障子と決して広くは無い畳の間でただでさえ極貧の横島の食料(カップ麺)を食い荒らす男がひとり。
つんつん頭のナイスガイ(笑)そう!!伊達雪之丞である。
注―ほんとうにナイスガイかという問い掛けにはお答えできません。
横島は、じとっとそれはもう、北極に生息する白熊さえもこおりつくのじゃなかろーか?と思わせる冷たい目でそのナイスガイとやらを眺めていた
いや、別に食料を食べにくるのならまだいいのだ。
―本当に良いのか?と念を押されるとこれまた困るが。
問題は、このナイスガイが持ってくる『頼みごと』である。
はっきしいってろくなものがない―というかよくいきていたもんだ…と思わず感心してしまうものがほとんど…いや全部と言って過言ではないだろう。
しかも、一度も断れたためしがない。
ならば、ここに入れなきゃいいではないかという話になるだろうが。
仕事から還ってきたらずずっとラーメンをすすっていたのだ。
自分が来る前からいたんでは追い出すもなにもない。
―と、雪之丞がカップ麺を四個ほど平らげやっと一息ついたらしく
ちらっと横島のほうを見て―
「横島―頼みが…」
と言葉を発しようとしたが
「嫌だ」
ときっぱしはっきしと全部言い終わる前に一刀両断にする。
一片の躊躇もなしである。
「………普通聞いてから答えないか?」
むっと表情を強張らせ雪之丞。
「ほう、人のうちに不法侵入したやろーが普通を言うか?」
とは冷ややかに横島。
絶対今日こそは、のせられるもんかっとその表情が言っている。
一方雪之丞はいつになく硬い横島の態度に、これまでにない困難さを感じている。
まあこれまでの説得が簡単だったのかもしれないが。
(仕方が無い―奥の手を使うか)
―と雪之丞はぴらっと一枚の写真を取り出した。
ぴくっとその写真に、反応しそうになるがぐっと堪える。
「引き受けてくれたら、これをやってもいいぞ」
超レアものだぞ
ぴらぴらと頼りなく揺れる写真を眺めながら雪の丞。
「そ、そ、そ、そ、そ、そ、そ、そんな手にはのるもんかっ」
限りなく平静を装い横島。
視線は明後日を見ているが、神経は、雪の丞が持っている写真にいっているのがわかる。
しかも、声は裏返ってるわ、どもっているわでこの男に演技力を求めても無駄という事がわかっていたとしても―ここまでわかりやすい人間はかえって珍しい。
まあ、嘘がつけないやら、人を騙せないなどという部分は、その当人にとって美徳となるのだが―この男の場合―どうみてもプラスよりマイナスに働いている事が多く―美徳というよりも、弱点といったほうが正しいかもしれない。
そして―それを誰よりもわかっているナイスガイ(笑)は―にたりと口元を歪ませ
「六道女学院、体育祭ものだぞ」
ぼそっと言った。
「ぬわにいいっ」
聞くや否や横島は写真に釘づけになる。
その反応をよしとした雪の丞は懐から更に五枚ほどの写真を取り出した。
「六道女学院と言えば、女の子のレベルがAAランクでっその写真といったら―ふつーの写真でさえ、入手不可能に近いのにっしかも体育祭でっその上―こんなセクシーポーズだとおおおお!!」
………なにやら、横島のロマンを刺激する写真らしい。
雪の丞から写真を奪い取り舐めるように眺め横島
「俺は、どんなにおきぬちゃんに頼んでももらえなかった幻の一品が―」
どうやら横島おきぬに頼んでいたらしい。
「そりゃ俺の場合彼女だしな」
ぴしっと亀裂のはいりそーな一言を告げ雪の丞。
そして―雪の丞はひらひらと手をふり―
「どおする?」
と言った。
これに対する答えなど決まってることを確信しながら。
と、いうかこれで断る男など(と、いうか横島)などいないだろーし

おわり

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