ザ・グレート・展開予測ショー

ライアー・ライアー!!1


投稿者名:sai
投稿日時:(02/ 3/29)

ライアー・ライアー!!1

暖かな陽射しの春の日。
美神たちは六道邸へ来ていた。いや、美神たちだけではない。
冥子はもちろんエミ、唐巣神父・ピート、愛子、小鳩に貧乏神、西条・魔鈴、カオスにマリア、小竜姫・ヒャクメ、弓・雪之丞、魔理・タイガー、厄珍や伝次郎に浮遊霊たちまで、要は極楽メンバーの殆どが集まっていた。
そして既に場はどんちゃん騒ぎの真っ只中。

どうしてこんな馬鹿騒ぎをしているのか?
話は一週間前に遡る。

「美神さん、どこかへお花見しに行きませんか?」
始まりはおキヌの一言であった。盆暮れにクリスマスはもちろん、七草粥・菖蒲湯に至るまで年中行事は殆ど全てこなす彼女である。
「えー・・・私はどっちかっつーと桜は窓から見るくらいで、家でちびちびやる方が・・・」
(わ、若さがないなあ・・・)
ソファーに寝転んだまま二十代とは思えぬ発言で渋る美神を説得し、次の日曜日に花見をすることになった。
早速計画を立てるおキヌ。
(お料理どれくらい作ろうかしら・・・?そうだ、みんなでお花見の方がきっと楽しいわ)
結果、集まり具合は彼女の人望より推して知るべしである。
必然そんじょそこらの公園では手狭になり、六道親子の申し出で六道邸での開催となったのである。

ところでこの場にいかにもいそーなのにいない者がいる。そう、セクハラ大魔王である。
「遅いですねー、横島さん」
主におキヌと魔鈴で用意した料理の残量を眺めながら、おキヌがつぶやく。
「あれ、そういえば横島さんは?」
こちらも気になっていた小竜姫。何か物足りなく感じたのは、下界に来る度に横島のセクハラにツッコんでいた為かもしれない。

「ああ、彼なら・・・」

愛子が言おうとしていた「彼」は、上機嫌で六道邸へと向かっている最中であった。手の中でチャラチャラ音を立てているのは、『真』と『偽』の文殊。
(あんなにうまくいくとはなー。これから試験は全部選択問題だったらえーのに・・・!)
横島はこんな三月も押し迫って進級の為の追試を受けてきたところだった。
授業もロクに受けておらず、ましてや勉強する気などさらさら無い横島は一計を案じ、
見事に図に当たったところであった。

(しかし一個づつ余っちまったな。なんかイイ使いみちはねーかなー。)
シミュレーションしてみる。
『真』『偽』どちらを使っても、美神さんのハダカは拝めない。
『真』『偽』どちらを使っても、小竜姫さまと『人と神の道ならぬ恋』は起こらない。
『真』『偽』どちらを使っても、魔鈴さんにも冥子ちゃんにもセクハラかます事は
出来ない。
(そーだ!『偽』で美神さんに化けて・・・)
{ねえ、冥子。今日はせっかく集まったんだしあんたんとこの大欲・・・、いえ大浴場に
皆で入らない?}
{ええ〜〜〜〜。そうしましょ〜〜〜〜。}
ほんでもってほんでもって!
{小竜姫ったら意外にイイ体してるのねー!}
{キャッ!もぉヒャクメったらお返しですっ!}
{魔鈴さんて〜〜〜着やせするのね〜〜〜。}
「ってなことになっちゃったりしちゃったりっったら!!ぼかーもおっっっっ!!!!」
コブシを握り締め、公道のど真ん中でアブない表情を浮かべる横島。
顔を引き攣らせ、その脇を遠巻きに避けて通る通行人。
時折『指差しちゃダメよっ!』とか『見るんじゃありません・・・!!』とか押し殺した声が聞こえる。

飽くなき妄想、それが彼の霊力源。
しかし長年の経験も体に染み付いており、やがてしくしくとヘコみだす横島。
(・・・必ず未遂でばれてフクロ叩きなんだよな・・・)

「判っててもやるかノー。」
「横島さん、いくら不死身でも命は大事にしたほうがいいですよ・・・」
「うっ!?声に出ていた!?しかもいつの間にか到着!?」
タイガーとピートが声をかける。自分の肖像権が侵害されているときには地獄耳な
美神もやって来る。
「路上でハズカシイ妄想かましてんじゃないわよっ!」
「ああっ!?聞かれた!?どーせしばかれるんやったらせめてその前に
酔った勢いでセクハラを一発―――!」

「あんた呑んでもいないでしょーが!!!」
どげしっっっ!!!!!

飛びかかる横島にカウンター気味に右アッパーを入れる。いいパンチだ。
「これも青春よねー。」
「そ、そうかノー・・・」
桜吹雪と一緒に宙を舞う横島に、愛子とタイガーがツッコんだ。

ひゅ〜〜〜ん・・・カンッ カラカラ・・・

はずみで何かが横島の懐から飛び出し、どこかへ落ちた。
「あれ?」
その物体が、アイスボックスに落ちていくのを見ていたのはピートだけであった。
「さっ、もっかい乾杯よ!」
KOされている横島を残し、皆がめいめい飲み物を注ぎ何人かがアイスボックスから
氷を入れていく。
「あ、ちょっと待っ・・・」
「「「「「かんぱーい!!」」」」」
キイィィィン・・・!
ピートの声はかき消され、乾杯の声に紛れて何かが発動した。

「大丈夫ですか、横島さん?」
「あいててて・・・」
「ところで横島さん、今日文殊って持ってませんでしたか?」
「え?ああ、持ってるけど。あれ?一個減ってる」
(やっぱり・・・!)
ピートが慌ててアイスボックスを開けるが、中身はカラ。
「ああっやっぱりカラッポ!!?」
(誰かが呑んじゃったんだ・・・!!)

「横島さんっ!!無くなった文殊に込めた文字はわかりますか!?」
「あ、『真』だけど。どーしたんだ、急に?」

(ホッ・・・『死』とか『呪』とかじゃなくて良かった・・・)
ちょっと安堵するピートだが、皆に向き直って叫んだ。
「皆さん!!聞いて下さい!!」
日頃割と大人しいピートが真顔で叫ぶと、皆が振り返った。




「この中に、『真』の文殊を飲んでしまった人がいます!!!!!」




(つづく)




つい、また書いてしまいました。

溶けた文殊を文殊を飲んでしまったのは誰なのか!?
どーなってしまうのか!?(って、判る人には判ってしまいますね)

今のところ3人程候補がいます。
A・・・本命ですね。GSギャグの本流でしょうか。
B・・・意外にこの人が飲んでしまうのも面白いな・・・と。
C・・・この人が飲んでしまうと、たいっへんなことになってしまいます。
   なんたって洗いざらい・・・ゴニョゴニョ
予定はありますが、もしリクエスト頂いたら変わってしまうかも!?

一方、この展開では絶対主役を張れない方々がいますよね。
その方々には『偽』ヴァージョンで頑張って頂く予定です!

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa